インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

超越性予想(執筆中)

勉強したことを少しずつ書く(まだ理解できてないです。間違いがあったらすみません)。

目標

Kontsevich-Zagier予想 (ラフ版) 有理的なデータのみを用いた積分で表示されるような複素数を周期とよぶ。周期間の等号は積分の基本的な変形である線形性・変数変換・Stokesの公式(微積分学の基本定理の拡張)のみを有限回組み合わせることによって必ず証明できるであろう。

これが正しいとゼータの超越性予想が従う。

Riemannゼータ値の超越性予想 奇数ゼータ値\zeta(2k+1)は全て超越数であろう。もっと強く、\pi, \zeta(3), \zeta(5), \zeta(7), ...\mathbb{Q}上代数的独立であろう。

定理 (たぶん) Kontsevich-Zagier予想が正しければRiemannゼータ値の超越性予想も正しい。

これだけ聞くと初見では自明ではないと思う*1が専門家には常識っぽい感じもあるので理屈をまとめたい。

周期とKontsevich-Zagier予想

多重ゼータ値の次元予想

www.ajimatics.com
もっちょさんの上記記事にあるPadvan数列P_nの番号を二つずらしたものをd_n:=P_{n-2}とする。

多重ゼータ値については
integers.hatenablog.com
を参照のこと。

多重ゼータ値の次元予想 (Zagier) k\geq 0とする。重さkの多重ゼータ値が張る\mathbb{Q}上ベクトル空間Z_kの次元はd_kである。
この予想に対して、次の大きな結果が得られている。
定理 (Terasoma, Deligne-Goncharov) \dim_{\mathbb{Q}}Z_k\leq d_k.
これは多重ゼータ値の間に大量の線形関係式が存在することを保証する大定理であるが、独立性に関する逆向きの不等式は真に超越数論的な難しさがあり、得られている成果は殆どなく壊滅的状況といえる。

上記記事にあるように、n\geq 1に対するd_nn23の和の形に表す表し方の総数である。

定理 (Brown)

モチーフ

Grothendieckの周期予想

Brownの仕事

次元予想から超越性予想

定理 多重ゼータ値の次元予想が正しければRiemannゼータ値の超越性予想も正しい。

Ayoubの仕事

まとめ

以上をまとめると次のようになっている。

参考文献

[A] Ayoub
[B] Brown
[GF] Gil-Fresán
[KZ] Kontsevich-Zagier
[T] Terasoma
[Y] 吉永正彦, 周期と実数の0-認識問題: Kontsevich-Zagierの予想, 数学書房, 2016.
[Z] Zagier

*1:だって、めちゃくちゃ乱暴に言えば「積分で書ける数の等式は学校で習った積分の基本的な公式だけでいつでも証明できることがちゃんと保証できればゼータは超越数になる」とか言っているわけです(全然厳密でないので、この文がそのまま広まるとまずいですが)。

【素数遊び】ガロアは素数だった!?

Prime Curios!というサイトに書かれていた事実

A=2, B=3, C=5, ..., Z=101とアルファベットに小さい順に26個の素数を対応させて "A TWIN PRIME NUMBER" (ふたご素数)を一つの数字に変換して得られる数はふたご素数」

であることを検証したいと思います。


A B C D E F G H I J K L M
2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41
N O P Q R S T U V W X Y Z
43 47 53 59 61 67 71 73 79 83 89 97 101


が対応表なので、

A TWIN PRIME NUMBER

に対応する数は

2, \ 71, \ 83, \ 23, \ 43, \ 53, \ 61, \ 23, \ 41, \ 11, \ 43, \ 73, \ 41, \ 3, \ 11, \ 61

すなわち、

271832343536123411143734131161

がふたご素数と言っている!!!

Web上の素因数分解アプリ

www.alpertron.com.ar

を使って確認しましょう。


271832343536123411143734131161=31\times 167\times 6263\times 8383793111868697267111


割り切れとるやないかーい!!


そういえば参考記事は643についての記事だったのですが、643は何の関係があるのでしょうか?もしかして足し算?

というわけで足してみましょう。


2+71+83+23+43+53+61+23+41+11+43+73+41+3+11+61=643


643になりました。643は確かにふたご素数(641, 643)の構成素数なので、記事の内容はこちらだったようです。


でも、素数大富豪好きということもあって、足し算より結合演算の方が好みです。

上の対応表で結合演算によって一つの数を対応させたときにそれが素数となるような単語を探してみたところ、一つ発見することができました。

"GALOIS"(ガロア)です。


G=17, \ A=2, \ L=37, \ O=47, \ I=23, \ S=67

17237472367

は素数です。


というわけで、一つの素数遊びが生じました。このルールで他にどんな単語が素数であるか皆さんで発見してコメント欄に是非書いて教えてください!

素数大富豪における1279の有用性

素数大富豪では、1, 2, 7, 9を用意しておけば1729を作ってラマヌジャン革命を引き起こすことができます。ですが、並び替えた1279が素数なのでこちらを利用することも考えられます。

この1279はちょっとした特徴を持っており、偶数消費型素数として活躍します。

というのも、各数の間に2を三枚挿入してできる数、4を三枚挿入してできる数、6を三枚挿入してできる数、8を三枚挿入してできる数

\begin{align}&1\color{red}{2}2\color{red}{2}7\color{red}{2}9 \\
&1\color{red}{4}2\color{red}{4}7\color{red}{4}9\\
&1\color{red}{6}2\color{red}{6}7\color{red}{6}9\\
&1\color{red}{8}2\color{red}{8}7\color{red}{8}9\end{align}

がそれぞれ素数になっているのです。

更に、0を三枚挿入した

1\color{red}{0}2\color{red}{0}7\color{red}{0}9

も素数になっています。素数大富豪で一応 T2X7X9|X=0|X=0 と出すことが可能です(数譜についてはこちら)。

追記) 下記参考文献でこの数を知って書きましたが、なんと

\begin{align}
&1\color{red}{10}2\color{red}{10}7\color{red}{10}9\\
&1\color{red}{12}2\color{red}{12}7\color{red}{12}9
\end{align}

も素数でした!(1142147149は合成数) これはΑσαγγηさんのtweetでの指摘で気づきました。

素数大富豪はトランプゲームであり、1012はそれぞれ一枚のカードで出すことが出来ますが、いよいよ1279は素数大富豪において特別な素数である気がしてきました。