インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

Golombの定理

素数個数関数に関するGolombの定理を紹介します。証明に使うのは –①のみです。これは素数定理から出ますが、素数定理を用いることなく初等的に導出できる点には注意しておきます。Golomb曰く、Eulerが既に示していたとのことです。Euler先生は何でもやってま…

高木関数

今、目の前に高木貞治博士の論文集があります。高木貞治博士が28歳ぐらいのときに出版された論文T. Takagi, A simple example of a continuous function without derivative, Proc. Phys. Math. Japan, (1903) Vol. 1, pp. 176-177.は一ページ半に満たないも…

ウェダーバーンの定理

環と言ったら可換環のことを指すというようなことはなくて、普通は非可換環も含めて環なので、可換環しか扱わないような場合は最初に明言する必要があります。を持つかなども基本的には書かなければなりません。一方、体と言ったら普通は可換体を表します。…

Zsigmondyの定理

高校数学の美しい物語さんの記事mathtrain.jpを初めて見たとき、一つだけ知らない定理がありました。それがZsigmondyの定理です:Zsigmondyの定理 を互いに素な自然数とし、を以上の整数とする。このとき、およびかつがの冪であるという例外ケースを除いて、…

2017, e, π, Khinchin定数

は素数ですが、昨夜面白い性質があることに気づきました。 の場合 にをかけます。 この数に一番近い整数は素数です。このような性質をもつ以下の素数(に一番近い整数が素数となるような素数)は です 。このような幸運な年は私が生まれてからだと年が初めてで…

代数学の基本定理のCauchyの積分定理を用いた証明

代数学の基本定理の証明はたくさん知られています。個人的にはGalois理論を使った証明が好きです。インテジャーズでも位相空間論の言葉による証明を紹介しました:integers.hatenablog.com今日はBoasが1964年に発表した証明を紹介したいと思います。代数学の…

アニメーション映画「算法少女」

私が小説『算法少女』(遠藤寛子著ちくま学芸文庫*1)を始めて読んだのは大学生のときだったと思います。実在する和算書『算法少女』(1775)を題材にした千葉あき主人公の物語*2。それ以来『算法少女』のファンなのですが、アニメーション映画化されるとは知…

素数定理

素数定理を伝道してきた話を書きます。 時間がないので、もうしばらくお待ちください。

[素数大富豪] ラマヌジャン革命と合成数出しにおける指数表記出し

これは素数大富豪Advent Calendar 2016 www.adventar.orgの22日目の記事です。昨日はみうら君の記事でした: togetter.comいいですねえ。私も好きです。私の好きなの性質としては「唯一のジェノッキ素数である」があります: integers.hatenablog.com 公式ル…

「√2+√3+√5+√7は無理数である」など

この記事は日曜数学アドベントカレンダーの17番目の記事です。http://www.adventar.org/calendars/1777www.adventar.org昨日の記事はToshiki Takahashiさんのリープグラフと複素確率 | Advent Calendar 2016 | DIY Mathematics |でした。 今日は、キグロさん…

日記

時間的余裕がない*1。なお、という素因数分解はと導出できるというのが好きです。 *1:日曜数学アドベントカレンダーへ寄稿予定の内容があるのですが今どうしても書けません。申し訳ございません。書け次第ご報告致します。

素数大富豪との出会い

12月7日、といえば非常に美しいMersenne素数ですが*1、素数大富豪でQ7と二枚出し出来る頻出素数です!この記事は素数大富豪アドベントカレンダー2016の7日目の記事です。 www.adventar.org昨日はmattyuu123さんによる記事でした: mattyuu.hatenadiary.com…

938万桁の新素数発見により10223がSierpinski数でないことが確定

以下のサイトに発見されている巨大素数のトップ10が掲載されています:primes.utm.edu第1位のは今年の1月に発見が宣言されたもので記事にしました:integers.hatenablog.com実は先日新しい巨大素数が発見されたらしいのです!第7位を見てください!それは…

関-ベルヌーイ数の第二種Stirling数を用いた公式

関-Bernoulli数は第二種Stirling数を用いて表すことができます。関-Bernoulli数については integers.hatenablog.comを、第二種Stirling数についてはintegers.hatenablog.comを参照してください。関-Bernoulli数は一つ目の記事で紹介したように -①を満たすよ…

37でたくさん割れる関-ベルヌーイ数

最小の非正則素数について短い記事を書こうと思います。関-ベルヌーイ数についてはintegers.hatenablog.comを参照して下さい。番目の関-Bernoulli数を既約分数表示した際の分子をで表し、若干の数値例()を上記記事に掲載しました。の素因数分解において、赤…

好きな(曲, 部分)を伝道する

皆さんこんばんは。「好きな英単語と言えばclassic(意:最高級の)とprime(意:最も重要な)」でおなじみのせきゅーんです。これは伝道師になろうアドベントカレンダーの三日目の記事です。www.adventar.org昨日の記事は綾塚さんによるY.AYA's Garden - SF読書…

6058655748

療養中であったせきゅーんの見舞いに行く途中、先生が乗ったタクシーのナンバーが6058655748であった。先生が「その数はどうでもいい退屈な数字であった。凶兆でなければよいが」というと、せきゅーんは即座に「そんなことはありません…

インテジャーズ一周年!!

今朝、起きたらこんなメールがgmail宛に届きました。 そう、昨日がブログ『インテジャーズ』の執筆を開始してちょうど一年だったのです。 去年の10月末か11月初めに突発的にブログを書こうと思い立ち、はてなブログをとりあえず開設し、ブログの技術の習得や…

リーマンゼータ値に関する問題

昨日の記事integers.hatenablog.comを眺めていると、次のような数字の3つ並びが目に入ります: 次の式は簡単に証明できます:.さて、に対し、となっています。参考までに、のときとのときを調べると、に対しであり、に対し、です。それでは、次の問題に答え…

正の整数におけるリーマンゼータ値(日常生活用)

日常生活用のため、のまでの値を各々、小数第50位までのみ掲載しています*1。 *1:非日常生活用記事はまだ一つしか書いていません: integers.hatenablog.com

Grahamの第二論文を読む ー③

過去の記事を読むには上のカテゴリーをクリックしてください。前の記事で導入した記号・用語については説明を省略しています。前回示した定理2によって、幾つかの仮定のもと、を具体的に書き表すことが出来ました。その仮定におけるの条件を強めることによ…

Grahamの第二論文を読む ー②

過去の記事を読むには上のカテゴリーをクリックしてください。前の記事で導入した記号・用語については説明を省略しています。この記事では次の定理を証明します:定理2 を正の実数列であって、次の二条件を満たすようなものとする: 自然数が存在して、な…

ポッキー&プリッツの日

番目の素数はです*1。"今宵"と語呂合わせできますね。integers.hatenablog.comで紹介したように、と最初の個の素数を足すととなって、これまた素数となります*2。 最初の個の素数を並べると2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 53 59 61 67 71 73 79 8…

誕生日に頂いたもの

早詠みの狐の異名を持つ歌人、狡猾な狐さんにお題「インテジャー」で和歌を詠んでください!と依頼していたのですが、いつもとは違って長い時間をかけられ、なんと私の誕生日に合わせて歌をプレゼントしてくださりました!!!! 和歌を誕生日に頂いたのは初…

ラマヌジャンが出した問題

Ramanujanは幾つかの数学の問題を"the Journal of the Indian Mathematical Society"に出題しています*1。実は以前書いた記事integers.hatenablog.comの数式は全てRamanujanの問題から抜粋したものです。Ramanujanの問題はこちらの"Questions"をクリックする…

Schumacherの素数公式

素数公式記事第三弾。定理 (Schumacher, (2015) ) 番目の素数をとする。このとき、が成り立つ。数式の正確な読み方は証明を見れば分かります。補題1 に対して、が成り立つ。ここで、は素数判定関数*1。証明. まず、 −①が成り立つことを示す。が合成数ならば…

Ruiz-Sondowの素数公式

素数公式記事第二弾。定理 (Ruiz-Sondow, (2002) ) を番目の素数とするとき、が成り立つ。補題1 をの正の約数の個数とする。このとき、が成り立つ。証明. をで割った商を、余りをとしよう。このとき、が成り立つ。ならば、をで割った商は、余りはであるから…

ラマヌジャンの初等的恒等式観賞会

Two Proofs of Euclid's Theorem via Valuation Theory

Euclid's Theorem. There are infinitely many prime numbers. Valuation Theory Ostrowski's theorem. Every non-trivial valuation on the rational number field is equivalent to either the usual absolute value or a -adic valuation for some prime …

ラマヌジャン映画『奇蹟がくれた数式』公開!!

5 7 11

ですから、を自然数の分割数としましょう。すなわち、を例えば非増加の順に自然数の和として分割するときの分割*1の総数がでした。より、が分かります。便宜的に、負の整数に対してとしておきましょう。の母関数はで与えられたことを思い出しておきます。Ram…

素数仲間

とある二匹の白い猫がいます。 そのうちの一匹の写真を今日撮らせていただきました。 可愛いでしょう? もう一匹の方に150日前に撮らせて頂いた写真がこちら 可愛いでしょう? 1426日前に撮らせて頂いた写真もあります 可愛いでしょう?

Regimbalの素数公式

で番目の素数を表します。素数の分布に真に迫るのは大変に難しいことですが、「素数を式で表す」だけなら簡単です*1。この記事はそんな公式達を紹介する第一弾です。定理 (Regimbal, (1975) ) が成り立つ。補題1 に対して関数をと定める。このとき、が素数…

猫が大好き

めっきり寒くなってきましたね〜 夜中目が覚めると、異常に寒いですブルブル そういえば、私は猫が大好きです。飼ってないですが、野良猫が大好きなのです。 野良猫と素数について語り合う時間が至福ですね。彼らは日本語を喋らないのでただの私の独り言の可能…

図形の問題の解答

先日紹介した思い出の図形問題integers.hatenablog.comの解答を幾つか紹介します。 解答1 という条件から、図のようにとなるように点を導入する。このとき、かつが成り立ち、この状況において四角形が等脚台形になっていることはよく知られた通り。よって、…

局所有限性に関する補題

定義 位相空間の部分集合族が局所有限であるとは、の各点が高々有限個のの元としか共通部分を持たないような近傍を持つときにいう。補題1 を位相空間、をの局所有限な部分集合族とし、の元は全て閉集合であるとする。このとき、も閉集合となる。証明.をの補…

ハッピー・ゴー・ラッキー数

ハッピー・ゴー・ラッキー数とは、ハッピー数かつラッキー数であるような自然数のことを言います。integers.hatenablog.comintegers.hatenablog.com ハッピー・ゴー・ラッキー数最初の100個 10000番目のハッピー・ゴー・ラッキー数を僕は「串行こーよ、な!…

マーティン・ガードナーのラッキー数 2187

マーティン・ガードナーが住んでいた家の住所にという数があったそうです。何故この数がマーティン・ガードナーのラッキー数と言われているかというと、ラッキー数になっているからです。 integers.hatenablog.com他にも次のような式が成り立ちます:

ラッキー数定理

この記事ではラッキー数を紹介します。Wikipediaでは幸運数という訳語で紹介されていますが、Eulerの幸運数とは異なるものです。Eulerの幸運数についてはtsujimotter.hatenablog.comを参照してください。 ラッキー数の定義 素数はEratosthenesの篩という篩に…

記憶に残っている、ある図形の問題

私は中学生のときに地元の数学専門塾に通っていた。 冬期講習のときだった気がするが、とある図形の問題のことを今でも覚えている。 悪戦苦闘の末、見事自力で解くことが出来た。 その問題は次のようなものだ*1: 三角形の辺上に点があり、が成り立つとき、…

素数大富豪まとめ

どうも、素数大富豪考案者のせきゅーんです。この記事は素数大富豪関連情報まとめ記事です。抜け落ちているものについての情報提供歓迎です*1。最終更新日 2017/6/28 素数大富豪とは 公式ルール 素数大富豪オンライン 素数判定アプリ 素数大富豪アプリ PC用…

ディリクレの算術級数定理のL関数を用いない証明

記念すべき250記事目ということで、整数論における極めて有名な次の定理の証明を解説します:Dirichletの算術級数定理 を互いに素な自然数とする。 このとき、 の形で表される素数は無数に存在する。 初等的証明が知られているケース 算術級数定理の証明を知…

ディリクレ指標

Dirichlet指標に関する基本事項をまとめておきます。差し当たって、Dirichletの算術級数定理の証明の準備的記事のため、必要最小限のことしか記述していません(例えば、原始的指標などを導入していません)。 有限アーベル群の指標 定義1 を有限アーベル群と…

オイラーの五角数定理の証明

Eulerの五角数定理は非常に美しい定理です。収束半径はですが、形式的冪級数の等式と考えるのがよいでしょう。この定理は過去の記事で一度使ったことがあります: integers.hatenablog.comEulerの五角数定理より偉い定理であるJacobiの三重積というものがあ…

n^2+(n+1)^2に関するシェルピンスキーの定理

昨夜、次の問題がTwitterのTLで話題になっていました。この前気になった「連続する二数の二乗和が素数」となり隣接するもの(例 1201と1301)を調べてみたら結構たくさんあった。なんか法則性あるかな?— miyamo (@DMiyamo3) 2016年9月26日 (続き)1,2,3のとき1…

203233, 203249, 203279, 203293

は連続する4つの素数です(番目の素数から番目の素数)。が連続する4つの素数であるとき()、が平方数になるような最小の例が上の4つの素数達です。とすると、となっています。

Grahamの第二論文を読む ー①

過去の記事を読むには上のカテゴリーをクリックしてください。前の記事で導入した記号・用語については説明を省略しています。前回までにGrahamの第一論文を読み終えました。 一連のプロジェクトの目標は integers.hatenablog.comで紹介したGrahamの定理を証…

Grahamの第一論文を読む ー③

過去の記事を読むには上のカテゴリーをクリックしてください。定理1 を正の整数からなる数列であって、 は半完全 は非有界 は有界 を満たすようなもの、 (はを満たす正整数)を は-近似可能 はのある項を割り切る を満たすような正の有理数とする。このとき…

先越されちった〜☆

が有理数と表されるというEulerの公式が僕は大好きで、4年前と9か月前に二回オリジナル証明を与えたことがあるんです。4年前は全く同じ証明を1994年にZagierが出版していることが分かってショックを受けたエピソードを integers.hatenablog.com に書きま…

岩波科学ライブラリー253『巨大数』〜アッカーマン関数に関する合同式について〜

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9/6発売の書籍鈴木真治著『巨大数』岩波科学ライブラリー253を購入しました(岩波書店のページ)。 一切のネタバレを嫌う方はこれ以降は読まれた後にご覧になってください。 この本は巨大数史をまとめた初めての本であり、 かなり古い時代に考えられた巨大数 …

Grahamの第一論文を読む -②

過去の記事を読むには上のカテゴリーをクリックしてください。 定義 定義1 を正の実数からなる数列とする。このとき、が半完全であるとは、ある非負整数が存在して、が成り立つときにいう。定義2 正の実数からなる数列が半完全であるとする。このとき、定…