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INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

2のn乗根が無理数であることの証明

整数の比の値として表せないような実数のことを無理数と言います。Pythagoras学派は\sqrt{2}が無理数であることを証明しました。

mathtrain.jp

Pythagorasは『無理数の存在を否定するがあまり、無理数について口外した仲間を溺死させたことさえあるとされる』らしいです(Wikipediaより)。

この記事ではPythgoras学派の偉業を大幅に一般化して、n\geq 3の場合にも\sqrt[n]{2}が無理数であることを証明します!

1995年にAndrew WilesによってFermatの最終定理が解決されました:

Fermatの最終定理
n3以上の整数ならばX^n+Y^n=Z^n-①は自然数解(X, Y, Z)をもたない*1

これを利用すればよいのです。

\sqrt[n]{2}が無理数であることの証明

n\geq 3とする。もし、\sqrt[n]{2}が有理数、すなわち整数の比の値で表せるならば、ある自然数a, bが存在して\sqrt[n]{2} = a/bと書き表せる。
このとき、両辺をn乗することにより、2=a^n/b^n, 2b^n=a^n,

b^n+b^n=a^n

を得る。これは①が自然数解(X, Y, Z)=(b, b, a)をもつこととなり、Fermatの最終定理に矛盾する。 Q.E.D.

こうして、我々は無数に無理数を手にすることが出来たのです*2

*1:この記事では自然数=正整数。

*2:念のため申し上げますが、この記事は"mathematical joke"です。これが出回ったのはW.H. Schultz(2003)による??