インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

eの無限積表示と素数の無限性

eだって素数の無限性を出せるんだからね!!

定理1 x \in \mathbb{C}\left|x\right| < 1を満たすような複素数とするとき、
\displaystyle e^{-x}=\prod_{n=1}^{\infty}(1-x^n)^{\frac{\mu (n)}{n}}
が成り立つ。

Möbius関数\mu (n)についてはメビウス関数 - インテジャーズを参照してください。

証明. F(x), \ G(x)

\begin{equation}\begin{split}F(x)&:= \prod_{n=1}^{\infty}(1-x^n)^{\frac{\mu (n)}{n}}, \\ G(x) &= -\sum_{n=1}^{\infty}\frac{\mu (n)}{n}x^n  \end{split}\end{equation}

とおく。これらは|x| < 1で絶対収束し、解析関数を定める。

\displaystyle \log F(x) = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{\mu (n)}{n}\log (1-x^n) = -\sum_{n=1}^{\infty}\frac{\mu (n)}{n}\sum_{m=1}^{\infty}\frac{x^{mn}}{m} = \sum_{m=1}^{\infty}\frac{1}{m}G(x^m)


と計算できるので、両辺を微分することにより

\displaystyle x\frac{F'(x)}{F(x)} = \sum_{m=1}^{\infty}G'(x^m)x^m = -\sum_{m=1}^{\infty}\sum_{n=1}^{\infty}\mu (n)x^{mn} = -\sum_{n=1}^{\infty}\left( \sum_{d \mid k}\mu (d) \right) x^k


を得る。Möbius関数の記事における補題1によって、これは-xに等しいことがわかる。つまり、F(x)は微分方程式

F'(x) = -F(x), \ F(0)=1

を満たすので、F(x)=e^{-x}を得る。 Q.E.D.

定理2 素数は無数に存在する。

証明. 素数が有限個しか存在しなかったと仮定して、p_1, \dots, p_kを全ての素数とする。P:=p_1\cdots p_kとおく。このとき、

\displaystyle n > P \Longrightarrow \mu (n)=0

が成り立つので、定理1より

\displaystyle e^{-\frac{1}{2}} = \prod_{n=1}^P(1-2^{-n})^{\frac{\mu (n)}{n}}

である。右辺は有理数であるが、eが無理数であることの5通りの証明 - INTEGERSの第四証明よりe^{-\frac{1}{2}}は無理数である。これは矛盾。  Q.E.D.