インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

5407:関-Bernoulli数の分子を分母で割った余り

5407713番目の素数。この記事では5407が現れる数列を一つ紹介します。

オンライン整数列大辞典に載っている数列です:A180315 - OEIS


B_nを関-Bernoulli数とします:

integers.hatenablog.com

に基本的な性質をまとめています。B_{2n}の既約分数としての分子をN_{2n}、分母をD_{2n}とします((-1)^{n-1}N_{2n} > 0, D_{2n} > 0)。このとき、数列a_n

\displaystyle (-1)^{n-1}N_{2n} \equiv a_n \pmod{D_{2n}}, \ \ \ a_n \in \{1, 2, \dots, D_{2n}-1\}

で定めます。例えば、

\displaystyle B_{2} = \frac{1}{6}, B_4=-\frac{1}{30}, B_6=\frac{1}{42}, B_8=-\frac{1}{30}, B_{10}=\frac{5}{66}, B_{12}=-\frac{691}{2730}

なので

a_1=a_2=a_3=a_4=1, a_5=5, a_6=691

であり、

\displaystyle B_{14}=\frac{7}{6}, \ B_{16}=\frac{-3617}{510}, \ B_{18}=\frac{43867}{798},

\displaystyle 7 \equiv 1 \pmod{6}, \ 3617 \equiv 47 \pmod{510}, \ 43867 \equiv 775 \pmod{798}

なので

\displaystyle a_7=1, a_8=47, a_9=775

となります。この数列にa_{44}=54075407が現れます:

{\small |N_{88}|=1311426488674017507995511424019311843345750275572028644296919890574047},

D_{88}=61410.

{\small \begin{equation}\begin{split}&1311426488674017507995511424019311843345750275572028644296919890574047 \\ = \ &61410 \times 21355259545253501188658385019041065678973298739163469211804590304 \\ &+ 5407.\end{split}\end{equation}}



定義が出来たので、とりあえずa_1からa_{100}の値を眺めて見ましょう:

a_{1}=   1
a_{2}=   1
a_{3}=   1
a_{4}=   1
a_{5}=   5
a_{6}=   691
a_{7}=   1
a_{8}=   47
a_{9}=   775
a_{10}=   41
a_{11}=   17
a_{12}=   691
a_{13}=   1
a_{14}=   59
a_{15}=   12899
a_{16}=   47
a_{17}=   1
a_{18}=   638653
a_{19}=   1
a_{20}=   2011
a_{21}=   1
a_{22}=   53
a_{23}=   41
a_{24}=   14477
a_{25}=   5
a_{26}=   83
a_{27}=   775
a_{28}=   59
a_{29}=   53
a_{30}=   22298681
a_{31}=   1
a_{32}=   47
a_{33}=   62483
a_{34}=   1
a_{35}=   289
a_{36}=   48540859
a_{37}=   1
a_{38}=   1
a_{39}=   37
a_{40}=   47717
a_{41}=   77
a_{42}=   1058237
a_{43}=   1
a_{44}=   5407
a_{45}=   230759
a_{46}=   77
a_{47}=   1
a_{48}=   1450679
a_{49}=   1
a_{50}=   4471
a_{51}=   61
a_{52}=   83
a_{53}=   101
a_{54}=   71532367
a_{55}=   49
a_{56}=   226439
a_{57}=   1
a_{58}=   89
a_{59}=   1
a_{60}=   971032651
a_{61}=   1
a_{62}=   1
a_{63}=   4096615
a_{64}=   47
a_{65}=   589
a_{66}=   1310531
a_{67}=   1
a_{68}=   167
a_{69}=   273107
a_{70}=   117419
a_{71}=   1
a_{72}=   965295473
a_{73}=   1
a_{74}=   179
a_{75}=   1933427
a_{76}=   1
a_{77}=   17
a_{78}=   522242099
a_{79}=   1
a_{80}=   47717
a_{81}=   125527
a_{82}=   113
a_{83}=   161
a_{84}=   1058237
a_{85}=   5
a_{86}=   203
a_{87}=   17
a_{88}=   153329
a_{89}=   173
a_{90}=   3452862432953
a_{91}=   1
a_{92}=   77
a_{93}=   1
a_{94}=   1
a_{95}=   889
a_{96}=   284482817
a_{97}=   1
a_{98}=   12493
a_{99}=   222138827
a_{100}=   216641


この数列を眺めていると「1が多く現れるな~」と思います。他の数についても、

a_5=a_{25}=a_{85}=5
a_{11}=a_{77}=a_{87}=17
a_{8}=a_{16}=a_{32}=47

と複数回現れています。691a_6の次にa_{654}=691と現れます。

実際、次の定理が成り立ちます:

定理 任意の自然数kに対して、a_n=a_kが成り立つようなnが無数に存在する。

最初に紹介した記事で証明したVon-Staudt-Clausenの定理を用いることによって証明することができます。

補題1 任意の自然数kに対して、D_{2n}=D_{2k}が成り立つような自然数nが無数に存在する。

証明. 2kの約数をd_1, \dots, d_rとし、そのうち偶数であるものが最初にくるように並び替える(d_1, \dots, d_sが偶数の約数であるとする(s < r))。また、d_1+1, \dots, d_s+1の最小の素因数をそれぞれp_1, \dots, p_sとする(等しいものがあってもよい)。そうして、奇素数pkと互いに素であり、

\begin{equation}\begin{split}p &\equiv 1 \pmod{p_1} \\ p &\equiv 1 \pmod{p_2} \\ &\cdots \\ p &\equiv 1 \pmod{p_s} \end{split}\end{equation} -①

を満たすようにとる。

このときn:=kpとすれば、2nの約数はd_1, d_2, \dots, d_r, d_1p, \dots, d_rpである。このうち、2kの約数とかぶらないものについては1加えると必ず合成数になる。実際、d_{s+1}p+1, \dots, d_rp+1は偶数なので素数ではない。また、d_1p+1, \dots, d_sp+1pの取り方からそれぞれp_1, \dots, p_sの倍数である(p_1, \dots, p_sそのものにはならないことは明らか)。よって、Von-Staudt-Clausenの定理から

D_{2n}=D_{2k}

が成り立つ。さて、p_1からp_sのうち相異なるものを掛け合わせてできる数をNとすると、p \equiv 1\pmod{N}を満たすような素数pは①を満たす。そうして、このような素数はDirichletの算術級数定理によって無数に存在する*1Q.E.D.

補題2 \ \ \ \displaystyle a_n \equiv -\sum_{p-1 \mid 2n}\frac{D_{2n}}{p} \pmod{D_{2n}}.

証明. Von-Staudt-Clausenの定理より

\displaystyle B_{2n} + \sum_{p-1 \mid 2n}\frac{1}{p} \in \mathbb{Z}

が成り立つ。これをD_{2n}倍すればよい。Q.E.D.

定理の証明. D_{2n}=D_{2k}が成り立つようなnを取ると、素数pに対して

 p-1 \mid 2n \Longleftrightarrow p-1 \mid 2k

が成り立つので、

\displaystyle \sum_{p-1 \mid 2n}\frac{D_{2n}}{p}=\sum_{p-1 \mid 2k}\frac{D_{2k}}{p}

が成立する。よって、補題2よりa_n=a_kが成立し、補題1よりこのようなnが無数に存在することがわかる。 Q.E.D.

*1:integers.hatenablog.comのおまけにこの場合の証明が載っています。一般の場合は integers.hatenablog.com