は番目の素数。この記事ではが現れる数列を一つ紹介します。
オンライン整数列大辞典に載っている数列です:A180315 - OEIS
を関-Bernoulli数とします:関-ベルヌーイ数 - INTEGERS
の既約分数としての分子を、分母をとします()。このとき、数列を
で定めます。例えば、
なので
であり、
なので
となります。この数列にとが現れます:
定義が出来たので、とりあえずからの値を眺めて見ましょう:
この数列を眺めていると「が多く現れるな~」と思います。他の数についても、
と複数回現れています。もの次にと現れます。
実際、次の定理が成り立ちます:
最初に紹介した記事で証明したvon-Staudt-Clausenの定理を用いることによって証明することができます。
証明. の約数をとし、そのうち偶数であるものが最初にくるように並び替える(が偶数の約数であるとする() )。また、の最小の素因数をそれぞれとする(等しいものがあってもよい)。そうして、奇素数をと互いに素であり、
を満たすようにとる。
このときとすれば、の約数はである。このうち、の約数とかぶらないものについては加えると必ず合成数になる。実際、は偶数なので素数ではない。また、はの取り方からそれぞれの倍数である(そのものにはならないことは明らか)。よって、von-Staudt-Clausenの定理から
が成り立つ。さて、からのうち相異なるものを掛け合わせてできる数をとすると、を満たすような素数は①を満たす。そうして、このような素数はDirichletの算術級数定理によって無数に存在する*1。 Q.E.D.
証明. von-Staudt-Clausenの定理より
が成り立つ。これを倍すればよい。Q.E.D.
定理の証明. が成り立つようなを取ると、素数に対して
が成り立つので、
が成立する。よって、補題2よりが成立し、補題1よりこのようなが無数に存在することがわかる。 Q.E.D.
*1:integers.hatenablog.comのおまけにこの場合の証明が載っています。一般の場合は integers.hatenablog.com