Markov数とはMarkovのDiophuntus方程式の自然数解に現れる数のことを言います。
MarkovのDiophuntus方程式 三変数の方程式をMarkovのDiophuntus方程式と言い、自然数解のことをMarkovトリプル、Markovトリプルを構成する数をMarkov数と言う。
例えば、はMarkovトリプルであり、従ってはMarkov数であることが分かります。
実は、Markov数は無数に存在します。このことは例えば次の定理から分かります:
定理 を番目のFibonacci数とするとき、正整数に対して はMarkovトリプルをなす。特に、奇数番目のFibonacci数は全てMarkov数である。
証明. Fibonacci数に関する記事89:フィボナッチ数 - INTEGERSで紹介したBinetの公式を用いれば証明できる。左辺-右辺を計算すれば でくくることが出来るが、これはである。 Q.E.D.
また、Markov数については次の予想がなされています:
Markovトリプルの一意性予想 Markovトリプルはその成分の最大値から一意的に定まる。
つまり、最初の例で言えば、並び替えを除くと以外にが最大であるようなMarkovトリプルはないと言っています。部分的な結果はありますが、2016年現在、未解決問題のままであると思います。
また、Markov数であって素数であるようなものをMarkov素数と言い、Markov素数が無限個存在するかは未解決問題です。
Markov数(小さい順に100個)
Markov素数 (小さい順に100個)
という並びは個人的に覚えやすいな~と感じます。