高校生の皆さん! が素数で、 なる整数に対しては必ずの倍数になります!!
え?そんなことは知ってるって??
そんなあなたのために、今日は第二種Stirling数ヴァージョンの類似の性質を紹介しましょう。なお、以下では二項係数はいつも通りなる記号を用いることにします。
第二種Stirling数については
integers.hatenablog.com
mathtrain.jp
を参照してください。
目標は次の定理です*1:
定理 が素数、がを満たす整数であるならば、第二種Stirling数はで割り切れる。
第二種Stirling数の二項係数による表示を用います。
補題 非負整数に対し、が成り立つ。
証明. に関する数学的帰納法で証明する。のときは両辺ともにである。のときに成り立つと仮定すると、
とのときも成立することがわかる。 Q.E.D.
定理の証明. 二項展開の公式
を微分することにより
が成り立つので、ならば
が成り立つ。よって、Fermatの小定理より
となって定理が成り立つことが分かる。 Q.E.D.
Bell数への応用
Bell数については
を参照してください。素数に対してが常に成り立つことを今となっては簡単に確認できます。Bell数を第二種Stirling数を用いて表す公式により
が成り立ちますが、定理を適用することによって、
が得られます。
*1:定理、補題が出てきますが、それぞれ系、定理の方が相応しかったかもしれません。