以前出題した問題の答を書いておきます:
integers.hatenablog.com
定理
を有理数体
を含む体とする。
が条件
が成り立つ。
任意の
に対し、
が成り立つ。
を満たすとき、証明1
とする。
とを定義すると、
と書けるとき、
である。一変数の場合は定理が成り立つことは明らかなので、が定理の条件を満たすとき、
が従う。
なので、
に注意すると、任意のに対して
が成り立つ。すなわち、
。 Q.E.D.
証明2
に関する帰納法で示す(ただし、体
は固定せず任意性をもたした命題として証明する)。
のときは明らかなので、
のときに成立すると仮定して
のときを証明する。
を
の元とみなして、
と書くことにする。任意に
をとる。このとき、
変数多項式
は
に対する仮定から、
変数の場合の定理の条件を満たすことが分かる。よって、帰納法の仮定から、
が成り立つ。すなわち、
とするとき、
は一変数の場合の定理の条件を満たす。よって、
であり、
である。 Q.E.D.
類題
を自然数とする。有界なる
変数複素係数多項式は定数に限ることを示せ。