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数、特に整数に関する記事。

ほとんど整数「黄金比の冪乗」の整数部分

ほとんど整数について、もっちょさんが記事を書かれています:
motcho.hateblo.jp

ほとんど整数は楽しい話題ですが、私なんかは昔から

\pi^4+\pi^5≒e^6

が好きです。

もっちょさんが扱ったほとんど整数は\phi^nです(\phiは黄金比)。

\phi^n+(-\phi)^{-n}(も)

が整数であり、|(-\phi)^{-1}| < 1から

(-\phi)^{-n} \xrightarrow{n \to \infty}0

なので、\phi^nnが大きくなればなるほど"ほとんど整数"であるという仕組みでした(彼の記事における\bar{\phi}=-\phi^{-1}であることに注意)。

彼の記事では対称式論の基本定理から(も)が整数であることを導いていますが、別証明があります。

それは、「L_nをリュカ数とするとき、定義からそれは整数であるが、一般項が

L_n=\phi^n+(-\phi)^{-n}

で与えられる」とするものです。詳しくは
integers.hatenablog.com

を参照してください。

もっちょさんの記事を読んで、「ほとんど整数である\phi^nに一番近い整数の列はどんな数列なのか知りたい!」と思ったのですが、それは\phi^n+(-\phi)^{-n}のことであり、すなわち、リュカ数そのものでした*1

リュカ素数

リュカ数の記事では扱っていなかったため、ついでにこの記事で幾つかのリュカ素数
(リュカ数かつ素数)を紹介しておきましょう。

L_{0}= 2
L_{2}= 3
L_{4}= 7
L_{5}= 11
L_{7}= 29
L_{8}= 47
L_{11}= 199
L_{13}= 521
L_{16}= 2207
L_{17}= 3571
L_{19}= 9349
L_{31}= 3010349
L_{37}= 54018521
L_{41}= 370248451
L_{47}= 6643838879
L_{53}= 119218851371
L_{61}= 5600748293801
L_{71}= 688846502588399
L_{79}= 32361122672259149
L_{113}= 412670427844921037470771

\begin{align}L_{313}= \ &25889961120330341872165615724944553004683007304420115233225\\
&7717521\end{align}

\begin{align}L_{353}=  \ &59242995313457729780510823767354730798286848921481374874264\\ & 534705573628371\end{align}

\begin{align}L_{503}=  \ &13206357383328389639092239287555101400342560694181246841468\\ & 82354518875225823337405694736924839855437876879\end{align}

\begin{align}L_{613}=  \ &12865405325406700178979615441467706102956391126633476654488\\ & 47157370785820755462003111433772415636662494326658571450304\\ & 97939634521\end{align}

\begin{align}L_{617}=  \ &88180799937469226316262355265088343409267483354802512091686\\ & 68325599414345993280140863418730394578198837335640353699946\\ & 16840509571\end{align}

\begin{align}L_{863}=  \ &22716087649591856274853503594258420196590143305974961742753\\ & 57069499171361031764828754036539726394559450620958660050320\\ & 08819923618477643769983095703119163211626539496542961374358\\ & 0479\end{align}

\begin{align}L_{1097}= \ &1817361628674585505925045292013847201917658078487962288478\\ & 2044519119639477755338332666883926698117184588410526351774\\ & 2428754036342193505562252016507092562207310556207052344637\\ & 53380151644751506849035482595585816411305899431781010371\end{align}

\begin{align}L_{1361}= \ &2705069204287561916840359990890188516154019388055947730749\\ & 6796970448893682441104986468265655962989623037830198042113\\ & 1408918187821267996215783467398038224543737468042037956373\\ & 5902094124583904423924661216534003380419662280250939607401\\ & 31674681265070412932486600263932615753750907033544051\end{align}


これより大きいリュカ素数や素数かどうか確定していない候補数も見つかっています。

上の数値例を見ていると、次が自然に予想されるでしょう:

命題1 L_nが奇素数ならば、nは奇素数または2の冪乗でなければならない。

これは次の命題から従います:

命題2 nが自然数、mが奇数ならば、L_{nm}L_nで割り切れる。

証明. リュカ数の一般項の式から

L_{i+j}=L_iL_j-(-1)^jL_{i-j}

が成り立つことがわかる。従って、

L_{nk}=L_{n(k-1)}L_n-(-1)^nL_{n(k-2)}

からnを固定したmに関する数学的帰納法で主張を証明することができる。 Q.E.D.

関連記事

integers.hatenablog.com

一般のLucas数列\{v_n\}に対しても

v_{i+j}=v_iv_j-b^jv_{i-j}

が成り立つので、命題1と同じ性質を持つことが分かります(上記記事の"命題"と比較してみてください)。

*1:タイトルの"整数部分"は通常の「その数以下の最大の整数」という意味ではなく、「その数に最も近い整数」の意味で用いています。