インテジャーズ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

インテジャーズ

数、特に整数に関する記事。

リーマンゼータ関数の級数表示による解析接続

定理解説

リーマンゼータの解析接続には様々な証明が知られています。このブログでも、Riemann自身による2つの証明のうち、テータ関数を使う方を紹介しました:
integers.hatenablog.com

Riemannのもう一つの証明はコンタワー積分を使うもので、どちらも関数等式も同時に示せる優れものです。

Euler-Maclaurinの和公式を用いるものやRiemann-Siegelの方法を含め、Titchmarsh の"The Theory of the Riemann Zeta-Function"には7通りもの証明が掲載されています。

これらは全て、積分表示を用いる証明です。しかしながら、tsujimotterさんの代表的な記事である

tsujimotter.hatenablog.com

で用いられているリーマンゼータの解析接続を与える式

\displaystyle \zeta (s) = \frac{1}{1-2^{1-s}}\sum_{m=1}^{\infty}2^{-m}\sum_{j=1}^m(-1)^{j-1}\binom{m-1}{j-1}j^{-s}

はTitchmarshに載っているどの手法とも異なるものであり、積分表示ではなく二項係数を含む(二重)級数表示で与えられています*1

私はtsujimotterさんの記事を読むまでこの公式を知らなかったのですが、証明が気になって勉強したので記事にまとめておきます*2

定理 (Hasse-Sondow) リーマンゼータ関数\zeta (s)の解析接続は
\displaystyle \zeta (s) = \frac{1}{1-2^{1-s}}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{2^{n+1}}\sum_{j=0}^n(-1)^{j}\binom{n}{j}(j+1)^{-s}
で与えられる。すなわち、右辺は\mathbb{C}\setminus \{1\}内の任意のコンパクト集合上で絶対一様収束し(従って、\mathbb{C} \setminus \{1\}において正則関数を定め)、\mathrm{Re}(s) > 1において\zeta (s) = \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s}に一致する。

若干見た目がtsujimotterさんの記事にある式と異なりますが、全く同じ式です。MathWorldによればこれはKnoppによって1930年に予想され、同年にHasseが証明。1994年にはSondowが再証明を与えているということです。Hasseの論文よりSondowの論文の方が入手しやすく英語のため、

J. Sondow, Analytic Continuation of Riemann's Zeta Function and Values at Negative Integers via Euler's Transformation of Series, Proc. Amer. Math. Soc. 120 (1994), 421-424.

に従って証明を解説します。Sondowの論文にはHasseについて言及がないのが気がかりですが、とりあえず証明を知りたいので今は歴史的考察は入れないでおきます。この記事では、\mathbb{N} := \mathbb{Z}_{\geq 0}とします。

数列の収束に関する準備

補題1 二重複素数列\{a_{nm}\} \ (0 \leq m \leq n, \ m=0, 1, 2, \dots)
1. 任意の固定した非負整数kに対して\displaystyle \lim_{n \to \infty}a_{nk} = 0.
2. 或るK > 0が存在して、任意のnに対して|a_{n0}|+|a_{n1}|+\cdots +|a_{nn}| < K.
を満たすと仮定する。このとき、任意の複素数列\{x_n\}\displaystyle \lim_{n \to \infty}x_n =0を満たすものに対して、y_n := a_{n0}x_0+a_{n1}x_1+\cdots +a_{nn}x_nによって複素数列\{y_n\}を定義するならば、\displaystyle \lim_{n \to \infty}y_n=0が成り立つ。

証明. 任意に\varepsilon > 0をとる。\{x_n\}に対する仮定から、n \geq k \Longrightarrow |x_n| < \frac{\varepsilon}{2K}なる番号kが存在する(固定)。このとき、仮定2. から

\displaystyle |y_n| < |a_{n0}x_0+\cdots +a_{nk}x_k| + \frac{\varepsilon}{2}

が成り立つ。更に、仮定1. から番号n_0 \geq kが存在して、

\displaystyle n \geq n_0 \Longrightarrow |a_{n0}x_0+\cdots +a_{nk}x_k| < \frac{\varepsilon}{2}

とできる。すると、n \geq n_0に対して、|y_n| < \varepsilonを得る。 Q.E.D.

補題2 複素数列\{a_n\}_{n=0}^{\infty}\displaystyle \lim_{n \to \infty}a_n=0を満たすならば、
\displaystyle \lim_{n \to \infty}\frac{1}{2^n}\sum_{m=0}^n\binom{n}{m}a_m =0
が成り立つ。

証明. 非負整数kを固定すれば

\displaystyle \frac{1}{2^n}\binom{n}{k} < \frac{n^k}{2^n} \xrightarrow{n \to \infty} 0

であり、

\displaystyle \sum_{m=0}^n\left| \frac{1}{2^n}\binom{n}{m} \right| = \frac{1}{2^n}\sum_{m=0}^n\binom{n}{m} = 1

なので、補題1が適用できる。 Q.E.D.

作用素\Delta

複素数列のなすベクトル空間上の作用素\Delta \colon \mathbb{C}^{\mathbb{N}} \to \mathbb{C}^{\mathbb{N}}を、a=(a_n)_{n=0}^{\infty}に対して、\Delta a=(a_n-a_{n+1})_{n=0}^{\infty}で定義します*3

個人的には好きではないですが*4、慣習に従って(\Delta a)_n\Delta a_nと書きます。また、非負整数kに対して\Delta^k\Deltak回合成を表します。すなわち、

\displaystyle \begin{cases}\Delta^0 a_n := a_n& \\ \Delta^{k+1}a_n = \Delta^{k}a_n- \Delta^{k}a_{n+1}& \end{cases}

と帰納的に定義されます(\Delta^k a_nも先ほどと同じ略記)。

\Delta^k 1^s(\Delta^k (n^s))_1を意味します(s \in \mathbb{C})。

補題3 複素数列(a_n)_{n=0}^{\infty}および非負整数kに対して、
\displaystyle \Delta^k a_n = \sum_{m=0}^k(-1)^m\binom{k}{m}a_{n+m}
が成り立つ。

証明. kに関する帰納法で証明する。k=0のときはOK。kで成立すると仮定すると、

\begin{align} \Delta^{k+1}a_n &= \Delta^ka_n-\Delta^ka_{n+1} \\ &= \sum_{m=0}^k(-1)^m\binom{k}{m}a_{n+m}-\sum_{m=0}^k(-1)^m\binom{k}{m}a_{n+1+m} \\ &= a_n+\sum_{m=1}^k(-1)^m\left\{ \binom{k}{m}+\binom{k}{m-1} \right\} a_{n+m} + (-1)^{k+1}a_{n+k+1} \\ &= \sum_{m=0}^{k+1}(-1)^m\binom{k+1}{m}a_{n+m}\end{align}

k+1のときも成立することがわかる。 Q.E.D.

Eulerの級数変換公式

補題4 a_1-a_2+a_3-\cdotsが絶対収束交代級数ならば、
\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_n = \frac{1}{2}a_1+\frac{1}{2}\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\Delta a_n
が成立する。

証明. 和の順番を入れ替えて良いので、

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_n = \frac{1}{2}a_1+\frac{1}{2}\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}(a_n-a_{n+1})

は容易にわかる。 Q.E.D.

命題 a_1-a_2+a_3-\cdotsが絶対収束交代級数ならば、
\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_n=\sum_{j=0}^{\infty}\frac{\Delta^ja_1}{2^{j+1}}
が成立する。

証明. まず、正の整数kに対して

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_n = \sum_{j=0}^{k-1}\frac{\Delta^j a_1}{2^{j+1}}+\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^ka_n}{2^k} ー①

が成り立つことをkに関する帰納法で証明する。k=1のときは補題4に他ならない。次に、\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^ka_n}{2^k}が絶対収束して、kのときに①が成立すると仮定する。このとき、\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^ka_n}{2^k}に対して補題4を適用することにより

\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^ka_n}{2^k} &= \frac{\Delta^ka_1}{2^{k+1}}+\frac{1}{2}\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^ka_n-\Delta^ka_{n+1}}{2^k} \\ &= \frac{\Delta^ka_1}{2^{k+1}}+\frac{1}{2}\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^{k+1}a_n}{2^{k+1}}\end{align}

が成り立つので、kに対する①と合わせて、k+1のときの①が得られることが分かる。

あとは、

\displaystyle \lim_{k \to \infty} \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^k a_n}{2^k} =0 ー②

を示せばよい。補題3より

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\frac{\Delta^k a_n}{2^k} = \frac{1}{2^k}\sum_{m=0}^k(-1)^m\binom{k}{m}\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_{n+m}

であるが、a_1-a_2+a_3-\cdotsが絶対収束交代級数なので、

\displaystyle \lim_{m \to \infty}(-1)^m\sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}a_{n+m} = 0

である。よって、補題2より②が示された。 Q.E.D.

定理の証明

補題3より、定理の式は\Deltaを用いて表すと

\displaystyle \zeta (s) = \frac{1}{1-2^{1-s}}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1}}

と書けることに注意する。

まず、\mathrm{Re}(s) > 1において等号が成立することを証明する:

(1-2^{1-s})\zeta (s) = \zeta (s)-2\cdot 2^{-s}\zeta (s) = 1^{-s}-2^{-s}+3^{-s}-4^{-s}+\cdots

と絶対収束交代級数が得られるので、Eulerの級数変換公式により、\mathrm{Re}(s) > 1では確かに

\displaystyle (1-2^{1-s})\zeta (s) = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1}}

が成り立つ。

1-2^{1-s}s=1が単純極であり、他には極がないことは明らかなので、後は

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1}}

が複素平面全体で絶対局所一様収束することを示せばよい。任意の正整数kおよび複素数sに対して、

\displaystyle \Delta^kn^{-s} = (s)_k\int_0^1 \!  \! \cdots \int_0^1(n+x_1+\cdots+x_k)^{-s-k}dx_1\cdots dx_k ー③

が成り立つことに注意する。ただし、(s)_kはPochhammer記号

(s)_k := s(s+1)\cdots (s+k-1)

であり、積分は逐次積分として定義され、s=1-kのときは両辺0とする。証明はkに関する帰納法。

しばしkを固定する。この積分表示から、\sigma + k \geq 0 (\sigma := \mathrm{Re}(s))ならば

\displaystyle |\Delta^kn^{-s}| \leq \frac{|(s)_k|}{n^{\sigma +k}}

と評価できるので、右半平面\sigma > 1-kにおける任意のコンパクト集合Kに対して、\displaystyle M:= \max_{s \in K}|(s)_k|とすれば

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}|\Delta^kn^{-s}| \leq \sum_{n=1}^{\infty}\frac{M}{n^{\sigma + k}} = M\zeta (\sigma + k)

は収束し、優級数定理によって\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\Delta^kn^{-s}は絶対一様収束する。従って、この交代級数に対してEulerの級数変換公式を適用することにより、

\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}(-1)^{n-1}\Delta^kn^{-s}=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{\Delta^n\Delta^k1^{-s}}{2^{n+1}} = \sum_{n=k}^{\infty}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1-k}}

K上絶対一様収束する(\Delta^n\Delta^k=\Delta^{n+k})。すると、2^{-k}倍して\displaystyle \sum_{n=0}^{k-1}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1}}を加えた

\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}\frac{\Delta^n1^{-s}}{2^{n+1}}

も当然K上絶対一様収束する。こうして、\sigma > 1-kでこの級数は絶対局所一様収束することが示されたが、kは任意なので、全平面で同じことが言える。 Q.E.D.


収束の証明においてもEulerの級数変換公式を使う所が若干トリッキーに感じました。

関-Bernoulli数に関するWorpitzkyの公式

以上で級数表示による解析接続の証明は終わりましたが、これを応用してリーマンゼータの負の整数点における値を導出しようと思います。代入してハイ終わりとはいかず、関-Bernoulli数に関する公式を一つ証明する必要があります。

関-Bernoulli数B_nについては
integers.hatenablog.com
を参照してください。「定義'」ではなく、やはり「定義」の方を採用します。

この節で証明するのは次の公式です:

定理 (Worpitzky) 非負整数mに対して次の等式が成り立つ:
\displaystyle B_{m+1} = \frac{m+1}{2^{m+1}-1}\sum_{k=0}^m\frac{1}{2^{k+1}}\sum_{j=0}^k(-1)^j\binom{k}{j}(j+1)^m.

Garabedianが1940年に"新しい公式"として発表したことに影響を受けてCarlitzが1953年に発表した証明を紹介します。Carlitzが指摘しているように、実際には1883年にWorpitzkyが既にこの公式を得ていました。

まずは作用素\Deltaを用いて

\displaystyle B_{m+1}=\frac{m+1}{2^{m+1}-1}\sum_{k=0}^m\frac{\Delta^k1^m}{2^{k+1}}

と書き直せることに注意します(補題3)。

Bernoulli多項式B_n(x)

\displaystyle F(t, x) := \frac{te^{(1+x)t}}{e^t-1} = \sum_{n=0}^{\infty}B_n(x)\frac{t^n}{n!}

によって定義され、

\displaystyle B_n(x) = \sum_{i=0}^n\binom{n}{i}B_ix^{n-i}

が成り立つことを思い出します。また、この証明では

\displaystyle G(t, x) := \frac{2e^{xt}}{e^t+1} = \sum_{n=0}^{\infty}E_n(x)\frac{t^n}{n!}

によって定義されるEuler多項式E_n(x)を用います。

補題5 \ \ \ \displaystyle B_n \left( -\frac{1}{2} \right) = \frac{1-2^{n-1}}{2^{n-1}}B_n.

証明.

\displaystyle F(t, \frac{x}{2}) + F(t, \frac{x-1}{2}) = \frac{te^{(1+\frac{x}{2})t}}{e^t-1}+\frac{te^{(\frac{1}{2}+\frac{x}{2})t}}{e^t-1} = \frac{2\frac{t}{2}e^{(1+x)\frac{t}{2}}}{e^{\frac{t}{2}}-1} = 2F(\frac{t}{2}, x)

より、

\displaystyle B_n\left( \frac{x}{2} \right) + B_n\left( \frac{x-1}{2} \right) = \frac{B_n(x)}{2^{n-1}}

が得られるので、x=0とすればよい(B_n(0)=B_n)。

補題6 \ \ \ \displaystyle E_n(x)+E_n(x+1) = 2x^n.

証明.

\displaystyle G(t, x)+G(t, x+1) = \frac{2e^{xt}}{e^t+1}+\frac{2e^{(x+1)t}}{e^t+1} = \frac{2e^{xt}(1+e^t)}{e^t+1} = 2e^{xt}=2\sum_{n=0}^{\infty}\frac{x^n}{n!}t^n

より従う。 Q.E.D.

補題7 \ \ \ \displaystyle E_n(x) = \frac{2^{n+1}}{n+1}\left\{ B_{n+1}\left( \frac{x-1}{2}\right) - B_{n+1}\left( \frac{x}{2}-1\right) \right\}.

証明.

\displaystyle F(t, \frac{x-1}{2})-F(t, \frac{x}{2}-1) = \frac{te^{(\frac{1}{2}+\frac{x}{2})t}}{e^t-1}-\frac{te^{\frac{x}{2}t}}{e^t-1} = \frac{\frac{t}{2}\cdot 2e^{x\frac{t}{2}}}{e^{\frac{t}{2}}+1} = \frac{t}{2}G(\frac{t}{2}, x)

より従う。 Q.E.D.

\displaystyle \ \ \ E_n(1) = \frac{2(2^{n+1}-1)}{n+1}B_{n+1}.

証明. 補題7でx=1として、補題5と組み合わせればよい。 Q.E.D.

Worpitzkyの公式の証明. 補題6より

\left( 1- \frac{1}{2}\Delta \right) E_m(n) = E_m(n)-\frac{1}{2}(E_m(n)-E_m(n+1))=\frac{1}{2}(E_m(n)+E_m(n+1)) = n^m ー④

が成り立つ。③より、k \geq m+1ならば\Delta^kn^m=0なので(ー⑤とする)、④より

\displaystyle E_m(n) = \sum_{k=0}^m\frac{\Delta^kn^m}{2^k}

が従う((1-\frac{1}{2}\Delta)^{-1}=\sum_{k=0}^{\infty}\frac{\Delta^k}{2^k})。故に、系より

\displaystyle E_m(1) = \frac{2(2^{m+1}-1)}{m+1}B_{m+1} =  \sum_{k=0}^m\frac{\Delta^k1^m}{2^k}

を得る。 Q.E.D.

負の整数点での値

最初に証明した定理とWorpitzkyの公式を組み合わせることによってリーマンゼータの負の整数点での値を計算することができます。

定理 mを非負整数とする。このとき、
\displaystyle \zeta (-m) = -\frac{B_{m+1}}{m+1} \in \mathbb{Q}
が成り立つ。

証明. リーマンゼータの級数表示による解析接続によりおよび⑤より

\displaystyle \zeta (-m) = \frac{1}{1-2^{m+1}}\sum_{k=0}^m\frac{\Delta^k1^m}{2^{k+1}}

が得られる。よって、Worpitzkyの公式より所望の等式が得られる。 Q.E.D.


他の標準的方法によってこの定理を証明しておけば、本記事の解析接続はWorpitzkyの公式の別証明を与えます。また、関数等式によってひっくり返せばリーマンゼータの正の偶数点における値に関するEulerの公式が得られます。

m=0のときに上記定理の場合分けが発生しないこともB_1=1/2なる関-Bernoulli数の定義の利点の一つです。

*1:単にこのような表示があるという面白さだけではなく、後で述べるように負の整数点での値への応用等もありますが、関数等式の別証明を与えることができるかについてはまだ考えていません。

*2:積分がない表示であり、Dirichlet級数による定義式の収束範囲外での値の計算を一から実装しやすいことからこの公式に着目したそうです。

*3:-\Deltaのことを\Deltaと書くことの方が多いと思われるので注意(前進階差作用素)。

*4:というか非常に良くないと思っています。\Delta a_1と書くと、定数列(a_1, a_1, \dots)\Deltaを作用させたもの(すなわち0列)と勘違いする可能性があるからです。「括弧を省略しているが、{}_naにではなく\Delta aに付いている」と主張するのなら良いですが、直後に述べる\Delta^k 1^sという記号の慣習からそうではないことが分かります。