以前紹介したShanksの恒等式
はWilliam G. Spohn, Jr. によって次のように拡張できることが指摘されています:
のとき、
のときがShanksの恒等式になっています。他には、例えばより
が得られますし、より
が得られます。
、と言えばピンとくるものがありますよね。
私がフリーハンドで描いた次の芸術的な図をご覧ください(GeoGebraで描き直しました):
- を中心とする円を考える.
- は円の直径.
- はの中点. はをに内分する点.
- はと垂直.
- .
- とはと平行.
- .
- で、を延長してできる直線は円のにおける接線.
- .
- はと平行*1.
このとき、Ramanujan曰く、「は円の面積に非常に近い」(1914年)。
としてみましょう。勾股弦の定理を使っていけば計算できます*2。まず、を求めると. よって、. これより、
.
よって、、.
.
.
.
従って、
.
すなわち、は密率
になっていることが分かりました。密率については
をご覧ください。
実は密率に現れるとにはが
という形で関わっており、それを上手く作図化したというわけです。見事。
*1:は上にはない。