証明. を十分遅くとなるようなとのみに依存する広義単調減少関数とする(どれだけ十分遅くとるかは後で指定する)。このを用いて、を
と定義する。
の速度に関する一つ目の指定: 記事4の②より、任意のに対していくらでも長さが大きいであって
が成り立つようなものが存在する。そこで、各に対して、, ,
となるようにを選び、が成り立つだけ遅くとなるものとする。
すると、なので、は非有界であることがわかる。また、であることからはに沿った密度をもち、が成り立つ。
あとはが二重カウンティング性質を満たすことを示せばよい。をとる。をの二重カウンティング性質に付随して存在する整数とし(はなる任意の整数)、これらとのみに依存する整数を以下の条件を満たすように定める(はなる任意の整数)。
の条件1: はを満たすだけ大きくとる。
の定義: はについて単調減少であるとしてよい。の逆関数をとする。でが成り立つ。
の条件: はおよびを満たすだけ大きくとる。
の条件2: を満たす。
なるをとり、とし、-長方形と-長方形であって
が成り立つようなものを考える。個の-AP がに属するとする。
任意のに対して
であり、なので
が成り立つ。二重カウンティング恒等式を使ってについて平均化すると、
が成り立つ。①より
なので、
が得られる。よって、二重カウンティング恒等式より
が成り立つ。
が二重カウンティング性質を満たすという仮定およびの取り方から、高々個の例外を除いてはに属する。よって、
で
となる。
の定義: 記事4の①で定まるはに関する単調減少関数であるとしてよい。の逆関数をとする。でが成り立つ。
が-APであることに注意して、の定義より
がを満たすような任意のに対して成り立つ。すると、
が得られる。これにMarkovの不等式を適用すると
となる。すなわち、高々個の例外を除くに対してかつ
が成り立つことがわかった。
の速度に関する二つ目の指定: は
を満たすだけ遅くとなるものとする。
の条件およびの速度指定から高々個の例外を除くに対してかつ
が成り立ち、従って が成り立つことがわかった(に注意)。これが示したかったことである。 Q.E.D.
をパーフェクトカラーといい、の元を飽和等差数列とよぶ。
証明. 密度昇格定理より或る非有界で二重カウンティング性質を満たすが存在して、はに沿った密度をもってが成り立つ。記事4の上密度に対する鳩ノ巣原理より、或るが存在して、が成り立つ。ここで、再度密度昇格定理を適用すれば、或る非有界で二重カウンティング性質を満たすが存在して、はに沿った密度をもち、が成り立つ。極限の定義より、からが従う。 Q.E.D.