の各桁の数の総和は
ですが、の各桁の数の総和も
となっています。このような正整数は(の冪のような自明な例を除いても)無数に存在します。
定理 (Hare-Laishram-Stoll) とする。進法において、の各桁の総和との各桁の総和が一致するようなの倍数ではない正整数が無数に存在する。
以下、簡単のための場合に限定して定理の証明を行います。
準備
補題1 , とする(全て整数)。このとき、が成り立つ。
証明. 一つ目の等式は自明。と書く(進展開)。このとき、一つ目の式との定義より
と二つ目の式も証明される。 Q.E.D.
は進表示を表し、その中ではのように略記する。
補題2 とし、とおく。このとき、が成り立つ。ただし、である。
証明.
なので
が成り立つ。よって、補題1より
と計算できる。なので証明が完了する。 Q.E.D.
定理の証明
とし、とする。を
と定める。を十分大きい整数とし、とおく。このがを満たすことを示す。そうすれば、の任意性またはの任意性によって所望の無限性が保証されることがわかる。なので、はの倍数ではない。また、構成から
である。よって、示すべきことはのみとなった。にとっているので、補題1から
とできる。補題1を使えば は容易に確認できるので、補題2より
がわかる。を計算したい。
と展開できるので、補題1を使って
と計算できる。よって、
が示された。 Q.E.D.
素数の場合
冒頭であげたは素数です。
を素数に限定すると、二乗しても各桁の総和が変わらないようなものは
が見つかります。果たして、他にもあるでしょうか?