定義 零でない有理数係数一変数多項式の根となるような複素数のことを代数的数とよぶ。代数的数について、を根に持つ零でない有理数係数一変数多項式の中で次数が最小でモニックなものをの最小多項式といい、の最小多項式の次数をの次数とよぶ。
定理 を代数的数とする。このとき、とはともに代数的数である。また、であればも代数的数である。
証明. ともに零でない場合を考えれば十分である。, の次数をそれぞれとし、をまたはとする。
とするとき、の最小多項式を利用して次数下げすることによって、任意のの元に対してはの元の整数係数一次結合で表せることがわかる。に対してと有理数を用いて表示すると、縦ベクトルと行列に対してが成り立つ。より
であり(は単位行列)、は多項式の根であることがわかった。
また、の最小多項式をとすると、はの根である。 Q.E.D.