ベルヌーイ多項式は
で定義されるのでした。Almkvist-Meurmanが証明した次の定理を紹介します*1。
定理 を正整数とする。とおくとき、が成り立つ。
ここで紹介する証明はSuryによるものです*2。なお、定理はの場合もであることから自明に成立しています。
の場合への帰着
の場合が証明できたと仮定し、一般のでも成立することを数学的帰納法で証明する。従って、のときには成立すると仮定する。
加法公式と帰納法の仮定により
が成り立つ。ここで、は差が整数であることを意味する。最後の値はには依存しないものなので、
となる。
2つの漸化式
以下、
とおく。このとき、
が成り立つ。これを
として係数を比較すれば、に対して
が得られる。両辺をで割って移項すれば
一方、
として係数を比較すれば、 から がわかり、の場合は
が得られる。ここで、
である()。移項して
としておく。
証明
証明 二項係数の定義より
である。また、であれば
と評価でき、この不等式の最初と最後だけを見ればのときも正しい。 Q.E.D.
定理の証明 の場合に示せばよいのであった。をに関する数学的帰納法で証明する。なので、のときはOK。とし、を仮定する。
すると、より
が言える。のときはこれで既によろしい。を素因数分解としよう。各に対し、
であるとしよう。は非負整数ではと互いに素な整数。各について
であることを証明する。のときはよりOKなので、の場合を考える。補題によって
であるため()、の左辺はの倍数であり、が従う。
定義から組は互いに素なので、ある整数たち が存在して
が成り立つ。このとき、
であることがよりわかる。 Q.E.D.