インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

サマースクールと論文の宣伝

2021年7月5日-9日の日程でオンラインで"Mathematical Summer in Paris"なる16歳から20歳までの数学好きのためのサマースクールが開かれるようです。
https://www.mathematicalsummerinparis.fr

パリ時間で5月1日中までに申し込めばよいようです。興味のある若手読者の方は是非応募してみてください。


ついでに論文の宣伝です。この1年で6つの論文を執筆し、2人の高校生との共同研究成果も発表することができました。
sites.google.com

個人ウェブページの論文一覧のページに各論文のarXivへのリンクを貼ったので是非眺めてみてください^^

クイズ

一橋大学の数学の第1問は口ずさみたくなる文ですね。

integers.hatenablog.com

のEratosthenesの篩を f(x)=x^{\frac{1}{3}}およびx=10^3として適用すると、

\begin{align}
\pi(1000)&\leq \pi(10)+2^{\pi(10)}+10^3\prod_{p\leq 10}\left(1-\frac{1}{p}\right)\\
&=4+2^4+1000\times \frac{1}{2}\times \frac{2}{3}\times \frac{4}{5}\times \frac{6}{7}\\
&=\frac{1740}{7} < 249\end{align}

が得られます。




数列クイズ♪

2, 3, 5, 17, 29, 31, 53, 59, 101, \dots



問題 正の整数であって、十進法表記したときに9が現れないようなものを考える。このような整数のうち素数であるものは無限に存在することを証明せよ。


(ヒント:ONE PIECEのキャラクター 追撃の○○○○○)



問題 非負整数nに対して \displaystyle a_n=\frac{{}_{2n}\mathrm{C}_n}{n+1}とおく。正の整数Nに対して

\displaystyle a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots+a_Nx^N

有理数体上既約な多項式であることを証明して欲しいです。

等差素数列(2020年)

徳島大学の入試(2020)で等差素数列に関する問題が出題されていたことを八田先生から教わりました。

(3)について、n以下の最大の素数pとしa_1 > pを仮定するとき、公差が「p以下の素数の積」の倍数になることを同じように示せます。

「(5) 任意の正の整数nに対して項数nの等差素数(a_1,\dots,a_n)が無限に存在することを示せ。」を追加したくなりますね♪


ところで、先日研究講演を行いまいました。第14回ゼータ若手研究集会

スライドを置きますので、聴講者の方は復習にご利用ください。
drive.google.com

講演内容の要約:グリーン・タオの論文(Ann. of Math. 2008)の§11で提示された研究課題は2020年に全て解決するに至り、残す未解決問題はConjecture 2.2 (= エルデシュ・トゥラン予想)のみとなった。そのエルデシュ・トゥラン予想についても2020年にブルーム・シサスクによって著しいブレイクスルーが得られ、新時代の幕開けとなった。(ただし、まだプレプリント段階である結果を含む。)