この記事は準備の記事です。
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をそれぞれMöbius関数、Eulerのトーシェント関数、Riemannゼータ関数とします:
メビウス関数 - インテジャーズ
オイラーのトーシェント関数とφ(R(n))=n - INTEGERS
リーマンゼータ関数 - INTEGERS
補題1
を
を満たすような複素数とする。このとき、
が成り立つ。
証明. Euler積表示およびMöbius関数の定義により
と書くことができるが、Möbius関数は乗法的関数であるから素因数分解の一意性によって
と変形できる。 Q.E.D.
補題2
において次の漸近公式が成立する:
証明. Möbiusの反転公式によってが成り立つため、
と計算できる。
の第一項は補題1によってに等しく、バーセル問題によって
に等しい。第二項は
と評価できる。また、アーベルの総和法 - INTEGERSの漸近公式3より
以上により証明が完了する。 Q.E.D.
補題3
を任意に固定する。このとき、
が成り立つ。
証明.
および
が成り立つので、足し合わせて補題2を適用すればよい。 Q.E.D.
より
がわかりますが、が
の範囲にあれば
以下の
を満たすような
の個数は
が十分大きいとある程度の割合だけ保証できることが補題3よりわかります。
なお、この下極限の観点から再度の原始
乗根の一様分布性を観賞すると美しく思えます:
integers.hatenablog.com