この記事ではSenによる証明を紹介します。
補題 が位相空間の間のproperな連続写像であり、がHausdorff局所コンパクト空間であるならば、は閉写像である。ここで、がproperとは、の任意のコンパクト部分集合に対してがのコンパクト部分集合となることをいう。
証明. を閉集合とする。のときは自明に は閉集合なので、とする。を任意にとる。は局所コンパクトなので、コンパクト近傍がとれる。がproperなので、はコンパクト。よって、もコンパクトである。は連続なので はコンパクトで、がHausdorffなので は閉集合。故に、は開集合であり、の部分集合かつとなっている。従って、は閉集合である。 Q.E.D.
を定数でない複素係数多項式とする()。これは、写像と思える。
と定めると、は有限集合である(高々個の元。これは循環論法ではない)。また、も有限集合である(は当然有限集合であり、の各元に対し、その逆像は先ほどと同じ理由で有限である)。、とする。このとき、
が成り立つ。は自明に成り立つ。多項式写像はproperであり(多項式写像は当然連続であるので、に注意すれば分かる)、はHausdorff局所コンパ クト空間であるから、補題よりは閉写像である。 よって、は閉集合。そして、であるから、も閉集合である。次に、任意にをとり、なるを一つとる。の定義よりは正則点であるから、逆写像定理により(resp. ) の開近傍(resp. )が存在して、は全単射となる。特にはにおいて開近傍をもつことが分かり、は開集合であることが分かった。さて、は連結であるから(から有限個の点を除いても連結である)、が示された。すなわち、は全射である。