非負整数に対して
を
と定義して、Apéry数と言います。
となっています。何はともあれ、素数を探すと(Apéry素数)
が見つかります。たった今からは私のお気に入りの素数になりそうです。
次に、Apéry数の数値を眺めていると「やたらの倍数が多いなあ」という印象を持ちます。1980年にChowla-Cowles-Cowlesが奇素数
に対して
だろうと予想していますが、実際にはもっとたくさん
の倍数があるように見えます。
から
までで
の倍数にならないのは
で、添字だけ取り出すと
です。何か規則性が分かるでしょうか?オンライン整数列辞典にはどうやら登録されていません。
実はこれらの数を進法表示するとはっきりと規則性が見えてきます:
例えば、です。次が成立します:
定理1 Apéry数
が
の倍数になるための必要十分条件は
の
進展開表示の桁の数が少なくとも一つ奇数(
)であることである。
より強い定理が成り立ちます:
定理2 (Gessel)
を素数とし、
を非負整数とする。
が
と
進展開されているならば(
)、
が成立する。
定理2の証明. 非負整数で
を満たすものに対して、
が成り立つことを示せば十分であるが、Lucasの合同式(其の二)より
と示される。 Q.E.D.
定理1の証明. が
の倍数であり、
が
の倍数でないので、定理1は定理2の系である。 Q.E.D.