は素数大富豪で二枚出しをする際の最強の素数。素数大富豪プレイヤーでこの素数を知らないものはいないと言われているらしい。
素数大富豪
素数大富豪とは大富豪に類似した、しかし大富豪とは全く異なるゲーム性を有したトランプゲームです。その名の通り素数が関わるゲームですが、素数を覚えていることは必ずしも要求されません。むしろ、このゲームをプレイすることによって自然と素数に触れ合うことが出来ます。
発案者によって書かれた(最初これを書いていた時はなんとなく伏せていたのですが、考案者はこのブログ管理人です)公式的なルールは以下のurlからダウンロードすることが可能ですが、本記事において、その簡素版を記述します。
https://dl.dropboxusercontent.com/s/7n159tdoxomoryl/PRIME-DAIFUGO2.pdf?dl=0
追記)
その後、素数大富豪のまとめ記事を書きました:
integers.hatenablog.com
ルール説明
ゲームの概要
二~六人程度で遊ぶ大富豪に類似したトランプゲーム。手札にあるカードを組み合わせて素数を作ることが特徴的です。
ゲームの流れ
通常の大富豪と同じように進行します。つまり、均等に配られた手札から各プレイヤーがカードを順番に場に出し、手札のカードを他のプレイヤーより先に全てなくすことを競うゲームです。以下が通常の大富豪と異なる点です:
- あらかじめ十枚程度からなる「山札」を用意しておく。ゲーム開始後は場から流れたカードを随時山札に追加する。
- プレイヤーは自分の手番に一度だけ山札からカードを一枚引いて手札に加えることが出来る(引かなくてもよい)。カードを引いた後に場にカードを出してもよい。
- 素数判定アプリをスマホなどでダウンロードしてプレイヤーが出した数字が素数かどうかを判定する(カンニングは禁止)。
なお、ブラウザ版素数判定アプリとして、プレイヤーが素数大富豪専用に作ったものが存在します:
カードの出し方
各プレイヤーは直前のプレイヤーが場に出した数字よりも大きい数字を作って場にカードを出していきます。通常の大富豪では何故かより、の方が強いですが、素数大富豪ではが最弱です(ハートやスペードなどの「スート」に関するルールはありません)。
素数を出す
素数大富豪では素数は無条件で出すことができます。
例) a: → b: → c: → d: → d以外全員パス → 流れ → dの手番 (a, b, c, dはプレイヤーの名前)
二枚出し、三枚出し、…
このままでは, , , , , , を出すことが出来ないですが、素数大富豪ではカードを組み合わせて場に出すことによってこれらのカードも利用することが出来ます。カードを組み合わせて出す場合はそれらのカードに書かれている数字を左から読んで得られる数字として扱います(十進法表記でconcatenate)。例えば, を組み合わせてを「」として扱うことが出来ます。組み合わせてカードを出す場合にもこれまでのルールと同様に、数字が大きいカード程強く、素数のみ無条件で出すことができます。
例) a: → b: → c:
→ d:
上の例では→→→と進行しています(は全て素数です)。
三枚以上であっても同様にカードを組み合わせて出すことが出来ます。
例) a: → b:
→ c:
→→と進行しています(これらは全て素数です)。ただし、二枚出しで進行しているときは場が流れるまでは二枚出ししかできず、三枚出しで進行しているときは三枚出ししかできません。四枚以上のときも同じです。
合成数出し
合成数(でも素数でもない自然数)はその素因数分解に現れる素数を直接手札から流すことによって出すことが出来ます。例えば、プレイヤーbがを場に出すような進行の例を考えます。の素因数分解はです。
a: → b: , を捨ててを出す → c:
素因数分解に現れる素数は現れる個数(指数)だけカードを捨てなければなりません。例えば、を出す場合には,
, , , を捨ててを場に出します。
素因数が大きい場合にも、その素因数をカードを組み合わせて表現することが出来ます。例えば、は次のように出すことが出来ます:
とを捨てることにより
を場に出す(十枚出し!)。
グロタンカット
通常の大富豪では「八切り」というルールがありますが、素数大富豪ではそれに対応するルールとして「グロタンディーク素数切り」があります。
integers.hatenablog.com
は素数ではないですが、特別に素数としてを表現するカードの組み合わせを場に出すことが出来ます。を表現するカードの組み合わせが場に出たとき、強制的に場を流してそれを出したプレイヤーの手番からゲームを再開します。
例) a: → b: → 流れ → bの手番
ジョーカー
一枚出しのときはジョーカーは最強のカードとして扱われます。カードを組み合わせて出す場合にはからまでの整数として利用することが出来ます(ジョーカーが含まれていても強制的に流れるわけではありません)。
例) a: → b: ををとして利用し、として場に出す→ c:
反則とペナルティ
素数だと思って出したカードが素数でなかった場合など、出し方を間違えたプレイヤーは反則として場に出したカードを全て手札に戻し、更にその枚数だけ山札からカードを引いて手札に加えて次のプレイヤーに手番を移します。つまり、多くのカードを組み合わせて出す場合は成功すれば一気に手札を減らすことが出来ますが、その分だけリスクが大きくなると言えます。
例) a: → b: (は素数ではない)→ b: とを手札に戻して山札からカードを二枚引く → c:
素数大富豪素数問題
素数全体集合を、素数大富豪素数全体集合をとします。は明らかに有限集合ですが、次の問題が日曜数学者tsujimotter氏によって提出されました:
この問題に取り組んだ、にせい氏のブログがあります:
nisei.hatenablog.com
に対して、
とすると、次がわかっています:
しかしながら、素数大富豪素数問題の解決にはまだ至っていません。
追記。2016年2月22日に解決:
integers.hatenablog.com