2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧
2016/4/28, ロマンティック数学ナイトという素晴らしいイベントが開催されました。 ロマンティック数学ナイト数々の熱いプレゼンの中、蓑田恭秀氏のプレゼン『意外と深い「平均」の世界』を聞いて大変興味をもったのが、「2008年、高校教師である内田康晴氏…
は最小の奇妙数です。自分自身を除く正の約数の和が自分自身より大きい自然数(このような数を過剰数という)であって、自分自身を除く正の約数をいくつか選んでその和が自分自身に一致するかを考えたとき、どのように選んでも一致しないときに奇妙数といいま…
Beukersがの無理性証明に用いた積分表示を一般化したものをHadjicostasが与えています。Beukersによる無理性証明を解説する前段階として、今回の記事ではBeukers-Hadjicostasの定理の証明を解説します。定理 (Beukers-Hadjicostas) は非負整数、はの最小公倍…
Ruizの恒等式 を非負整数、を任意の実数とする。このとき、が成り立つ。証明. に関する帰納法で証明する。とおく。である。であると仮定して、を示せばよい。より、は定数であることがわかる。従って、を得る。 Q.E.D.Ruizはこの恒等式を用いてWilsonの定理…
1974年4月8日にBabe Ruthのホームラン714本という記録を塗り替える715本目のホームランをHank Aaronが打ちました。このとはとても面白い性質をもつ数です。このような性質を持つペアは少ないです(他にはがある)。[NPP]では次のような予想を立てていますが、…
異常数およびCaveney-Nicolas-Sondowの定理の主張、証明の紹介
はとても面白い性質をもった数です。4桁の数に対して、次のような操作を行います:カプレカルーチン その数の各桁を入れ替えてできる数のうち、(最大の数)-(最小の数)を計算する。この操作を繰り返す。例えば、に対してカプレカルーチンを行うと となり…
二乗した数の前の部分と後ろの部分の和が元通りになるような自然数をカプレカ数と言います。例) カプレカ数最初の100個
Lagariasの定理の主張の紹介および証明
Gronwallの定理の主張および証明、Robinの定理の紹介
Markov数とはMarkovのDiophuntus方程式の自然数解に現れる数のことを言います。MarkovのDiophuntus方程式 三変数の方程式をMarkovのDiophuntus方程式と言い、自然数解のことをMarkovトリプル、Markovトリプルを構成する数をMarkov数と言う。例えば、はMarkov…
問題とは3x+1問題 与えられた自然数が偶数ならば半分にし、奇数なら倍して加えるという操作を考える。この操作を繰り返すと、どんな自然数であっても必ずになるであろう。という問題で、未解決問題です。予想、Collatz予想、角谷予想などなど様々な呼称を持…
この記事ではNewman-Zagierによる素数定理の複素解析的証明を解説します。 関連記事 素数定理 - INTEGERS チェビシェフの定理 - INTEGERS 素数定理の初等的証明(予告編) - INTEGERS 素数定理の初等的証明(Selbergの漸近公式編) - INTEGERS 素数定理の初…
Riemannゼータ関数は においてはEuler積表示をもつため、その範囲では零点*1を持ちません: integers.hatenablog.comまた、階乗の記事 integers.hatenablog.com で言及したように、ガンマ関数は零点を一切持ちません。従ってintegers.hatenablog.com で定義…
この記事では integers.hatenablog.com においてで定義されたRiemannゼータ関数を複素平面全体に有理型接続し、の満たす美しい関数等式の証明をRiemannの方法に従って紹介します。そのためにテータ関数の準備から始めましょう。integers.hatenablog.com を「…
前回の記事ではBell数について書きました: integers.hatenablog.comそこで紹介した、Bell数の母関数表示の証明を今回の記事で与えます。. 第二種Stirling数 個の元からなる集合の分割の個数がBell数でしたが、に対して、個の元からなる集合の個の部分集合へ…
個の元からなる集合の分割の個数をBell数と言い、と表します。関-Bernoulli数と同じ記号なので文脈判断の注意が必要です。あるいは、と区別して書くこともあるようです。と源氏物語の関係については以下の記事が参考になります: simomath.blog.fc2.com 便宜…
パワフル数に関する記事第二弾です。一つ目は↓ integers.hatenablog.com 関係ない話 突然ですが、皆さんは趣味はありますか?私はたくさんあるのですが、とりあえず二つ紹介します。 このブログの執筆 素数ものさしを人に贈呈すること はい。趣味とか言って…
非Wieferich素数に関するSilvermanの定理の証明
パワフル数についての解説記事。この記事では、パワフル数の逆数和の総和を求め、連続するパワフル数が無数に存在することを証明する。
は見つかっている唯一の非自明なWieferich-非Wilson素数です。定義 を非Wilson素数とする。このとき、Wilson商に対するFermat商は整数であり、Fermat-Wilson商という。また、が成り立つとき、のことをWiferich-非Wilson素数という。は非Wilson素数ですが、で…
Fermat商とWilson商と呼ばれる対象を以前紹介しました:1093, 3511:ヴィーフェリッヒ素数 - INTEGERS 563:Wilson素数 - INTEGERS実はこれらは次のように密接に結びついています:Lerchの合同式 奇素数に関する合同式が成り立つ。証明. Fermat商の定義より…
この記事ではABC予想とは何なのかを解説します。 根基 でない整数の根基をの素因数の積として定義します。すなわち、です(は素数を表す)。ただし、とします。定義から根基は必ず無平方(square-free)です。 トリプル 自然数の三つ組(ただし、)がABCトリプルで…
本日arXivで発表されたJames Maynard(28才のイギリス人数学者)によるプレプリント"Primes with restricted digits", http://arxiv.org/pdf/1604.01041.pdfにおいて次の定理を証明したと宣言されています:定理 (Maynard) から数を一つ選んでとする。このとき…
Wieferich素数の定義など
この記事は準備の記事です。, , をそれぞれMöbius関数、Eulerのトーシェント関数、Riemannゼータ関数とします:メビウス関数 - インテジャーズ オイラーのトーシェント関数とφ(R(n))=n - INTEGERS リーマンゼータ関数 - INTEGERS補題1 をを満たすような複素…
以前の記事における問題解答。交代階乗和と左階乗の紹介。
ゲーベル数列の定義や性質について
本日は数学の問題をいくつか出題します。君は何題解けるだろうか!!!?問1 素数を順番に掛け合わせて足した数をEuclid数という:これらは偶然全て素数であるがは素数でない。それでは、以上の考察を受けて 「素数を個順番に掛け合わせて足し合わせると素…