インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ゲーベル数列とMatsuhira-Matsusaka-Tsuchida 2023+

R. Matsuhira, T. Matsusaka, and K. Tsuchida による論文arxiv.orgが雑誌 The American Mathematical Monthly に掲載を許可されたという嬉しいニュースを聞いたため、それを祝ってあらためて彼らの結果をご紹介します。 具体的な初期値と漸化式で数列 が与…

あなたの推し1458次方程式は何ですか? [PNG版]

私の推し1458次方程式はです。 解説 沢口一之が著書『古今算法記』に出題した15題の遺題の第14問は次のような問題でした。 第14問図図において、BD、AD、CD、AC、BC、ABの長さをそれぞれ とおく。以下の関係が成り立つとき、 の値を求めよ。 関孝和は著書『…

あなたの推し1458次方程式は何ですか?[SVG版]

私の推し1458次方程式は 304427359235102988198909492797117224639257303765248885072787139048603222654443743671517756261066899467603894099309373450184856997293378168857073366264945461418417548761230990615155029895062529423079700791323655618752…

円周率が無理数であることの曲芸的な証明

本記事は 日曜数学 Advent Calendar 2023 の4日目の記事です。 特に書きたい内容があったわけではないのですが、ノリで登録してしまいました。 その結果、書く内容を中々思いつくことができずにいたのですが、渡邉究先生の以下の投稿を見て、これで何か書こ…

相互法則に関するメモ

平方剰余と三角関数 とを相異なる奇素数とする。このとき、をLegendre記号として、が成り立つ。この式から相互法則が得られる。 4乗剰余とレムニスケート関数 は前節では円周率、この節ではprimaryなガウス素数とする。ここで、primaryとは を満たすことを意…

宮城清行すげえ

関孝和すげえという話をします。 【算聖】関 孝和【新助、自由亭】 先月、上野健爾、小川束、小林龍彦、佐藤賢一 による『関孝和全集』が岩波書店から出版されました:岩波書店のページ。 最近はこの本を勉強しているのですが、すこぶる面白いです。 私は元…

フェルマーの大定理の短証明を査読してみた

アマチュアの方などが、第一級の数学者が長年取り組んでも解決できない問題(フェルマーの大定理*1の初等証明、コラッツ予想、リーマン予想、ふたご素数予想、P=NP問題、etc.)を解いたと主張して論文や本として発表されることは、ありふれたことのように思…

素数と2の冪の和

一部の人々は正の整数を特定の種類の整数だけを使った和で表したくなるんですよね。 例えば、2つの平方数の和で表してみたり4つの平方数の和で表してみたり2つの素数の和で表してみたり そして、その人々は、いつそのような和で表せるのかということが気にな…

ただの日記

小林銅蟲さんとの共著『せいすうたん1』の発売が近づいてきました。そろそろ書店には届き始める頃なので手に入るところもあるかもしれませんし、発売日としてはどうやら5/1と設定されているようです。今日は本書に載っている内容の過去記事を全て非公開にし…

書籍『せいすうたん1』(小林銅蟲氏との共著)が出版されます!

二冊目の書籍が出版されます。