インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

代数的数の加減乗除

定義 零でない有理数係数一変数多項式の根となるような複素数のことを代数的数とよぶ。代数的数について、を根に持つ零でない有理数係数一変数多項式の中で次数が最小でモニックなものをの最小多項式といい、の最小多項式の次数をの次数とよぶ。定理 を代数…

高木貞治の論文"Zur Theorie der natürlichen Zahlen"を読む

高木貞治博士の論文を読むシリーズ第二弾です。第一弾はintegers.hatenablog.comでした。今回は高木博士が50代後半の時に出版された論文Teiji Takagi, Zur Theorie der natürlichen Zahlen, Proceedings of the Imperial Academy of Japan, Vol. 7, (1931), …

抽象的素数大富豪

素数大富豪についてはintegers.hatenablog.comをご覧ください。最初に出た素数大富豪の公式ルールは2014年9月19日公開のhttps://t.co/K5Tf8SeNHWでした。しかし、twitterか何かで「素数大富豪のルールガバガバだな」というような文を見かけたので、ルールを…

アックス−グロタンディークの定理

体と正整数に対して、写像が多項式写像であるとは、が存在してが成り立つときにいいます。この記事ではTaoの記事とそのコメント欄を参考に次の定理のSerreの議論に基づいた証明を解説します。定理(Ax, Grothendieck) 多項式写像が単射であれば全射である。Hi…

自然数の複雑度

自然数の複雑度とは、足し算と掛け算と括弧の使用のみを許してをだけで表示するのに必要なの個数の最小値のことを言います。例えば、との複雑度はです。の複雑度をと表すことにしましょう。 Question1 という表示があるが、は一般に成り立つだろうか? 複雑…

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はひっくり返した数を足して立方数となるような最小の素数です:にLychrelプロセスを一回実施した結果は回文数ではないですが、偶然回文数の三乗になっていますね。を素数とその反転の和で書く方法はなど他にもありますが、同じような表示を持つ次の立方数は…

差分形式と離散ストークスの定理

Stokesの定理の離散版(の一つ)について軽くまとめます。通常のStokesの定理についてはtsujimotter.hatenablog.comをご覧ください*1。 超立方体と差分形式 を正整数とし、次元Euclid空間を考える。 と に対して、をで定める。を固定して全てのを考えた達のな…

楔数

相異なる三つの素数の積として表される整数のことを楔数といいます。最小の楔数はです。ひっくり返しても楔数であるような最小の整数はです()。最小の連続楔数は。最小の三連続楔数は)。四連続楔数は存在しません(四連続整数は少なくとも一つがの倍数で平方…

多項式に関する簡単な問題2

昔紹介した問題*1問題 を正整数とする。有界なる変数複素係数多項式は定数に限ることを示せ。の最もシンプルだと感じた証明を書いておきます。ただし、一変数の場合への帰着のみ書きます(一変数の場合は簡単)。証明. 変数多項式はで有界であると仮定する。を…