インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

完全順列とモンモール数

モンモール数に関する解説記事。

120121:二面体素数

二面体素数という面白い素数を紹介します。自然数を(十進法で)7セグ表記し、それに180°回転と真横の軸に対する鏡映によって生成される二面体群(クラインの四元群)の元を作用して得られる四つの図形が全て素数(の7セグ表記)になっているとき、その自然数を二…

Bell数に関するSun-Zagierの定理

をBell数とします。Bell数に関する過去記事一覧: 52:ベル数 - INTEGERS Bell数の母関数表示と第二種Stirling数 - INTEGERS Bell数に関するHurst-Schultzの定理 - INTEGERS pCrはpの倍数 - INTEGERS Touchardの合同式 - INTEGERSZhi-Wei SunはBell数に関する…

Touchardの合同式

Bell数に関して最初に書いた記事integers.hatenablog.com で紹介した興味深い合同式であるTouchardの合同式Touchardの合同式 任意の非負整数と素数に対して、合同式が成立する。の証明をいつか紹介すると約束していました。この記事で、Hurst-Schultzによる…

pCrはpの倍数

高校生の皆さん! が素数で、 なる整数に対しては必ずの倍数になります!!え?そんなことは知ってるって??そんなあなたのために、今日は第二種Stirling数ヴァージョンの類似の性質を紹介しましょう。なお、以下では二項係数はいつも通りなる記号を用いる…

Bell数に関するHurst-Schultzの定理

をBell数とします。Bell数については52:ベル数 - INTEGERS Bell数の母関数表示と第二種Stirling数 - INTEGERSで記事にしましたが、書こうと思ってその後書き忘れていた部分を書こうと思います(四回分)。Bell数については次の二つの関係式が重要です: ‐① ‐②…

Ramanujanのτ関数に関するLygeros-Rozierの定理

integers.hatenablog.comにおいて、が奇素数となるようなものをサーチしました。その際、「の乗法性から絶対値が素数になるようなをサーチするにはが素数冪のときだけを考えれば十分である。」と述べました。これは値だけをサーチしたい場合には正しい主張で…

30:Lucas数列と原始的約数

*1がLucasペアであるとは、が代数的整数で、およびがともに零でない互いに素な整数であり、更にがの冪根でないときにいいます。Lucasペアに対して、二種類のLucas数列をによって定義します。漸化式で書くと、となります。のとき(, は黄金比)はそれぞれFibo…

親愛なる素数7758337633へ。あなたが好きです。

Ramanujanの関数に関する非常に難しい未解決問題を紹介します。integers.hatenablog.comに掲載した数値例をみると、 の四つは「がの倍数である」という著しい性質を持ちます。しかし、以降は全然同じ性質を満たす素数が出現しません*1。このような素数は非常…

Ramanujanのτ関数に対するLehmer予想と佐藤-Tate予想

Ramanujanのの数値例をintegers.hatenablog.comなどで見てきましたが、その数値は比較的大きくを取るは見当たりません。実は次の予想があります:Lehmer予想 任意の自然数に対してであろう。Romantic Supersingular Primes!~ロマンティック数学ナイトの飛び…

二回目のディリクレ関数

私と相互フォローして下さっている鰺坂もっちょさんという方がtwitterで「いまディリクレ関数のブログ書いてる」と呟いておられたので、「ああ、僕もそろそろDirichlet 関数についてブログ書かなきゃなあ~。これを機に記事を書くか!」と思っていたのですが…

ラマヌジャンのΔと或る重さ2の保型形式の間の合同式

これまでRamanujanのとそれから定まる数列についてその性質をいくつか調べてきました。.今回は別の無限積を考えてみましょう:.によって数列を導入します。これは実は或る重さの保型形式のFourier級数展開になっています。素数に対するの値を少しだけ見てみ…

Ramanujanのτ関数の満たす合同式と23の不思議

と言えばマイケルジョーダン素数ですが、或いは円分体の類数を思い出す人も多いでしょう。5/13の記事において、素数に対するRamanujanの関数の値の素因数分解データを100個掲載しました: integers.hatenablog.comその素因数分解を眺めていると、という小さ…

|τ(n)|が素数となる数値例

Ramanujanの関数シリーズがしばらく続いています。integers.hatenablog.comで次の定理を紹介しました:定理 (Lehmer 1965)の絶対値が素数となるような最小のはであり、である。の乗法性から絶対値が素数になるようなをサーチするにはが素数冪のときだけを考…

数列τ(n)に関するRamanujanの予想

Ramanujanの見つけた魅力的な数列が乗法性が互いに素であれば、が満たすことをRamanujanの見つけた魅力的な数列 - INTEGERSで紹介しました。実はこれに合わせて、素数と自然数に対してが成り立つことをRamanujanは1916年の論文で予想しました。これらは予想…

47, 131:ウラム数

は「とがともにUlam数である」という性質を満たす知られている最大の数 (しか知られていない)。Ulam素数でもある。は「連続するUlam数の和となるようなUlam数である」という性質を満たす知られている最大の数(他にはしか知られていない)。こちらもUlam素数。…

691:ラマヌジャンの発見した驚くべき合同式

Ramanujanの発見した魅力的な数列に関する記事第二弾です! integers.hatenablog.com前回はからまでの値を眺めましたが、今回は素数に限定して100個眺めてみましょう!素数に対するの数値(最初の100個の素数) いかがでしょう。ちなみに、この数値例を私は…

四平方の定理に関する追加的内容について

Lagrangeの四平方の定理という有名な定理を以前取り上げました: integers.hatenablog.comどのような定理であったかをもう一度書いておきます:四平方の定理 任意の自然数は四つの平方数の和として表すことができる。ただし、も平方数に含める。いつみても美…

ラマヌジャンの見つけた魅力的な数列

Ramanujanが1916年に発見した数列は今なお数学者を魅了し続ける大変美しい数列です。これは保型形式のFourier係数として定義されます。に対してとおくとき(は上半平面)、は無限積表示を持つため、逐一展開すれば原理的には手計算でもを計算できることが分か…

1767218027:非正則指数世界記録更新!?

以前、2011年にBuhlerとHarveyによって得られた非正則指数の世界記録()を紹介しましたが、今日arXivに投稿されたプレプリントW. Hart, D. Harvey, W. Ong, Irregular primes to two billion, preprint.において世界記録が5年ぶりに更新されたと宣言されてい…

6700417:第五フェルマー数の余素因数

シェルピンスキーの定理の証明

相異なるr個の素数の積で表されるような数の個数に関するラマヌジャンの不等式

半素数の記事でを導入しましたが、を以下の相異なる二つの素数の積として表せる数の個数とするとが成り立つため314:半素数 - INTEGERSで示した漸近公式よりが成り立つことが分かります。実はこれは次のように拡張されます:定理 (Landau) 、は正の整数とし…

Brier数

Brier数の定義と数値例の紹介

Riesel数

Riesel数の定義および数値例

314:半素数

は100番目の半素数です。定義 ちょうど二つの素数の積として表される自然数のことを半素数という(二つの素数は等しくてもよい)。「~素数」という名称でありながら素数でないものの一例でもあります。 半素数最初の100個 以下の半素数の個数をとすると漸近公…

ζ(3)が無理数であることの積分を使った証明

1978年にApéryがが無理数であることを証明し、数学界に衝撃を与えました(俗にいうApéryショック)。Apéryが証明を発表した数か月後にはBeukersが積分を使った非常に美しい別証明を発表しています。この記事では、美しさは若干損ないますが、Millerによって発…

78557:シェルピンスキー数

シェルピンスキー数の紹介およびSelfridgeの定理の証明

Romantic Supersingular Primes!~ロマンティック数学ナイトの飛び込みプレゼン枠で発表してきた

2016/4/28に開催された『ロマンティック数学ナイト』というイベントに参加してきました!!romanticmathnight.org年齢は問わず、中学生から大人まで(なんと中学2年生の講演者も)!!数学愛好家、教育者、数学者、… 様々なジャンルの数学好きが一同に会し…

非トーシェント数

をEulerのトーシェント関数とするとき、について、の元のことをトーシェント数、の元のことを非トーシェント数と言います。ですが、以上の奇数は全て非トーシェント数です。偶数であるような最小の非トーシェント数はです*1。実は非トーシェント数全体のなす…