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数、特に整数に関する記事。

89:フィボナッチ数

89は11番目のFibonacci数です。1/89= 0.011235\dots89の逆数の小数点以下の数に最初の方のFibonacci数0, 1, 1, 2, 3, 5が現れます(偶然ではありません)。

Fibonacci数*1

定義 F_0=0, F_1=1, F_{n+2}=F_{n+1}+F_n \ (n \in \mathbb{Z}) なる漸化式で定まる整数F_nn番目のFibonacci数という*2

では、いくつかのFibonacci数を鑑賞しましょう:

F_0 F_1 F_2 F_3 F_4 F_5 F_6
0 1 1 2 3 5 8
F_7 F_8 F_9 F_{10} F_{11} F_{12} F_{13}
13 21 34 55 89 144 233
F_{14} F_{15} F_{16} F_{17} F_{18} F_{19} F_{20}
377 610 987 1597 2584 4181 6765
F_{21} F_{22} F_{23} F_{24} F_{25} F_{26} F_{27}
10946 17711 28657 46368 75025 121393 196418
F_{28} F_{29} F_{30} F_{31} F_{32} F_{33} F_{34}
317811 514229 832040 1346269 2178309 3524578 5702887
F_{35} F_{36} F_{37} F_{38} F_{39} F_{40}
9227465 14930352 24157817 39088169 63245986 102334155
F_{-1} F_{-2} F_{-3} F_{-4} F_{-5} F_{-6} F_{-7} F_{-8} F_{-9} F_{-10} F_{-11}
1 -1 2 -3 5 -8 13 -21 34 -55 89

Fibonacci数の一般項

\displaystyle \phi := \frac{1+\sqrt{5}}{2}≒1.6180339887とします。これは黄金比とよばれます。

Binetの公式 Fibonacci数の一般項は\displaystyle F_n = \frac{1}{\sqrt{5}}\{ \phi^n-(-\phi )^{-n}\}で与えられる。

これは、数学的帰納法で証明することもできますし、高校数学で習う方法で、漸化式を特性方程式を用いて解くことによって導出することもできます。一見、整数に見えない形をしています。Binetの公式から次の極限公式が得られます:

\displaystyle \lim_{n\to \infty}\frac{F_{n+1}}{F_n} = \phi.

諸性質

F_{-n} = (-1)^{n-1}F_n.

これは漸化式を用いた数学的帰納法、または一般項から証明できます。

F_nが偶数\Longleftrightarrown3の倍数。

F_{3n}は偶数、F_{3n+1}, F_{3n+2}は奇数」をnに関する一つの命題とみなすことにより、漸化式を用いて数学的帰納法で証明できます。

母関数

\displaystyle \mathcal{F}(X) := \sum_{n=0}^{\infty}F_nX^n \in \mathbb{Q}( \! (X) \! )とします。このとき、漸化式から

\mathcal{F}(X)(1-X-X^2) = F_0+(F_1-F_0)X=X

が分かるので、

\displaystyle \mathcal{F}(X) = \frac{X}{1-X-X^2}

が得られます。d'Alembertの判定法により、極限公式から\mathcal{F}(X)の収束半径は\phi^{-1} ≒ 0.618033989であることがわかります。よって、X=10^{-1}を代入することにより、\displaystyle \frac{1}{89} = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{F_n}{10^n}。これが、最初に紹介した89の性質の理由です。

蛇足

以前、5882353がとても面白い数であると紹介しました:
integers.hatenablog.com
この、5882353は各桁の数が全てFibonacci数です。しかも各桁の和がS(5882353)=34と、これまたFibonacci数となっています。

*1:私は数が好きですが、Fibonacci数は比較的好きではありません。その(非論理的)理由として「"Fibonacci"の響きが嫌い」というものがあります。そもそも彼の名前はLeonardo Bonacciです。"Leonardo数"だったらもう少し好きになれるかもしれません。

*2:nが負のときまで考察することは次の次の記事で重要な役割を果たします。