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INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

レピュニット

1, 11, 111, 1111のように1を繰り返し並べて出来る整数のことをレピュニット(Repunit)といいます(Repeated unitの略)*1

特に、11素数です。このような素数をレピュニット素数と呼びましょう。11以外にレピュニット素数はあるでしょうか?
下から順に素因数分解してみましょう。

{111 = 3\cdot 37}

{1111 = 11\cdot 101}

{11111 = 41\cdot 271}

{111111 = 3\cdot 7\cdot 11\cdot 13\cdot 37}

{1111111 = 239\cdot 4649}

{11111111 = 11\cdot 73\cdot 101\cdot 137}

{111111111 = 3^2 \cdot 37\cdot 333667}

{1111111111 = 11\cdot 41\cdot 271\cdot 9091}

{11111111111 = 21649\cdot 513239}

{111111111111 = 3\cdot 7\cdot 11\cdot 13\cdot 37\cdot 101\cdot 9901}

{1111111111111 = 53\cdot 79\cdot 265371653}

{11111111111111 = 11\cdot 239\cdot 4649\cdot 909091}

{111111111111111 = 3\cdot 31\cdot 37\cdot 41\cdot 271\cdot 2906161}

{1111111111111111 = 11\cdot 17\cdot 73\cdot 101\cdot 137\cdot 5882353}

{11111111111111111 = 2071723\cdot 5363222357}

{111111111111111111 = 3^2\cdot 7\cdot 11\cdot 13\cdot 19\cdot 37\cdot 52579\cdot 333667}

{1111111111111111111}素数!!

11の次のレピュニット素数は1111111111111111111(1が19個)であることがわかりました。

その次のレピュニット素数は何でしょうか? ここで、記号を導入します:

{ \displaystyle
R_n := \frac{10^n-1}{9},
}

ただし、nは自然数。

例えば、R_{2}=11, R_{19}=1111111111111111111です。

実は、現在知られているレピュニット素数は

R_2, \ R_{19}, \ R_{23}, \ R_{317}, \ R_{1031}

の五つのみです。この他にも候補はあり、もしかしたらレピュニット素数は無数にあるかもしれませんが、誰も証明できていません。

ちなみに、レピュニット素数R_nの添え字の{ n }n = 2, 19, 23, 317, 1031と全て素数ですが、これは偶然ではありません。そのことは次のように簡単にわかります。まず、因数分解

{ X^b-1 = (X-1)(X^{b-1}+X^{b-2}+\cdots +X+1) }

を思い出しておきます({b}は自然数)。もし、{n}が合成数、すなわち、n=ab (a, b{ 2 }以上の自然数)とすると、指数法則と上の因数分解により、

\displaystyle R_n=\frac{(10^a)^b-1}{9}=R_a \cdot ((10^a)^{b-1}+(10^a)^{b-2}+\cdots +(10^a)+1)

R_nが因数分解されてしまいます。R_a, (10^a)^{b-1}+(10^a)^{b-2}+\cdots +(10^a)+1はともに2以上の整数なので、R_nは素数にはなり得ないことが示されました。

*1:この記事は2015年11月22日に公開した記事ですが、はてな記法へ変更するために再投稿したものです。