を数体、
、
を
なる有限素点とするとき、Fermatの小定理によって
が成り立ちます(はノルム)。それでは、
を
のべき根ではないと仮定して
が成り立つはどのくらいあるでしょうか?
のことをFermat商と呼びます(は
の整数環の
による局所化)。
Wieferich素数
の場合に合同式①が成り立つことが分かっている素数は以下のようになっています:
このうち、を満たすような素数のことを特にWieferich素数といいます。このような素数の存在についてはAbelが既に言及していたのですが、Wieferichが次のような定理を証明したことからこのような名前が付きました:
Fermatの最終定理のファーストケースについては
integers.hatenablog.com
を参照してください。
なお、次のような定理も証明されています:
①を満たすが無数に存在するか否かについてはどの
に対しても証明されていません。
Fermatの最終定理と関係する点も含めて、Wieferich素数は以前紹介したWall-Sun-Sun素数に似ています:
integers.hatenablog.com
この観点から(Wieferich素数の方が古い概念であることも合わせて)、Wall-Sun-Sun素数はFibonacci-Wieferich素数とも呼ばれています(一つも見つかってないのに名前が2種類もある)。
3511
tmix.jp
で販売されている素数TシャツではWieferich素数が赤色で印字されています。
一方、以前紹介した非正則素数については青色で印字されています。
integers.hatenablog.com
実ははWieferich素数かつ非正則素数であるため、赤と青が半々で印字されているのです。
このような特徴をもつが私は大好きなのですが、アンケートを取ったところあまり人気はありませんでした笑。