インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

714, 715:Ruth–Aaronペア

1974年4月8日にBabe Ruthのホームラン714本という記録を塗り替える715本目のホームランをHank Aaronが打ちました。

この714715はとても面白い性質をもつ数です。

714\times 715 = 510510=2\times 3 \times 5 \times 7 \times 11 \times 13 \times 17

このような性質を持つペアは少ないです(他には(1, 2), (2, 3), (5, 6), (14, 15)がある)。

[NPP]では次のような予想を立てていますが、現在でも未解決であるかまだ調査できていません。

予想 連続する自然数のペアであって、その積が最初の連続するいくつかの素数の積(素数階乗)となるもののうち最大のものは(714, 715)であろう。

また、714715の素因数分解はそれぞれ

714 = 2 \times 3 \times 7 \times 17,\quad 715=5\times 11 \times 13

ですが、各素因数の和が一致します!!

2+3+7+17=5+11+13=29

このような幸運なペアのことを、Ruth-Aaronペアと呼びます。次は未解決です。

未解決問題 Ruth-Aaronペアは無数に存在するか?

(5, 6), (24, 25), (49, 50), (77, 78), (104, 105), (153, 154), (369, 370), (492, 493), (714, 715),
(1682, 1683), (2107, 2108)

などはRuth-Aaronペアです。確かめてみましょう!

冪の分も足し合わせる場合は(8=2^3, 9=3^2; 2+2+2=3+3)、小さい方から

(5, 6), (8, 9), (15, 16), (77, 78), (125, 126), (714, 715), (948, 949), (1330, 1331)

となります。

参考文献

[NPP] C. Nelson, D.E. Penney, and C. Pomerance, 714 and 715, J. Rec. Math. 7 (1974), 87–89.