正の奇数がSierpinski数であるとは、
が任意の正整数
に対して合成数になるときに言います。
は知られている最小のSierpinski数ですが、本当に最小であるかは未解決問題です。この記事ではSelfridgeの定理の証明を紹介します(未出版)。
定理 (Selfridge 1962)
はSierpinski数である。
証明は補題7個に分けて行います。計算技術の習得という観点でtsujimotter氏の記事
tsujimotter.hatenablog.com
を参照してください。とおきます。
まずはが偶数の場合:
補題1
ならば
は
で割り切れる。
証明. Fermatの小定理(FLT)よりであり*1、
なので
Q.E.D.
奇数の場合はと
で分けます。
補題2
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTよりなので、
Q.E.D.
の場合は
,
,
で分けます。
補題3
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTよりなので、
Q.E.D.
補題4
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTよりであり
,
なので*2、
Q.E.D.
の場合は
,
,
に分ける。
補題5
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTからは分からないが、直接計算によってが確かめられ、
なので
Q.E.D.
補題6
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTよりであり、
,
なので*3
Q.E.D.
補題7
ならば
は
で割り切れる。
証明. FLTよりであり、
,
なので*4
Q.E.D.
以上で、全てのに対して
が合成数であることが証明できた。