数学ガールの秘密ノート〜数列の広場〜
http://www.hyuki.com/girl/note4.html
を読みました。オリジナル問題を作ってみたので挑戦してみてください*1:
定数係数線形漸化式
定数係数項間線形漸化式
を考えましょう()。これは特性方程式
の根(重複を込めて
個)の状況によって場合分けが発生しますが、例えば根が全て相異なるならば、一般項は
と表すことが出来ます()。
かつ、
ならば、
なる漸近挙動を示します。
Poincaréの定理
定数係数ではない漸化式
となると、もはや一般項を求めることは極めて難しくなります()。
しかしながら、漸化式自体がある定数係数線形漸化式に漸近するならば、解の漸近挙動は分かります:
証明はいつか書きたいと思いますが、とりあえず原論文をあげておきます:
H. Poincaré, Sur Les Equation Linéares aux Différentielles Ordinaires et aux Différence Finies, Amer. J. Math., 7 (1885), 203-258.
における
自体の漸近挙動は次の補題から分かります:
証明. とする。このとき、
なので、とおくと
故に任意のに対して或る番号
が存在し、
が成り立つので(望遠鏡和に分けて三角不等式を用いた)、十分大きいに対して
と評価できる。すなわち、が示された。 Q.E.D.
*1:この問題の作り方は高校時代の恩師に教えて頂きました。