インテジャーズ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

インテジャーズ

数、特に整数に関する記事。

ラッキー数定理

定理解説

この記事ではラッキー数を紹介します。Wikipediaでは幸運数という訳語で紹介されていますが、Eulerの幸運数とは異なるものです。Eulerの幸運数については

tsujimotter.hatenablog.com

を参照してください。

ラッキー数の定義

素数はEratosthenesの篩という篩によってふるい分けられる数と言えます。

エラトステネスの篩 - Wikipedia

Ulamによって素数の類似物として考案されたラッキー数は、Eratosthenesの篩に似た別の篩によってふるい分けられる数のことを言います。

篩のルール S_n=\{a_{n, m}\}_{m=1}^{\infty}が自然数からなる数列であるとき、次のルールで篩を行い、新しい数列S_{n+1}を定義する:
N=a_{n, n}に着目し、Nの倍数番目の項である
a_{n, N}, a_{n, 2N}, a_{n, 3N}, \dots
S_nから取り除いて出来る数列をS_{n+1}とする。

Step1

スタートは自然数列


\begin{align}S_1= &1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25,\\ &26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, \\ &48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69,\\ &70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, \\ &92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, \dots \end{align}


です。自然数を篩って特殊な数を取り出そうとするのですから。

ところが、S_1篩のルールを適用してしまうと、着目する数がN=a_{1, 1}=1であるため、篩ったらいきなり空数列*1となってしまいます。

というわけで、スタートステップだけ特別ルールで始めます。

「都合のいいやつだな〜」と思われるかもしれませんが、Eratosthenesの篩のときもある意味そうでしたよね?

1は意図的にすっとばして、2に丸をつけて、2以外の2の倍数を消すことから始めるのでした(最初の素数が2と定義から決まっているということでもあります)。

今回も1はすっとばして、着目する数を特別にN=a_{1, 2}=2としましょう。

そうして、


\begin{align}&a_{1, 2}, a_{1,4}, a_{1,6}, a_{1, 8}, a_{1, 10}, a_{1, 12}, a_{1, 14}, a_{1, 16}, a_{1, 18}, a_{1, 20}, a_{1, 22}, a_{1, 24}, a_{1, 26}, a_{1, 28}, a_{1, 30},\\ &a_{1, 32}, a_{1, 34}, a_{1, 36}, a_{1, 38}, a_{1, 40}, a_{1, 42}, a_{1, 44}, a_{1, 46}, a_{1, 48}, a_{1, 50}, a_{1, 52}, a_{1, 54}, a_{1, 56}, a_{1, 58}, a_{1, 60},\\ &a_{1, 62}, a_{1, 64}, a_{1, 66}, a_{1, 68}, a_{1, 70}, a_{1, 72}, a_{1, 74}, a_{1, 76}, a_{1, 78}, a_{1, 80}, a_{1, 82}, a_{1, 82}, a_{1, 84}, a_{1, 86}, a_{1, 88},\\ &a_{1, 90}, a_{1, 92}, a_{1, 94}, a_{1, 96},  a_{1, 98}, \dots\end{align}



を篩い落とします。すなわち、


\begin{align}&2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38, 40, 42, 44, 46, 48, 50,\\ &52, 54, 56, 58, 60, 62, 64, 66, 68, 70, 72, 74, 76, 78, 80, 82, 84, 86, 88, 90, 92, 94, 96, 98,\\ &\dots\end{align}


を篩い落として


1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, \dots


\begin{align}S_2= &1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21, 23, 25, 27, 29, 31, 33, 35, 37, 39, 41, 43, 45, 47,\\ &49, 51, 53, 55, 57, 59, 61, 63, 65, 67, 69, 71, 73, 75, 76, 77, 79, 81, 83, 85, 87, 89,\\ &91, 93, 95, 97, 99,\dots\end{align}


となります(奇数列。スタートステップはEratosthenesの篩とほぼ同じで、1が残るか2が残るかの違いがあります。後でも採用することになりますが、2を残して(1は消して)、残り奇数列とする、スタートはEratosthenesの篩に合わせる流儀もあります)。

Step2

ここからは、篩のルール通りに篩っていきましょう(あるいは、スタートステップの特別性が気に入らなければS_2から開始することにしても構いません)。注目する数はN=a_{2,2}=3です。


\begin{align}&a_{2, 3}, a_{2, 6}, a_{2, 9}, a_{2, 12}, a_{2, 15}, a_{2, 18}, a_{2, 21}, a_{2, 24}, a_{2, 27}, a_{2, 30}, a_{2, 33}, a_{2, 36}, a_{2, 39}, a_{2, 42}, a_{2, 45},\\ &a_{2, 48}, a_{2, 51}, \dots\end{align}



すなわち、


5, 11, 17, 23, 29, 35, 41, 47, 53, 59, 65, 71, 76, 81, 87, 93, 99, \dots


S_2から篩い落とします。そうして、


1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21, 23, 25, 27, 29, 31, 33, 35, 37, 39, 41, 43, 45, 47, 49, 51, 53, 55, 57, 59, 61, 63, 65, 67, 69, 71, 73, 75, 76, 77, 79, 81, 83, 85, 87, 89, 91, 93, 95, 97, 99, \dots


\begin{align}S_3= &1, 3, 7, 9, 13, 15, 19, 21, 25, 27, 31, 33, 37, 39, 43, 45, 49, 51, 55, 57, 61, 63, 67,\\ &69, 73, 75, 77, 79, 83, 85, 89, 91, 95, 97, \dots \end{align}



となります。



Step3

注目する数はN=a_{3, 3}=7です。


a_{3, 7}, a_{3, 14}, a_{3, 21}, a_{3, 28}, \dots


すなわち、


19, 39, 61, 79, \dots


S_3から篩い落とします。そうして、



1, 3, 7, 9, 13, 15, 19, 21, 25, 27, 31, 33, 37, 39, 43, 45, 49, 51, 55, 57, 61, 63, 67, 69, 73, 75, 77, 79, 83, 85, 89, 91, 95, 97, \dots



\begin{align}S_4= &1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 27, 31, 33, 37, 43, 45, 49, 51, 55, 57, 63, 67, 69, 73, 75,\\ &77, 83, 85, 89, 91, 95, 97, \dots\end{align}



となります。



Step4

注目する数はN=a_{4, 4}=9です。


a_{4, 9}, a_{3, 18}, a_{3, 27}, \dots


すなわち、


27, 57, 89, \dots


S_4から篩い落とします。そうして、



1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 27, 31, 33, 37, 43, 45, 49, 51, 55, 57, 63, 67, 69, 73, 75, 77, 83, 85, 89, 91, 95, 97, \dots



\begin{align}S_5= &1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 31, 33, 37, 43, 45, 49, 51, 55, 63, 67, 69, 73, 75, 77, 83,\\ &85, 91, 95, 97, \dots\end{align}



となります。


Step

この操作(篩)を永遠に繰り返して最終的に残る数列の項のことをラッキー数と定義します。

すなわち、S_nの各項を元とする集合を\mathcal{S}_nとして、

\displaystyle \mathcal{S} := \bigcap_{n=1}^{\infty}\mathcal{S}_n

と集合\mathcal{S}を定義し、\mathcal{S}の元を小さい順に並べて出来る狭義単調増加数列をSとすると、Sがラッキー数からなる数列となります。

100以下のラッキー数:


1, 3, 7, 9, 13, 15, 21, 25, 31, 33, 37, 43, 49, 51, 63, 67, 69, 73, 75, 79, 87, 93, 99


Eratosthenesの篩との違い

Eratosthenesの篩は印を付けた素数の倍数を全て取り除く篩でした。

ラッキー数を定義するUlamの篩は、それまでの篩で取り除かれた数のことは忘れて、残っている数の中で数えて印の付いた数(ラッキー数)の倍数番目を取り除いていく篩です。


こうして、篩を少し変えることによって素数の類似物が定義されたわけですが、この記事では素数に関するある定理とある予想達のラッキー数での類似物を紹介したいと思います。


なお、素数のときと違って、ラッキー数が無数に存在することは定義から明らかです。

ラッキー数定理

n番目の素数をp_nとしたとき、

p_n \sim n\log n, \ \ n \to \infty

が成り立つというのが、所謂素数定理でした。

integers.hatenablog.com

この素数定理のラッキー数ヴァージョンが証明されています:

ラッキー数定理 (Hawkins-Briggs, 1958) n番目のラッキー数をs_nとするとき、漸近公式
s_n \sim n\log n, \ \ n \to \infty
が成り立つ。

以下、この定理の証明を紹介しましょう。これは確かに類似物ですが、証明は素数定理のときよりはるかに簡単になります。

ラッキー数定理の証明 この証明では、s_1=1ではなく、s_1=2であるという定義を採用する。まず、

m < s_nを満たすようなn, mに対して(n\geq 2)、s_m=a_{n, m}が成り立つ ー①

ことに注意する。何故ならば、S_nからS_{n+1}へ篩うとき、a_{n, s_n}が最初に取り除かれる数だからである。

\pi_n^{{\rm lucky}}(x)を、x以下であるようなS_nの項の数と定義する。このとき、Ulamの篩の定義からn \geq 2に対して

\displaystyle \pi_n^{{\rm lucky}}(x) = \pi_{n-1}^{{\rm lucky}}(x) - \left[ \frac{\pi_{n-1}^{{\rm lucky}}(x)}{s_{n-1}}\right] ー②

が成り立つ(s_1=2なので、n=1でも成立することに注意)。[\quad ]はGauss記号。n \geq 2に対して、\sigma_n

\displaystyle \sigma_n := \prod_{i=1}^{n-1}\left( 1-\frac{1}{s_i}\right)

と定義する。すると、②を繰り返し用いることによって、n \geq 2に対して

\displaystyle \pi_n^{{\rm lucky}}(x) = [x]\sigma_n + \sum_{i=2}^n\frac{\sigma_n}{\sigma_i}\left\{ \frac{\pi_{i-1}^{{\rm lucky}}(x)}{s_{i-1}}\right\} ー③

が成立することがわかる(\{\quad\}は少数部分)。

\displaystyle R_n(x) :=  \sum_{i=2}^n\frac{\sigma_n}{\sigma_i}\left\{ \frac{\pi_{i-1}^{{\rm lucky}}(x)}{s_{i-1}}\right\}

とすれば、

0 \leq R_n(x) < n ー④

である。n < s_nであることと、①、 ④より、

n = \pi_n^{{\rm lucky}}(s_n) \geq s_n\sigma_n

が成り立つので、

\displaystyle \frac{\sigma_{n+1}}{\sigma_n} = 1-\frac{1}{s_n} \leq 1-\frac{\sigma_n}{n}

と評価される。\rho_n:=\sigma_n^{-1}とすれば、これは

\displaystyle \rho_{n+1}-\rho_n \geq \frac{\rho_{n+1}}{n\rho_n} > \frac{1}{n}

と変形できる。最後の評価は\rho_nが単調増加であることから従う。よって、望遠鏡和を取れば、

\displaystyle \rho_n-2> \sum_{i=1}^{n-1}\frac{1}{i} \geq \log (n-1)

を得る(最後の不等式についてはこちら)。よって、n \geq 2に対しては

\displaystyle \sigma_n < \frac{1}{\log n} ー⑤

が成り立つことが示された。

さて、n > 2ならs_n > 2nが成り立つので(偶数のラッキー数が存在しないことからわかる)、①、③、④より

\begin{align}2n &= \pi_n^{{\rm lucky}}(s_{2n}) = s_{2n}\sigma_n+R_n(s_{2n}) < s_{2n}\sigma_n+n\\ 2n-1 &= \pi_n^{{\rm lucky}}(s_{2n-1}) = s_{2n-1}\sigma_n+R_n(s_{2n-1}) < s_{2n-1}\sigma_n+n\end{align}

なので、⑤より

\begin{align}&s_{2n} > n\log n\\ &s_{2n-1} > (n-1)\log n\end{align}

が成り立つ。これらを合わせれば、n\geq 2に対して

s_n > c_1n\log n ー⑥

が成り立つことが分かる(c_iと書いたら或る正の定数を表すことにする)。よって、

\displaystyle \sigma_n = \prod_{i=1}^{n-1}\left( 1-\frac{1}{s_i} \right) > c_2\prod_{i=n_0}^{n-1}\left( 1-\frac{1}{c_1i\log i} \right)

と評価でき(n_0を適切な番号)、両辺の対数を取れば

\displaystyle 0 > \log \sigma_n > \sum_{i=n_0}^{n-1}\log \left( 1-\frac{1}{c_1i \log i}\right) - c_3.

0 < x \leq 0.5828に対して

\displaystyle \log (1-x) > -\frac{3}{2}x

が成り立つので、n_0が十分大きく取れていれば

\displaystyle 0 > \log \sigma_n > -c_4\sum_{i=n_0}^{n-1}\frac{1}{i\log i} - c_3

と評価できる。アーベルの総和法の漸近公式5より

\displaystyle 0 > \log \sigma_n > -c_5\log \log n

が得られた。対数をはずせば

\displaystyle \sigma_n > \frac{1}{(\log n)^{c_5}} ー⑦

と⑤と逆向きの評価が得られる。n \geq 2に対して、整数\alpha_n

s_{\alpha_n-1} < n \leq s_{\alpha_n}

が成り立つように定める。このとき、⑥より

n > s_{\alpha_n-1} > c_6\alpha_n\log \alpha_n

であり、⑦より

\displaystyle \alpha_n \geq s_{\alpha_n}\sigma_{\alpha_n} > n\sigma_n > \frac{n}{(\log n)^{c_5}}

であることから(\alpha_nの定義とs_n > nから\alpha_n < nであることに注意)、

\displaystyle \alpha_n < \frac{c_7n}{\log \alpha_n} < \frac{c_7n}{\log n - c_5\log \log n} < \frac{c_8n}{\log n} ー⑧

が示された。これを元に、R_n(s_n)を次のように二分割する:

\displaystyle R_{n, 1}:=\sum_{2 \leq i \leq \frac{c_8n}{\log n}}\frac{\sigma_n}{\sigma_i}\left\{ \frac{\pi_{i-1}^{{\rm lucky}}(s_n)}{s_{i-1}}\right\} = O\left( \frac{n}{\log n} \right),

\displaystyle R_{n, 2}:=\sum_{\frac{c_8n}{\log n} < i \leq n}\frac{\sigma_n}{\sigma_i}\left\{ \frac{\pi_{i-1}^{{\rm lucky}}(s_n)}{s_{i-1}}\right\}.

\displaystyle \frac{c_8n}{\log n} < i \leq nなるiについては、⑧および①から

\pi_{i-1}^{{\rm lucky}}(s_n)=\pi_{\alpha_n}^{{\rm lucky}}(s_n)=n

が成り立つので、\sigma_n/\sigma_i1で押さえて、中括弧の部分は中括弧を外して評価することにより、⑥から

\displaystyle R_{n, 2} = O \left( \sum_{\frac{c_8n}{\log n} < i \leq n}\frac{n}{i\log i} \right) = O \left( \frac{n\log \log n}{\log n} \right)

を得る*2

以上より、R_n(s_n)=o(n)が示された。すなわち、

n=s_n\sigma_n + o(n)

が成り立つ。よって、

\displaystyle \frac{\sigma_{n+1}}{\sigma_n} = 1-\frac{1}{s_n}=1-\frac{\sigma_n}{n+o(n)}

であり、

\displaystyle \frac{1}{n+o(n)} = \frac{1}{n}+o\left( \frac{1}{n} \right)

に注意すれば、\rho_n=\sigma_n^{-1}に対して

\displaystyle \rho_{n+1}-\rho_n = \frac{\rho_{n+1}}{n\rho_n} + o\left( \frac{\rho_{n+1}}{n\rho_n} \right)

が成り立つ。

\displaystyle \frac{\rho_{n+1}}{\rho_{n}}=\frac{1}{1+o(1)} = 1+o(1)

でもあるので、

\displaystyle \rho_{n+1}-\rho_n = \frac{1}{n}+o\left(\frac{1}{n}\right) ー⑨

が得られた。調和数の記事で示したEuler定数の存在から

\displaystyle \sum_{i=1}^{n}\frac{1}{i} \sim \log n

が成り立つので、⑨に対して望遠鏡和を取れば

\rho_n \sim \log n

が示されたことになる。こうして、

s_n=\rho_n (n+o(n) )\sim n\log n

が証明された。 Q.E.D.


このようにラッキー数定理は驚くべきほど簡単に証明されるのですが、ラッキー数の分布の仕方に自然対数が現れるというのは、定義から考えると素数定理のときと同じく極めて神秘的であります。

証明を見ると、自然対数が現れるからくりを調和数が自然対数に漸近することに求めることができるので、やはり

\displaystyle \int_1^x\frac{dt}{t} = \log x

というのは美しいなあと感じます。

なお、\displaystyle \pi^{{\rm lucky}}(x) = \lim_{n \to \infty}\pi_n^{{\rm lucky}}(x)x以下のラッキー数の個数とすれば、

\displaystyle \pi^{{\rm lucky}}(x) \sim \frac{x}{\log x}, \quad x \to \infty

が成り立つことは
integers.hatenablog.com
 
でやったのと全く同様にして示せます。

ラッキー数に関する予想

素数定理の類似としてラッキー数定理の証明を紹介しました。素数のときに色々考えてきたことを逐一ラッキー数に対しても考えることは面白いと思いますが、Goldbach予想の類似物が予想されています。すなわち、

予想 任意の正の偶数は二つのラッキー数の和として表すことができるであろう(s_1=1を採用)。

他にも、差が2であるようなラッキー数のペアを双子ラッキー数と呼べば、双子ラッキー素数予想*3が出来上がります。

次のような未解決問題もあります:

Ulamの予想 n\geq 3ならば、s_n > p_nが成り立つであろう。

これは十分大きいnに対しては証明されています。

また、ラッキー数かつ素数であるようなものをラッキー素数と言い、ラッキー素数が無数に存在するかは未解決です。


1000以下のラッキー素数:

\begin{align}&3, 7, 13, 31, 37, 43, 67, 73, 79, 127, 151, 163, 193, 211, 223, 241, 283, 307, 331, 349, 367,\\ &409, 421, 433, 463, 487, 541, 577, 601, 613, 619, 631, 643, 673, 727, 739, 769, 787, 823,\\ &883, 937, 991, 997\end{align}

ラッキー数最初の300個

s_{1}= 1
s_{2}= 3
s_{3}= 7
s_{4}= 9
s_{5}= 13
s_{6}= 15
s_{7}= 21
s_{8}= 25
s_{9}= 31
s_{10}= 33
s_{11}= 37
s_{12}= 43
s_{13}= 49
s_{14}= 51
s_{15}= 63
s_{16}= 67
s_{17}= 69
s_{18}= 73
s_{19}= 75
s_{20}= 79
s_{21}= 87
s_{22}= 93
s_{23}= 99
s_{24}= 105
s_{25}= 111
s_{26}= 115
s_{27}= 127
s_{28}= 129
s_{29}= 133
s_{30}= 135
s_{31}= 141
s_{32}= 151
s_{33}= 159
s_{34}= 163
s_{35}= 169
s_{36}= 171
s_{37}= 189
s_{38}= 193
s_{39}= 195
s_{40}= 201
s_{41}= 205
s_{42}= 211
s_{43}= 219
s_{44}= 223
s_{45}= 231
s_{46}= 235
s_{47}= 237
s_{48}= 241
s_{49}= 259
s_{50}= 261
s_{51}= 267
s_{52}= 273
s_{53}= 283
s_{54}= 285
s_{55}= 289
s_{56}= 297
s_{57}= 303
s_{58}= 307
s_{59}= 319
s_{60}= 321
s_{61}= 327
s_{62}= 331
s_{63}= 339
s_{64}= 349
s_{65}= 357
s_{66}= 361
s_{67}= 367
s_{68}= 385
s_{69}= 391
s_{70}= 393
s_{71}= 399
s_{72}= 409
s_{73}= 415
s_{74}= 421
s_{75}= 427
s_{76}= 429
s_{77}= 433
s_{78}= 451
s_{79}= 463
s_{80}= 475
s_{81}= 477
s_{82}= 483
s_{83}= 487
s_{84}= 489
s_{85}= 495
s_{86}= 511
s_{87}= 517
s_{88}= 519
s_{89}= 529
s_{90}= 535
s_{91}= 537
s_{92}= 541
s_{93}= 553
s_{94}= 559
s_{95}= 577
s_{96}= 579
s_{97}= 583
s_{98}= 591
s_{99}= 601
s_{100}= 613
s_{101}= 615
s_{102}= 619
s_{103}= 621
s_{104}= 631
s_{105}= 639
s_{106}= 643
s_{107}= 645
s_{108}= 651
s_{109}= 655
s_{110}= 673
s_{111}= 679
s_{112}= 685
s_{113}= 693
s_{114}= 699
s_{115}= 717
s_{116}= 723
s_{117}= 727
s_{118}= 729
s_{119}= 735
s_{120}= 739
s_{121}= 741
s_{122}= 745
s_{123}= 769
s_{124}= 777
s_{125}= 781
s_{126}= 787
s_{127}= 801
s_{128}= 805
s_{129}= 819
s_{130}= 823
s_{131}= 831
s_{132}= 841
s_{133}= 855
s_{134}= 867
s_{135}= 873
s_{136}= 883
s_{137}= 885
s_{138}= 895
s_{139}= 897
s_{140}= 903
s_{141}= 925
s_{142}= 927
s_{143}= 931
s_{144}= 933
s_{145}= 937
s_{146}= 957
s_{147}= 961
s_{148}= 975
s_{149}= 979
s_{150}= 981
s_{151}= 991
s_{152}= 993
s_{153}= 997
s_{154}= 1009
s_{155}= 1011
s_{156}= 1021
s_{157}= 1023
s_{158}= 1029
s_{159}= 1039
s_{160}= 1041
s_{161}= 1053
s_{162}= 1057
s_{163}= 1087
s_{164}= 1093
s_{165}= 1095
s_{166}= 1101
s_{167}= 1105
s_{168}= 1107
s_{169}= 1117
s_{170}= 1123
s_{171}= 1147
s_{172}= 1155
s_{173}= 1167
s_{174}= 1179
s_{175}= 1183
s_{176}= 1189
s_{177}= 1197
s_{178}= 1201
s_{179}= 1203
s_{180}= 1209
s_{181}= 1219
s_{182}= 1231
s_{183}= 1233
s_{184}= 1245
s_{185}= 1249
s_{186}= 1251
s_{187}= 1261
s_{188}= 1263
s_{189}= 1275
s_{190}= 1281
s_{191}= 1285
s_{192}= 1291
s_{193}= 1303
s_{194}= 1309
s_{195}= 1323
s_{196}= 1329
s_{197}= 1339
s_{198}= 1357
s_{199}= 1365
s_{200}= 1369
s_{201}= 1387
s_{202}= 1389
s_{203}= 1395
s_{204}= 1401
s_{205}= 1417
s_{206}= 1419
s_{207}= 1435
s_{208}= 1441
s_{209}= 1455
s_{210}= 1459
s_{211}= 1471
s_{212}= 1473
s_{213}= 1485
s_{214}= 1491
s_{215}= 1495
s_{216}= 1497
s_{217}= 1501
s_{218}= 1503
s_{219}= 1519
s_{220}= 1533
s_{221}= 1543
s_{222}= 1545
s_{223}= 1563
s_{224}= 1567
s_{225}= 1575
s_{226}= 1579
s_{227}= 1585
s_{228}= 1587
s_{229}= 1597
s_{230}= 1599
s_{231}= 1611
s_{232}= 1639
s_{233}= 1641
s_{234}= 1645
s_{235}= 1659
s_{236}= 1663
s_{237}= 1675
s_{238}= 1693
s_{239}= 1701
s_{240}= 1705
s_{241}= 1711
s_{242}= 1723
s_{243}= 1731
s_{244}= 1737
s_{245}= 1749
s_{246}= 1765
s_{247}= 1767
s_{248}= 1771
s_{249}= 1773
s_{250}= 1777
s_{251}= 1797
s_{252}= 1801
s_{253}= 1809
s_{254}= 1819
s_{255}= 1827
s_{256}= 1831
s_{257}= 1833
s_{258}= 1839
s_{259}= 1857
s_{260}= 1869
s_{261}= 1879
s_{262}= 1893
s_{263}= 1899
s_{264}= 1915
s_{265}= 1921
s_{266}= 1923
s_{267}= 1933
s_{268}= 1941
s_{269}= 1945
s_{270}= 1959
s_{271}= 1963
s_{272}= 1965
s_{273}= 1977
s_{274}= 1983
s_{275}= 1987
s_{276}= 1995
s_{277}= 2001
s_{278}= 2019
s_{279}= 2023
s_{280}= 2031
s_{281}= 2053
s_{282}= 2059
s_{283}= 2065
s_{284}= 2067
s_{285}= 2079
s_{286}= 2083
s_{287}= 2085
s_{288}= 2095
s_{289}= 2113
s_{290}= 2115
s_{291}= 2121
s_{292}= 2125
s_{293}= 2127
s_{294}= 2133
s_{295}= 2163
s_{296}= 2173
s_{297}= 2187
s_{298}= 2209
s_{299}= 2211
s_{300}= 2215

*1:そんな言葉ないかもしれません笑。

*2:最後の計算はアーベルの総和法の漸近公式5をもう少し精密に見れば分かる。大体

\begin{align}\log \log n-\log\log \frac{n}{\log n} &= \log \log n- \log \left\{ \log n \left( 1-\frac{\log \log n}{\log n} \right) \right\}\\ &= - \log  \left( 1-\frac{\log \log n}{\log n}\right) = O\left( \frac{\log \log n}{\log n} \right)\end{align}
なる計算で\displaystyle \frac{\log \log n}{\log n}が出てくることが分かる。実際には非本質的な定数が色々つくが、同じである。

*3:「双子ラッキー素数は無数に存在するであろう」という予想。