平方剰余と三角関数
とを相異なる奇素数とする。このとき、をLegendre記号として、
が成り立つ。この式から相互法則
が得られる。
4乗剰余とレムニスケート関数
は前節では円周率、この節ではprimaryなガウス素数とする。ここで、primaryとは を満たすことを意味し、ノルム が奇数であるガウス素数に対しては、primaryな同伴数が一意的に存在する。
は と異なるもう1つのprimaryなガウス素数とする。
を4乗剰余記号とする。すなわち、 を満たす。
をレムニスケート周率とし、を lemniscate sine とする。
を の完全代表系から の元を抜いて(1つ)、そのサイズを にし、どの2つの元も互いに同伴でないようにした集合とする(1つとって固定。元の数は )。も同様にとる。
このとき、計算ミスなどの可能性がまだ残っているけれども、
が成り立つと思われる。この式から相互法則
が得られる。
疑問
最初の式は を用いると
と書き換えられるが、符号を換えた
は -長方形のドミノタイリングの個数に一致することがKasteleyn, Temperley-Fisherによって示されている。そして、自体も-長方形のドミノタイリングの言葉で記述できることが最近Kamio-Koizumi-Nakazawaによって指摘された。
それでは、[KKN, Question 1.2]を受けて、4乗剰余記号をレムニスケート関数で記述した上の式に(必要に応じて の導関数や lemniscate cosine に置き換えた上で)符号の調整を施して、何かの組合せ的対象に結びつけることは可能か?
実験
を虚数単位とする。
primaryなGauss素数1: , Norm ,
primaryなGauss素数2: , Norm ,
primaryなGauss素数3: , Norm ,
primaryなGauss素数4: , Norm ,
primaryなGauss素数5: , Norm ,
上の公式で数値計算すると、次は確からしい。
と定義すると、コンピューターを使った計算での出力値から次が予想される(正しくない可能性あり)
のように思われる。
Koizumi氏からのコメント: 有理性はGalois作用からわかるかも。このように色々modifyされた式の値に意味のある数列が現れると面白いのだが。。理論方面、実験方面双方から何らかの現象を見出したい。
とおいても、より数値が複雑?
参考文献
多数参考にしていますが、取り急ぎのメモのため、後ほど書き加えるということで許してください。
くさだんご氏のtweetにより、以下の論文がより一般的な相互法則を扱っていそうですが、まだ読んでいません。
T. Kubota, Anwendung Jacobischer Thetafunktionen auf die Potenzreste Nagoya Mathematical Journal 19 (1961), 1-13.