より大きい無平方な整数を用いてと表されるとき、のことを虚二次体と言います。
一般に有限次代数体に対して、その分数イデアル全体のなす群および単項分数イデアル全体のなす群が定まり、のことをのイデアル類群と言います。イデアル類群は有限群であり、をの類数と言います。
これらの用語に馴染みのない方はtsujimotter氏の記事
tsujimotter.hatenablog.com
を読めば大分感覚を掴めるかもしれません。
このトピックも大変豊かで面白い数の性質をたくさん提供してくれます。この記事ではとりあえず、虚二次体の類数に関する数表を証明抜きで眺めてみましょう。虚二次体の判別式を
と定義します。
Baker-Starkの定理1 類数がとなるような虚二次体は9つのみであり、である。これら9つの数をHeegner数という。
特に最大のHeegner数は魅力的です。に関わる様々な性質の根源的理由がHeegner数であるからということは多いです。
Baker-Starkの定理2 類数がとなるような虚二次体は18個のみであり、である。
このような方向性では、Watkinsによって類数が以下の虚二次体が次のように全て分類されています:
類数 (16個)
類数 (54個)
類数 (25個)
類数 (51個)
類数 (31個)
類数 (131個)
類数 (34個)
類数 (87個)
類数 (41個)
類数 (206個)
類数 (37個)
類数 (95個)
類数 (68個)
類数 (322個)
類数 (45個)
類数 (150個)
類数 (47個)
類数 (350個)
類数 (85個)
類数 (139個)
類数 (68個)
類数 (511個)