を約数総和関数とするとき、が成り立つような正整数のことを完全数というのでした:
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をの正の約数とするとき、が基準約数であるとは、とが互いに素であることと定義します。
例) なので、やはの基準約数ではないが、やはの基準約数である。
の類似として、の基準約数の総和をと定義します。
例)の基準約数はなので、が成り立つ。
であり、についてはと素因数分解することによって
が成り立つことが分かります(約数の素因数の指数がより小さいとそれは基準約数ではない)。よって、は乗法的関数です*1。
この基準約数という概念を用いて、基準完全数が定義されます:
定義 正の整数が基準完全数であるとは、が成り立つときにいう。
知られている基準完全数は全部で五個です。
一つ目
二つ目
三つ目
四つ目
五つ目
基準完全数は有限個しかないと思われていますが、未解決問題です。一方、奇数の基準完全数が存在しないことは簡単に証明できます:
定理 奇数であるような基準完全数は存在しない。
証明. 奇数の基準完全数が存在したと仮定する。と素因数分解されているとすると、
が成り立つ。は奇数なので、左辺はで割り切れるがでは割り切れない*2。は偶数なので、でなければならないことがわかった。すると、
ということになるが、それはと言っていて矛盾。 Q.E.D.