この記事では正の整数のことを自然数と呼ぶことにします。記事
で証明したEuler-Legendreの定理を思い出します。
定理 (Euler, Legendre) 方程式が整数解を持てば、またはが成り立つ。
今回はこの定理から簡単にわかる帰結を紹介します。次の定理は以前紹介した
とは対照的な結果です。
定理 自然数の立方数であるような三角数はしか存在しない。
証明. 自然数の立方数であるような三角数が存在すれば、自然数を用いて
が成り立つ。が偶数であれば、とおいて
となる。であるから、自然数が存在してが成り立つ。つまり、
が成り立つので、Euler-Legendreの定理に矛盾する。よって、は奇数であり、自然数を用いてと書く。すると、
であり、であるから、自然数が存在してが成り立つ。つまり、
が成り立つので、Euler-Legendreの定理より、すなわちでなければならない。 Q.E.D.
このことから、Catalan予想の非常に弱い場合が証明できます。Catalan予想については
を参照してください。
定理 が自然数解を持つならばである。
証明. が自然数解を持ったと仮定する。もし、が偶数であれば、なので、
から、自然数が存在して、すなわち、
が成り立つので、が得られる。これは明らかに起こりえない。よって、は以上の奇数であり、は偶数なので、自然数を用いてと書ける。このとき、
は
と書き直せ、が従う。これはを意味する。 Q.E.D.