次の古典的Diophantus方程式を紹介します。
これはFermatの最終定理の指数がの場合の方程式
のに係数をつけたものになっています。Fermatの最終定理の形の方が綺麗に感じるかもしれませんが、はであればが等差数列をなすことと同じことなので、Euler-Legendreの定理はタイトルに書いたような興味深い結果と考えられます(の場合はと潰れている場合で(長さではない)、の場合はという等差数列に対応し、自明な等差数列とみなします)。
さて、定理の証明については現代的には曲線が楕円曲線と同型であり、この楕円曲線のMordell-Weil群を計算するととなるというのが筋がよいのだと思われます。
また、Eulerはのときにとった手法で証明したらしく(記事
の付録3参照)、大塚美紀生氏による解説記事があります。一方、私の書いた最終定理の記事の付録2のような初等的証明も知られており、Wakuliczによって1957年に与えられたものをこの記事では紹介したいと思います。証明は同じく初等的に証明された
に帰着します。正の整数のことを自然数と呼ぶことにします。
なお、と一般化()しても非自明解を持たないことはDarmon-Merelによって1997年にWilesによる手法で証明されています。
Euler-Legendreの定理の証明
整数解であって、なるものが存在したと仮定して矛盾すればよい。と仮定してよい。理由: として、整数を用いてと書く。このとき、であり、これはを意味する。よって、整数を用いてと書くと、となり、という状況になる。 はともに奇数なので、は偶数である。よって、であり、, であることからがわかる。
を整理すると
を得る。よりに注意すると、仮定より
である。
の場合: からなので、素因数分解の一意性より整数が存在して
と書ける。このとき、なので、
が成り立つ。とおくと、よりである。
より、であり、自然数を用いてと書くと
を得る。これよりであり、整数を用いてと書く。今、なので、はでは割り切れない。よって、である。整数を用いてと書けば
となる。だったので、であり、である。よって、に注意して、自然数が存在して
が成り立つ。であったので、方程式が自然数解を持つことになり、これは矛盾である。
のとき: よりであり、整数を用いてと書く。よりなので、整数を用いてと書くと、
が得られる。よりであり、整数を用いてと書くと
を得る。よりなので、であり、なる整数が存在して
と書ける。よりであり、
より、とおくと、で
よりであり、なので、である。に注意すると、自然数が存在して
が成り立つ。すなわち、
であり、これは方程式が自然数解を持つことになって矛盾する。
以上で定理の証明が完了する。 Q.E.D.