インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

945:二重階乗

945=9\times 7\times 5\times 3\times 19の二重階乗であり、9!!と表します。

階乗については以下の記事を参照してください。
integers.hatenablog.com

定義 自然数nに対し、二重階乗n!!
n!! := n\times (n-2)\times \cdots \times 4 \times 2 (nが偶数のとき),
n!! := n\times (n-2)\times \cdots \times 3 \times 1 (nが奇数のとき)
と定義する。便宜上、0!!:=1とする。

二重階乗の値をいくつか見てみましょう:

\begin{align} 0!!&=1 \\
2!!&=2, \\ 
4!!&=8, \\
6!!&=48, \\
8!!&=384, \\
10!!&=3840, \\
12!!&=46080, \\
14!!&=645120, \\
16!!&=10321920, \\
18!!&=185794560, \\
20!!&=3715891200, \\
22!!&=81749606400, \\
24!!&=1961990553600, \\
26!!&=51011754393600, \\
28!!&=1428329123020800, \\
30!!&=42849873690624000, \\
32!!&=1371195958099968000, \\
34!!&=46620662575398912000, \\
36!!&=1678343852714360832000, \\
38!!&=63777066403145711616000, \dots \end{align}


\begin{align}
1!!&=1, \\
3!!&=3, \\
5!!&=15, \\
7!!&=105, \\
9!!&=945, \\
11!!&=10395, \\
13!!&=135135, \\
15!!&=2027025, \\
17!!&=34459425, \\
19!!&=654729075, \\
21!!&=13749310575, \\
23!!&=316234143225, \\
25!!&=7905853580625, \\
27!!&=213458046676875, \\
29!!&=6190283353629375, \\
31!!&=191898783962510625, \\
33!!&=6332659870762850625, \\
35!!&=221643095476699771875, \\
37!!&=8200794532637891559375, \dots \end{align}

なお、二重階乗は階乗を用いて書くことができます:

\displaystyle (2n)!!=2^nn!, \ (2n-1)!!=\frac{(2n+1)!}{(2n+1)(2n)!!}=\frac{(2n)!}{2^nn!}.

二重階乗が出てくる最も有名な例は次の定積分ではないでしょうか:

定理 nを自然数とする。このとき、
\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^{2n}xdx =\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^{2n}xdx = \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\cdot \frac{\pi}{2} = \frac{(2n)!}{4^nn!^2}\cdot \frac{\pi}{2}
\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^{2n-1}xdx =\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^{2n-1}xdx = \frac{(2n-2)!!}{(2n-1)!!}=\frac{4^{n-1}}{n\binom{2n-1}{n-1}}
が成り立つ.

証明. \displaystyle I_n := \int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^nxdxとする。このとき、変数変換\displaystyle x\mapsto \frac{\pi}{2}-xを考えることによって、\displaystyle I_n = \int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^nxdxとなることに注意する。n\geq 2として部分積分を実行すると、

\displaystyle \begin{equation}\begin{split}
I_n &= \Bigl[ -\cos x\sin^{n-1}x \Bigr]_0^{\frac{\pi}{2}} + (n-1)\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos^2x\sin^{n-2}xdx \\
&= (n-1)\int_0^{\frac{\pi}{2}}(1-\sin^2x)\sin^{n-2}xdx = (n-1)I_{n-2}-(n-1)I_{n}
\end{split}\end{equation}

が得られる。よって、\displaystyle I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}なる漸化式が得られた。\deltanが偶数のときはI_0=\pi /2nが奇数のときはI_1=1と定めると、漸化式を繰り返し用いることにより、\displaystyle I_n = \frac{(n-1)!!}{n!!}\deltaが得られる。 Q.E.D.