問題 (すむーずぷりんちゃん) を以上の整数とし、とおく。このとき、の多項式として次の整除関係が成り立つことを示せ:
偶数,
奇数.
【証明求む】
— すむーずぷりんちゃん🍮 (@mat_der_D) 2017年6月15日
Σ k^m の計算をしていたら、画像のような法則性を見つけました。数学の腕に自信がある方、証明して(または反例を示して)教えてください。 #拡散希望 #数学 pic.twitter.com/ovJVAyGrJL
これは冪乗和についての法則で、数学的帰納法などを使って巧みに解くことができますが、この記事では冪乗和の公式を使えばベルヌーイ多項式の母関数から簡単に証明できるということを確認します。
冪乗和の公式
をの多項式として明示的に表すことは古典的な問題で、次のような形で解決していました:
冪乗和の公式 次の等号が成り立つ:
ここで、及びはそれぞれ関-Bernoulli数、Bernoulli多項式と呼ばれるもので、これらについては関-ベルヌーイ数 - INTEGERSで復習できます。これらの対象は母関数表示
によって定義されるのでした。更に、が以上の奇数であれば であったことを思い出しておきます。
示すべきこと
以下、多項式の変数をとして記述することにします:
なので、示すべきことは次のようになります。
問題の言い換え(その一) を以上の整数とする。このとき、常にであり、が偶数ならばが奇数ならばが成り立つ。ここで、はに関する微分。
従って、冪乗和の公式を使えば問題は更に次のように言い換えられます:
問題の言い換え(その二) を以上の整数とする。このとき、常にであり、が偶数ならばが奇数ならばが成り立つ。
こうして、問題はBernoulli多項式及びその微分の特殊値を計算する(だけの)問題に変身しました。
計算の実行
問題の言い換え(その二)は母関数を用いれば簡単に証明できるので、片付けてしまいましょう。
の証明.
の証明.
が偶数ならばであることの証明. が偶関数であることを示せばよい。
なので、
の証明.
なので、
が成り立つ。よって、が以上の奇数であれば
以上でこの記事を終わります。