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INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

314:半素数

314は100番目の半素数です。

定義 ちょうど二つの素数の積として表される自然数のことを半素数という(二つの素数は等しくてもよい)。

「~素数」という名称でありながら素数でないものの一例でもあります。

半素数最初の100個

\begin{align}&4, 6, 9, 10, 14, 15, 21, 22, 25, 26, 33, 34, 35, 38, 39, 46, 49, 51, 55, 57, 58, 62, 65, 69, 74, 77, \\
&82, 85, 86, 87, 91, 93, 94, 95, 106, 111, 115, 118, 119, 121, 122, 123, 129, 133, 134, 141, 142, \\
&143, 145, 146, 155, 158, 159, 161, 166, 169, 177, 178, 183, 185, 187, 194, 201, 202, 203, 205, \\
&206, 209, 213, 214, 215, 217, 218, 219, 221, 226, 235, 237, 247, 249, 253, 254, 259, 262, 265, \\
&267, 274, 278, 287, 289, 291, 295, 298, 299, 301, 302, 303, 305, 309, 314\end{align}

x以下の半素数の個数を\pi_{\text{半}}(x)とすると漸近公式は次のようになります:

半素数の個数に関する漸近公式 x \to \inftyにおいて、漸近公式
\displaystyle \pi_{\text{半}}(x) \sim \frac{x\log \log x}{\log x}
が成り立つ。

これはより一般的な定理の証明を紹介しています: 相異なるr個の素数の積で表されるような数の個数に関するランダウの定理 - INTEGERS

半素数に対する個数関数については次の等式が成り立ちます(和に現れるpは素数を表します)。

補題 x > 0とする。このとき、
\displaystyle \pi_{\text{半}}(x) = \sum_{p \leq \sqrt{x}}\left( \pi\left( \frac{x}{p} \right) - \pi (p)+1 \right).

証明. 例えば25以下の半素数の個数を調べたければ、\sqrt{25}=5以下の素数2, 3, 5毎に分けて

\displaystyle 2\times 2, \ 2\times 3, 2\times 5, 2\times 7, 2\times 11

\displaystyle 3\times 3, 3\times 5, 3\times 7

\displaystyle 5\times 5

9個とカウントすることができる。この例を見れば証明は分かったも同然である。 Q.E.D.