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INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

ベルトランの仮説と素数定理に関するエルデシュの証明

Bertrandの仮説の主張は次のようなものでした。

Bertrandの仮説 (1845) 任意の自然数nに対して、n < p \leq 2nを満たすような素数 p が少なくとも一つ存在する。

ベルトランの仮説 - INTEGERS

Bertrandの仮説で考察している区間(n, 2n]\varepsilon > 0に対する(n, (1+\varepsilon)n]に拡張することを考えたとき、次の定理が成立します。

定理1 任意の\varepsilon > 0に対してn_0(\varepsilon)が存在して、n\geq n_0(\varepsilon)であればn < p \leq (1+\varepsilon)nを満たすような素数pが少なくとも一つ存在する。

ただし、n_0(\varepsilon)の存在性のみを保証しているこの定理はBertrandの仮説の完全な一般化ではありません。Bertrandの仮説はn_0(1)=1と取れることまで主張しています。

n_0(\varepsilon)として取り得る最小の整数値を考えることにしたとき、幾つかの\varepsilonに対するn_0(\varepsilon)が歴史的に求められてきました。

例えば、

J. Nagura, On the interval containing at least one prime number, Proc. Japan Acad. Ser. A 28 (1952), 177–181.

ではn_0(1/5)=25が示されています。また、仮面ライダービルドの第48話ではn_0(1/8)=48が紹介されています。Dusartの結果を利用して、ここでは次の定理を紹介しておきます。

定理 (Dusart) n_0(1/100)=2479である。

証明. Dusart

P. Dusart, The kth prime is greater than k(\log k + \log \log k − 1) for k \geq 2, Math. Comp. 68 (1999), 411–415.

x \geq 3725であれば

\displaystyle x \leq p \leq x\left(1+\frac{1}{2\log^2x}\right)

の間に少なくとも一つは素数が存在することが示されており、1+\frac{1}{2\log^23275}=1.0076...であることからn_0(0.01) \leq 3275であることがわかる。2478\times 1.01の整数部分は2502であるが、2477の次の素数は2503なので、n_0(0.01) \geq 2479でなければならない。あとは素数列

\begin{align} &2503, 2521, 2543, 2557, 2579, 2593, 2617, 2633, 2659, 2683, 2707,\\ 
&2731, 2753, 2777, 2803, 2819, 2843, 2861, 2887, 2909, 2927, 2953, \\
&2971, 2999, 3023, 3049, 3079, 3109, 3137, 3167, 3191, 3221, 3251, \\
&3271, 3299\end{align}

をみればn_0(0.01)=2479が確定する。 Q.E.D.

さて、定理1は十分大きいnに対して区間(n, (1+\varepsilon)n]が少なくとも一つの素数を含むことを主張していますが、より強く任意の正整数kについて、十分大きいnに対して区間(n, (1+\varepsilon)n]が少なくともk個の素数を含むこともいえます。実際、次が成り立ちます。

定理2 任意の\varepsilon > 0に対して或る\delta(\varepsilon) > 0, x_0(\varepsilon) > 0が存在して、x \geq x_0(\varepsilon)であれば
\displaystyle \pi\left( (1+\varepsilon)x\right)-\pi(x) > \frac{\delta(\varepsilon)x}{\log x}
が成り立つ。ここで、\pi(x)は素数個数関数。

この定理自体は素数定理から即座に従いますが、素数定理の初等的証明と深い関係があります。

素数定理の初等的証明(予告編) - INTEGERS

において素数定理の初等的証明に関するSelbergとErdősの関係について少し解説しました。彼らの論文に記載の内容をもとに、もう少し詳細に述べると

  1. SelbergがSelbergの漸近公式を証明
  2. ErdősがSelbergの漸近公式を用いた定理2の証明を発見
  3. そのErdősのアイデアとSelbergの漸近公式と定理2を用いてSelbergが最初の素数定理の初等的証明に成功
  4. Selbergが定理2の証明を簡略化
  5. Erdős-Selbergが素数定理の初等的証明を簡略化(証明のアイデアは必要であるが、定理2は不要となる)
  6. Selbergは上(下)極限の概念の使用も排除したSelbergの漸近公式からの素数定理の新しい導出法を発見
  7. 二人は独立に論文を出版(!!)

のようになっているようです。6. のSelbergによる証明は上記記事において既に解説しました。この記事では

P. Erdős, On a new method in elementary number theory which leads to an elementary proof of the prime number theorem, Proc. Nat. Acad. Scis. U.S.A. 35 (1949), 374–384.

に基づいて、2. の証明を解説しようと思います*1

Erdősによる定理2の証明

漸近挙動は原則x \to \inftyで考える。\vartheta(x)をChebyshev関数とするとき、ここで使用した不等式を利用することによって定理2は次の定理と同値であることがわかる。

定理3 任意の\varepsilon > 0に対して或る\delta(\varepsilon) > 0, x_0(\varepsilon) > 0が存在して、x \geq x_0(\varepsilon)であれば
\displaystyle \vartheta\left( (1+\varepsilon)x\right)-\vartheta(x) > \delta(\varepsilon)x
が成り立つ。

次の二つの事実は前提知識として用いる。

Chebyshevの定理 \displaystyle 0 < \liminf_{x \to \infty}\frac{\vartheta(x)}{x} \leq \limsup_{x \to \infty}\frac{\vartheta(x)}{x} \leq 1.5 が成り立つ。実際、全てのx \geq 2に対して\vartheta(x) \leq 1.5xが成り立つ。

証明. チェビシェフの定理 - INTEGERS Q.E.D.

Selbergの漸近公式 次の漸近公式が成り立つ。
\displaystyle \sum_{p \leq x}\log^2 p+\sum_{pq \leq x}\log p\log q=2x\log x+O(x).

証明. 素数定理の初等的証明(Selbergの漸近公式編) - INTEGERSにおける(1)である。 Q.E.D.

補題1 x_2 > x_1に対して
\vartheta(x_2)-\vartheta(x_1) \leq 2(x_2-x_1) + O\left(\frac{x_2}{\log x_2}\right)
が成り立つ。

証明. Selbergの漸近公式から導出できる(ここを参照)。 Q.E.D.

以下、定理3を背理法で証明するため、或るc > 0が存在して、x \to \inftyという状態において

\vartheta\left( (1+c)x\right)-\vartheta(x)=o(x) \tag{1}

が成り立つようないくらでも大きいxが存在すると仮定する*2Cをこのようなcの上限とする。このとき、C < \inftyである。理由: Chebyshevの定理より、a, A>0が存在して、十分大きいxに対してax \leq \vartheta(x) \leq Axが成り立つ。このとき、

\displaystyle \vartheta\left( (1+\varepsilon)x\right)-\vartheta(x) \geq \{(1+\varepsilon)a-A\}x

が成り立ち、ある程度大きい\varepsilon > 0に対しては(1)の状況にできないことがわかる

実際には、Cは最大値として実現している。

補題2 x \to \infty
\displaystyle \vartheta\left( (1+C)x\right)-\vartheta(x) = o(x)
となるようないくらでも大きいxが存在する。

証明. \varepsilon' > 0を任意にとり、c > C-\frac{\varepsilon'}{2}かつ(1)を満たすようなcをとる。補題1と(1)より、いくらでも大きいxが存在して

\begin{align} \vartheta\left( (1+C)x\right) - \vartheta(x) &= \vartheta\left( (1+C)x\right)-\vartheta\left( (1+c)x\right)+\vartheta\left( (1+c)x\right)-\vartheta(x) \\
&\leq 2(C-c)x+o(x) < \varepsilon' x+o(x)\end{align}

が成り立つ。つまり、\vartheta\left( (1+C)x\right) - \vartheta(x) < 2\varepsilon'xとなるようなxが存在する。よって、\varepsilon'の任意性から結論が得られる。 Q.E.D.

補題3 補題2における無数のxについて、次の漸近公式が成り立つ。
\displaystyle \sum_{p \leq (1+C)x}\log p\left\{\vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p}\right)\right\}=2Cx\log x+o(x\log x)

証明. Selbergの漸近公式の差を取ることによって

\displaystyle \sum_{x < p \leq (1+C)x}\log^2 p+\sum_{x < pq \leq (1+C)x}\log p\log q = 2Cx\log x+o(x\log x)

が得られる。補題2より

\displaystyle \sum_{x < p \leq (1+C)x}\log^2 p \leq (1+C)\log x\left\{\vartheta\left( (1+C)x\right)-\vartheta(x)\right\}=o(x\log x)

であり、

\begin{align}\sum_{x < pq \leq (1+C)x}\log p\log q&=\sum_{p \leq (1+C)x}\log p\sum_{\frac{x}{p} < q\leq \frac{(1+C)x}{p}}\log q\\
&=\sum_{p \leq (1+C)x}\log p\left\{\vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p}\right)\right\}\end{align}

と変形できるので所望の漸近公式が示された。 Q.E.D.

これを利用して(1+C)x以下の素数をbad primeとgood primeに分ける。

補題4 補題2における無数のxを考える。(1+C)x以下の素数の集合をP_xとする。このとき、P_x=B_x \sqcup G_xと二分する集合B_x, G_xであって
\displaystyle \sum_{p \in B_x}\frac{\log p}{p} = o(\log x),\tag{2}
\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right) - \vartheta\left(\frac{x}{p}\right) = 2C\frac{x}{p}+o\left(\frac{x}{p}\right)\quad \text{for} \quad p \in G_x \tag{3}
を満たすようなものが存在する。

証明. 背理法で証明する。つまり、いくらでも大きいxが存在して、そのようなxについて、x \to \inftyという状況で、\frac{\log p}{p}の和がo(\log x)とならないだけ多くの(1+C)x以下の素数pに対して(3)の漸近公式が成り立たないとする。必要であればそのような素数達の部分集合をとることによって、或るA_x \subset P_x, b_1, b_2 > 0が存在して

\displaystyle \sum_{p \in A_x}\frac{\log p}{p} \sim b_1 \log x \tag{4}

および

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right) - \vartheta\left(\frac{x}{p}\right) < (2C-b_2)\frac{x}{p}\quad \text{for} \quad p \in A_x \tag{5}

が成り立つと仮定してよい( (3)の否定を考えて(5)で十分なことには補題1を用いている)。(4)とMertensの第一定理から

\displaystyle \sum_{p \in P_x \setminus A_x}\frac{\log p}{p} \sim (1-b_1)\log x \tag{6}

が成り立つため、補題1、(4)、(5)、(6)を用いると

\begin{align} &\sum_{p \leq (1+C)x}\log p\left\{\vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p}\right)\right\} \\
&=  \sum_{p \in A_x}\log p\left\{\vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p}\right)\right\}+ \sum_{p \in P_x \setminus A_x}\log p\left\{\vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p}\right)\right\} \\
&< b_1(2C-b_2)x\log x+2C(1-b_1)x\log x+o(x\log x) \\
&=(2C-b_1b_2)x\log x+o(x\log x)\end{align}

となって補題3に矛盾する。ここで、和\sum_{p \in P_x \setminus A_x}の部分に補題1を適用して得られる誤差項がo(x\log x)となることには以前証明した漸近公式を使えばよい。 Q.E.D.

補題5 t > 0を任意にとって固定する(いくらでも小さくてよい)。補題2における無数のxを考える。このとき、xが十分大きければ、補題4におけるG_xの元p_1 < p_2 < \cdots < p_kであって10p_1 < p_kおよび
(1+t)p_i < p_{i+1} < (1+C)(1+t)^2p_i \quad \text{for} \quad 1 \leq i \leq k-1
が成り立つようなものが存在する。

証明. 補題2で存在するxであって(適宜)十分大きいものを考える。また、B > 0を十分大きい数とする。0 \leq r \leq \left[\frac{\log x}{2\log B}\right]-1に対して、I_r:=(B^{2r}, B^{2r+1}) \subset (0, x)とする。このとき、rに依存しない或るc_1 > 0が存在して

\displaystyle \sum_{p \in I_r}\frac{\log p}{p} > c_1 \tag{7}

が成り立つ。理由:

\displaystyle \sum_{p \in I_r}\frac{\log p}{p} \geq \frac{1}{B^{2r+1}}\left\{\vartheta(B^{2r+1})-\vartheta(B^{2r})\right\}

であるが、Chebyshevの定理よりBが十分大きいことから\vartheta(By)-\vartheta(y) > c_1'yが十分大きいyに対して成立するので、c_1:=c_1'/Bと取れることがわかる

\displaystyle \#\{r \mid I_r \subset B_x\}=o(\log x) \tag{8}

である。理由: c_2 > 0に対して

\displaystyle \#\{r \mid I_r \subset B_x\} > c_2\log x

であれば、(7)より\displaystyle \sum_{p \in B_x}\frac{\log p}{p} > c_1c_2\log xとなって、(2)に矛盾する (8)より、少なくとも\frac{\log x}{4\log B}以上のrについてI_r \cap G_x\neq \varnothingである。そのようなrについてp_1^{(r)}I_r \cap G_xの最小素数とする。今、そのような全てのrについて

(1+t)p_i^{(r)} < p_{i+1}^{(r)} < (1+C)(1+t)^2p_i^{(r)} \tag{9}

1 \leq i \leq j-1で成り立つようなp_j^{(r)} \leq 10p_1^{(r)}であるG_xの元p_1^{(r)} < \cdots < p_j^{(r)}が存在するが、i=jで(9)が成立するようなp_{j+1}^{(r)}が存在しないと仮定しよう(jr依存)。このとき、

\displaystyle J^{(r)}:=\left[(1+t)p_j^{(r)}, (1+C)(1+t)^2p_j^{(r)}\right]

とするとJ^{(r)} \subset B_xである。z=(1+t)p_j^{(r)}とおくと、

\displaystyle \sum_{p \in J^{(r)}}\log p = \vartheta\left( (1+C)(1+t)z\right)-\vartheta(z)

であり、(1+C)(1+t) > 1+Cであるから、Cの最大性より或るc_3が存在して

\displaystyle \sum_{p \in J^{(r)}}\log p > c_3(1+C)(1+t)^2p_j^{(r)}

が成り立つ(c_3C, t以外には依存しない)。よって、

\displaystyle \sum_{p \in J^{(r)}}\frac{\log p}{p} > c_3 \tag{10}

が成り立つ。さて、p_j^{(r)} \leq 10p_1^{(r)} \leq 10B^{2r+1}および10(1+C)(1+t)^2 < B(とBをとっておくことに)より

(1+C)(1+t)^2p_j^{(r)} < B^{2r+2}

なので、J^{(r)} \subset (B^{2r}, B^{2r+2})である。よって、少なくとも\frac{\log x}{4\log B}以上のrr_1, r_2, \dotsについて、J^{(r_1)}, J^{(r_2)}, \dotsは重なりがない。従って、(10)より

\displaystyle \sum_{p \in B_x}\frac{\log p}{p} > \frac{c_3\log x}{4\log B}

が得られた。これは(2)から(十分大きいxについては)許容されていない。よって、背理法により主張が示された。 Q.E.D.

補題5の状況のxおよびp_1 < p_2 < \cdots < p_kをとる。\frac{x}{p_{i}} < (1+C)\frac{x}{p_{i+1}}であるようなiについては

\displaystyle \vartheta\left(\frac{x}{p_i}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right)=2\left(\frac{x}{p_i}-\frac{x}{p_{i+1}}\right)+o\left(\frac{x}{p_i}\right) \tag{11}

が成り立つ。理由: 成り立たないと仮定する。このとき、補題1よりd_1 > 0が存在して

\displaystyle \vartheta\left(\frac{x}{p_i}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right) < (2-d_1)\left(\frac{x}{p_i}-\frac{x}{p_{i+1}}\right) \tag{12}

となる。p_{i+1} \in G_xより

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_{i+1}}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right) = 2C\frac{x}{p_{i+1}}+o\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right)

なので、(12)と合わせて

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_{i+1}}\right) - \vartheta\left(\frac{x}{p_i}\right) > 2C\frac{x}{p_{i+1}}+o\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right)-(2-d_1)\left(\frac{x}{p_i}-\frac{x}{p_{i+1}}\right)

となる。d_2 > 0が存在して

\displaystyle 2C\frac{x}{p_{i+1}}-(2-d_1)\left(\frac{x}{p_i}-\frac{x}{p_{i+1}}\right) > (2+d_2)\left\{(1+C)\frac{x}{p_{i+1}}-\frac{x}{p_i}\right\} \tag{13}

が成り立てば補題1に矛盾する。(13)は

\displaystyle -d_1\frac{x}{p_{i+1}}+d_1\frac{x}{p_i} > d_2(1+C)\frac{x}{p_{i+1}}-d_2\frac{x}{p_i}

すなわち、

\displaystyle p_{i+1} > \left(1+\frac{d_2}{d_1+d_2}C\right)p_i

と同値である。p_{i+1} > (1+t)p_iなので、d_2を十分小さく取ればこれは成立する i=1に対する(11)とp_1 \in G_xより成立する式

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_1}\right)=2C\frac{x}{p_1}+o\left(\frac{x}{p_1}\right)

を組み合わせることにより、

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_2}\right) = 2\left\{(1+C)\frac{x}{p_1}-\frac{x}{p_2}\right\}+o\left(\frac{x}{p_1}\right) \tag{14}

が得られる。(1+C)\frac{x}{p_{i+1}} \leq \frac{x}{p_i}であるようなiについては

\displaystyle \vartheta\left(\frac{x}{p_i}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right)\geq 1.9\left(\frac{x}{p_i}-\frac{x}{p_{i+1}}\right) \tag{15}

が成り立つ。理由: p_{i+1} \in G_xなので

\displaystyle \vartheta\left(\frac{x}{p_i}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right) \geq \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_{i+1}}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right) =2C\frac{x}{p_{i+1}}+o\left(\frac{x}{p_{i+1}}\right)

と評価できる。よって、

\displaystyle 2C\frac{1}{p_{i+1}} > 1.9\left(\frac{1}{p_i}-\frac{1}{p_{i+1}}\right)

が成り立てばよいが、\frac{1}{p_i} < (1+C)(1+t)^2\frac{1}{p_{i+1}}なので

2C > 1.9(2t+t^2+C(1+t)^2)

がいえればよい。右辺はt \to 01.9Cに収束するので、十分小さいtについてこれは成立している i=1の場合の(15)にp_1 \in G_xより成立する式

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_1}\right) > 1.9C\frac{x}{p_1}

を合わせることによって

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right)-\vartheta\left(\frac{x}{p_2}\right) > 1.9\left\{(1+C)\frac{x}{p_1}-\frac{x}{p_2}\right\} \tag{16}

が得られる。(14)または(16)に(11)または(15)をtelescopingすると

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right) - \vartheta\left(\frac{x}{p_k}\right) > 1.9\left\{(1+C)\frac{x}{p_1}-\frac{x}{p_k}\right\} \tag{17}

を得る。10p_1 < p_kより

\displaystyle 1.9\left\{(1+C)\frac{x}{p_1}-\frac{x}{p_k}\right\} > 1.9(0.9+C)\frac{x}{p_1} > 1.6\frac{(1+C)x}{p_1}

なので(1.6/1.9=0.84...)、(17)より

\displaystyle \vartheta\left( (1+C)\frac{x}{p_1}\right) > 1.6(1+C)\frac{x}{p_1}

となる。これはChebyshevの定理に矛盾する。 Q.E.D.

*1:思いましたが、なんかめちゃくちゃ難しいです。補題1を適用したo(x/p)を使った議論は怪しいかもしれません(私が正確に理解できていないという意味)。

*2:正確にいうと、上に非有界な\mathbb{R}内の実数列x_1, x_2, \dotsが存在して、\displaystyle \lim_{n \to \infty}\frac{\vartheta\left( (1+c)x_n\right)-\vartheta(x_n)}{x_n}=0が成り立つということ。以下、同様の言い回しを行う。