Ramanujanの発見した魅力的な数列に関する記事第二弾です!
integers.hatenablog.com
前回はからまでの値を眺めましたが、今回は素数に限定して100個眺めてみましょう!
素数に対するの数値(最初の100個の素数)
いかがでしょう。ちなみに、この数値例を私は単純作業で書いているのですが書いていて心が洗われる思いでした。
さて、今回はに関するRamanujanの合同式を紹介します。
この合同式は数ある合同式の中でもとびきり美しいものだと感じます。この合同式を知ったときの驚きは今でも忘れません。今も感動しながらこの記事を書いています。
という単純な定義式からどうしてが浮かび上がるのでしょう。人はこの合同式を知って素数に特別の感情を抱かずにいられるでしょうか。
RamanujanのΔおよびが出現したのは
S. Ramanujan, On certain arithmetical functions, Trans. Cambridge Philos. Soc. 22 (9): (1916), 159–184.
です。しばらく、この論文の記法を用いていくつかの式をなぞってみましょう*1。
まず、
とします。このとき、であり、現在では ではなくが使われます。
次に、
とします。ここで、は
および
で定義され、はがの倍数の場合には
で定義されます(他の場合にも同様に定義されますが省略します)*2。は関-Bernoulli数ですが、絶対値をとっていることに注意します。このとき、Ramanujanは次の関係式を得ています:
これから
が得られます()。の値は半整数に対してはとします。この式においてを考えればRamanujanの合同式が得られます。
現代の記法で証明を読みたければ例えば岩波書店の「数論Ⅱ」に証明が載っていますし、tsujimotterさんの記事でも解説されているのでWeb上で読むこともできます:
tsujimotter.hatenablog.com
ですが、今回は証明は脇に置いておきましょう。
Ramanujanの合同式という非常に美しい合同式をもっと味わいたい!!
というわけで、最初の数値例でRamanujanの合同式が成立していることを全て確認することがこの記事の目的です:
素晴らしい。しかも、他の法則も見えてきませんか?例えば次が予測できると思います:
実際に、次の定理がLehmerによって証明されています:
のときだけの指数が大きい()ことが気になります(と言えばFermat素数)。
今回はここらへんにしてまた次回!