自然数の複雑度とは、足し算と掛け算と括弧の使用のみを許してをだけで表示するのに必要なの個数の最小値のことを言います。
例えば、との複雑度はです。
の複雑度をと表すことにしましょう。
Question1 という表示があるが、は一般に成り立つだろうか?
複雑度がとなるような最小の自然数をとすると、からは次のようになることが知られています*1:
数値観察としては、 を除くと全て素数です。また、については素数の倍です。
Question2 はを除いて全て素数だろうか?
更に、も素数が多い傾向がみられます。例えばではを除いて素数です。つまり、はSophie Germain素数を量産している可能性があります*2。
のことがよくわかっていないのに対して、複雑度がとなるような最大の自然数は決定されています。
定理(Selfridge) とする。このとき、である。
略証. 複雑度の定義から
–①
が成り立つことがわかる。明らかにであり、①を使えばがわかる。あとは①を利用してに関する数学的帰納法によって証明できる*3。 Q.E.D.
一般になので、と複雑度を取る操作を反復すると、有限回でなる不動点に到達します。不動点に到達するまでの回数がであるような最小のがからまでは知られています。それはすなわち次の六つの数です。
ちなみに、は素数。