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INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

方程式3^a+5^b-7^c=1

定理 (Leitner, 2011) 方程式
3^a+5^b-7^c=1
の非負整数解はa=b=c=0またはa=b=c=1のみである。

証明. まず、abc=0の場合を考える。a=0であれば 5^b=7^cとなり、b=c=0が従う。b=0のときも3^a=7^ca=c=0c=0なら3^a+5^b=2となって、大きさを考えればa=b=0。よって、以下 a, b, c \geq 1と仮定してよい。

さて、1\leq a, b, c \leq 12を満たす(a, b, c)であって

3^a+5^b-7^c \equiv 1 \pmod{1820} −①

が成り立つようなものが(a, b, c) = (1, 1, 1)しかないことは例えばコンピュータで確かめられる。3^n, 5^n, 7^n \pmod{1820}nについて長さ12の周期をもつ*1ので、合同式①を満たすような非負整数a, b, cは全て12で割った余りが1であることがわかった。

次に\bmod{341}で考える。今度は長さ30の周期を持つが*212との最小公倍数をとった長さ60で考えることにする。

1 \leq a, b, c \leq 60, \ a \equiv b \equiv c \equiv 1 \pmod{12}

を満たす(a, b, c)であって

3^a+5^b-7^c \equiv 1 \pmod{341} −②

が成り立つようなものはやはり(a, b, c) = (1, 1, 1)しかないことが確認できる。よって、合同式①、②を満たすような非負整数a, b, cは全て60で割った余りが1であることがわかった。

a \equiv b \equiv c \equiv 1 \pmod{60}なる非負整数(a, b, c)を考える。\bmod{50}で考えることにすると、3^a \equiv 3, \ 7^c \equiv 7 \pmod{50}である一方*3

5^1 \equiv 5, \ 5^2 \equiv 25, \ 5^3 \equiv 25, \dots \pmod{50}

であるから、3^a+5^b-7^c=1であれば b=1でなければならないことが示された。よって、

7^c-3^a = 4, \ a \equiv c \equiv 1 \pmod{60}

という状況となるが、最後に\bmod{9}を考えると、7^c \equiv 7 \pmod{9}である*4

3^1 \equiv 3, \ 3^2 \equiv 0, \ 3^3 \equiv 0, \dots \pmod{9}

であるから、a=1が従い、a=b=c=1が示された。 Q.E.D.

*1:例えば計算すれば確かめられる。ちなみに、Carmichael関数の値は\lambda(1820)=12, \ 1820 = 2^2\times 5\times 7 \times 13.

*2:\lambda(341)=30, \ 341=11\times 31.

*3:\lambda(50)=20, \ 50 = 2\times 5^2.

*4:\lambda(9)=6.