★ 以下の素数の個数を と表すとき,
が成り立つ.
1.1 この記事では2020年2月9日にarXivに投稿されたFlorian K. Richterの論文
A new elementary proof of the Prime Number Theorem, arXiv:2002.03255.
で提示された式の新しい証明の解説を試みる.
1.2 Richterはノースウェスタン大学の若い数学者で, 近年の数学上の大成果である "Erdős sumset conjecture" を解決した3人の数学者のうちの1人である:
J. Moreira, F. K. Richter, D. Robertson, A proof of the Erdős sumset conjecture, Annals of Mathematics, Volume 189 (2019), Issue 2, pp. 605-652.
Erdős sumset conjectureは次のような主張である:
1.3 Richterによる素数定理の新証明の流れを数学的厳密性を犠牲にしてここにラフに記述する.
Mertens関数の商がに漸近することを示したい(これが示されると素数定理が従う2.1).
証明全体においてキーとなるのは, よい条件を満たす, 自然数からなる2つの有限集合, の存在である(Richterの集合などと呼んでもよいかもしれない3.2).
はともに「その集合からランダムに2元を選んだとき, それらが互いに素である確率が非常に高い」という条件を満たし, ととではある種のパリティが異なるが, その個数分布は進的に連動している. ここで, はより少しだけ大きい数であり, 「個数分布が進的に連動する」とは, 任意の に対して が成り立つことをいう.
に対応する量およびに対応する量を定義することができるが, 「その集合からランダムに2元を選んだとき, それらが互いに素である確率が非常に高い」という条件から, 簡単な計算により
を導出できる. 「 ととではある種のパリティが異なる」ということから, に対する同様の計算結果は
となる(3.1, 3.6). 一方, 「との個数分布が進的に連動する」ことからは
が言える(3.7). 以上を組み合わせると
と素数定理が導かれる(3.11).
1.4 上記議論は素数定理の証明における新しい議論であり, Richterの集合の存在が確定した後の議論は初等的な不等式評価のみで実行される. Richterの集合の存在性には素数分布の情報が必要となるが, それはいわゆるChebyshevの定理で本質的に事足りる. 参考文献の[note]の言葉遣いでいけば第二世代のビッグ・オー不等式に対応し, 第三世代のビッグ・オー不等式であるSelbergの漸近公式([note]の定理7.2)は一切使わない真に新しい証明である. もちろんRiemannのゼータ関数および複素関数論も用いていない.
なお, Selbergの漸近公式に依らない初等的な素数定理の新証明は1984年にDaboussiによっても与えられているが, そのことも含めてRichterの論文の一ページ目に小気味好く解説されている.
松本先生の教科書『リーマンのゼータ関数』(朝倉書店)では
ただし, 初等的方法の効力は今のところ解析的方法には及ばないのであって, 初等的方法で得られる誤差項評価は現在最良のものでも定理3.1の古典的な誤差高評価にすら届かない.
という文があり, Selberg-Erdősの初等的証明の発見はそれなりの驚きと意義があったであろうけれども, 導出できる定理の強さの観点ではRiemannゼータ関数を用いる証明には劣っていると言えなくない. すると, 初等的証明を新たに発見することは単なる趣味のようなもので, 数学的意義が殆どないようにも思われるかもしれない.
しかしながら, 新しい証明にはそれまでの証明にはなかったポテンシャルが秘められている可能性があるのでその探求には常に意義があると私は思うし, Richterの証明の場合には既に応用が発見されている.
今回のRichterによる証明はSarnak予想とChowla予想に関連する近年の研究の発展にインスパイアされたものとのことで, 既に別の論文
V. Bergelson, F. K. Richter, Dynamical generalizations of the Prime Number Theorem and disjointness of additive and multiplicative semigroup actions, arXiv:2002.03498.
において同様の手法を用いて素数定理の力学系的, エルゴード理論的な一般化が与えられている. この意味でもRichterの素数定理の証明法を学んでおくことは今後この分野の研究の進展を追うためにも必須となるかもしれない.
Notation:
集合の元の個数をで表す.
: 自然数全体の集合. ただし, この記事では便宜上, 自然数は以上とする.
: 素数全体の集合.
: 相異なる個の素数の積として表されるような自然数全体のなす集合.
に対し, を表す.
集合の空でない有限部分集合および関数 に対して,
: Möbius関数.
: を超えない最大の整数.
および特定の近傍でを考える場合, "as " のような条件を添え字で明記する. に添え字が付いていない場合は考えている範囲全体で不等式が成立するものとする.
は集合の指示関数(特性関数).
はのとき, のときにを意味する.
: との最大公約数.
に対して、, .
References
[note] 次のページからダウンロードできるPDFファイルにおいてSelbergによる素数定理の初等的証明がまとめられているが, そこから幾つかの事実を引用することにする:
note.com
[A] T. M. Apostol, Introduction to Analytic Number Theory, Undergraduate Texts in Mathematics, Corrected fifth printing, Springer, 1998.
2.1 素数定理には多数の同値な主張があり, 通常そのものではなく, いずれかの同値な主張を選択してそれを証明することになる. Richterが選んだのは少なくともLandauに遡ることができる
だ. 読者の利便性を考えての証明を[A]から引っ張ってきてここに記しておこう.
2.2 に対して
が成立する.
ここで, は第二Chebyshev関数([note]の定義6.13), はの正の約数の総和, はEulerの定数([note]の命題5.4).
証明. 和におけるはの元をはしるものとする. まず,
が成り立つことに注意する. ここで, はvon Mangoldt関数([note]の定義6.9)で真ん中の等式は第二Chebyshev関数の定義に他ならない.
次に, 必要なら[note]の補題6.10を参照して
が成り立つが, それぞれにMöbiusの反転公式([note]の命題6.8)を適用することにより
を得る. 以上を組み合わせると
と計算でき, これから直ちに所望の等式に到達する. Q.E.D.
ここまで再チェック完了.
2.3 [note]の補題6.15よりは
と同値である. 従って, 2.2より, を示すためにはの仮定のもと
を示せばよいことがわかる.
2.4 に対して
が成り立つ.
証明. と変数変換して二重和の変形を行うことにより
を得る. [note]の命題5.4より
が成り立つので, 代入すればよい. Q.E.D.
2.5 (Dirichlet.) に対して
が成り立つ.
証明. まず,
と分割する.
なので,
を得る. 1つ目の和には[note]の命題5.4を, 2つ目には普通の和の公式を適用することにより
が示された. Q.E.D.
2.6 , とし, 関数 が
なる関係にあるとする. このとき,
が成り立つ. やはり, はの元を動いている.
証明. これは左辺を計算するために
および
を足し合わせると
が重複して足されるという話である. Q.E.D.
2.7 , として, 2.6を適用することを考える. まず,
が確認できる. ただし, を経由するので例えばとしておく.
証明. 2.6および[note]の命題5.3より
と計算できる. Q.E.D.
2.8 を満たすような実数を考える. 2.7および[note]の命題5.5より
が成り立つ. 以下, を任意にとり, を
が成り立つようにとる. はのみに依存し, には依存しないことに注意.
のみに依存する正の定数を
で定める. また, Mertens関数をで定め, 以下を仮定することにより
である. このとき, あるが存在して, ならば
が成り立つ. 以下, を仮定する. すると なので,
と評価できる.
最後に, であるが(に注意), このビッグ・オー係数はのものより小さいことから,
を得る. これと, 2.6, , を合わせることにより,
なる評価に到達した.
は任意であったから, 2.3の観点からの証明が完了となる.
2.9 の証明は若干長く感じられるかもしれない. ただし, この部分は古典的であり, Richterの論文で新しい視点で議論されているのはの証明の部分のみであることに注意. また, [note]の言葉で考えると, Selbergによる素数定理の証明が「第三世代のビッグ・オー不等式」まで必要となるのに対して, の証明は「第一世代のビッグ・オー不等式」しか用いないローテクなものである.
それではRichterの論文での議論に移ろう.
3.1 を空でない有限集合とする. このとき, 不等式
が成り立つ*1.
証明. Cauchy-Schwarzの不等式*2より
と評価できる. 2乗を展開すれば
と分解することができる*3.
なので*4, 和の順序を入れ替えることにより
がわかる*5.
とおけば
を得る. 不等式の両辺の平方根をとり, 右辺を, の得られた表示で整理し, 両辺のをとれば所望の不等式となる. Q.E.D.
次の命題が証明全体におけるキーであり, 良い性質を持つ2つの集合の存在を主張する.
3.2 に対して, およびが存在し, 以下が成り立つ: 任意の整数および任意のに対して空でない有限集合, が存在して, 以下の性質が成り立つ:
(a) .
(b) 任意のに対して, が成り立つ.
(c) に対してが成り立つ.
3.3 論文と同じく, 3.2が証明できたと仮定してが導かれることを先にみておく.
を任意に取り, 3.2によって存在するおよびをとる. 更に, 以上の偶数および自然数をとる. そうして, 3.2によって存在する集合をとる. の最大限をと表す.
とする. を固定し, と略記するとき,
なので,
と評価できる. 両辺のに関する上極限をとって3.1および3.2の(c)を用いると
を得る.
3.4 ここで少し上漸近密度を取り扱う. 集合の上漸近密度は
と定義される. 一般に.
を相異なる個の以上であるような素数の積とし, をと互いに素な自然数全体のなす集合とし, をの倍数全体のなす集合とするとき,
という計算から
と評価できることがわかる.
3.5 ここで, 3.3の設定に戻る. に対して, Möbius関数の乗法性*7から
と変形でき, 3.4を使うことにより
が成り立つことがわかる(のときは, それで十分だからという理由で, と上から評価しておく).
3.6 さて, 3.2の(a)からの元は素数であり, の元は相異なる個の素数の積である. 更にを偶数として選んでいることから, のときは , のときは である. このことと, 3.3, 3.5の結論より
が得られる.
3.7 実は3.2の(b)から
が成り立つことを証明できる(初見で「そんなこと証明できるはずがない」と思ってしまったのは内緒). まず, 毎に区切って三角不等式を用いることにより
と評価できる. 和の中身を評価していこう. は有限集合なので, は有限の範囲を考えれば十分であり, 以下の評価では実際にそう仮定する.
3.8 , とする(). このとき,
が成り立つ.
証明. に注意する.
が成り立っている*8.
と評価できることから,
と合わせて所望の評価を得る. Q.E.D.
3.9 とおく. 3.2の(b)よりこれはによらず, では の状態にあるとする.
とおけば, に注意して,
と評価することができる. 従って,
とはさむことができ,
がわかる*9.
3.10 上の2つの評価3.8, 3.9を用いると
を得る. が非負である事に注意すれば
と評価することができ,
である事から3.7は真実である.
3.11 今示された3.7を用いることにより,
と変形することができる. これに三角不等式を適用してから上極限をとり, 3.6を用いることにより
を得る. 任意にをとり, が成り立つようにをとる. に依存してをとったあとに, が成り立つだけ大きなをとる. このようにすれば
が得られるので,
が従う. これはであり, 2節の議論から素数定理が証明されたことになる.
後は3.2の, の存在性を示せばよい. そのために, Chebyshev型定理の評価を用いる. 古典的な結果であるが証明しておこう. まずは下からの評価を与える.
4.1 は以上の実数とする. このとき,
が成り立つ.
証明. が偶数である場合に証明すれば十分である*10. Legendreの公式より
である*11. よって
と評価でき, 自然対数をとると
を得る. [note]の命題5.3より
なので,
を得る. とを合わせれば証明が完了する. Q.E.D.
上からの評価には次の補題を用いる.
4.2 , とする*12. このとき,
が成り立つ. ここで, とおいている.
証明. はを意味するものとする. の元はを割り切るので,
と評価でき, 自然対数をとると
を得る. [note]の命題5.3より
と計算できる*13. と合わせて両辺をで割ればよい. Q.E.D.
Richterの証明において必要となる数論的情報は, Chebyshev型定理として証明した上記2つの補題から示される, 短区間における素数の個数に関する次の命題に集約される*14.
4.3 実数, が存在して, 以下が成立する:
ただし, はに依存して存在する実数.
証明. 4.2においてとおくことにより、
が成り立つ。が例えば以下であれば が成り立つので、が十分大きければ
が成り立つことがわかる。
1つ目の不等式の証明について, 4.2を用いたRichterの議論は細かい点が個人的に気になるが, ここでは代わりに4.1の逆向きの不等式として以下の4.4を用いることにする*15. 4.1と4.4を組み合わせると,
と評価できる. 例えば と評価すれば, これはで下から押さえることができる. Q.E.D.
4.4 は以上の実数とする. このとき,
が成り立つ.
証明. 4.1のときと同様に考えて, が以上の整数のときに成立することを証明すればよく, が小さいときは直接成立を確認できるので, と仮定してよい. このときに, 以上未満の整数では成立すると仮定して数学的帰納法で証明する. その際, は奇数であると仮定してよく, とおく. まず,
と評価でき, 一方
と評価できるので, 合わせると
を得る. 対数を取れば
となるが, 帰納法の仮定および条件を用いることにより
を得る. Q.E.D.
4.5 あるが存在して以下が成立する: 任意のと任意のをとるとき、のみに依存するとのみに依存するが存在して以下が成立する: 以上の整数に対して、あるが存在し、かつ
が成り立つ。
証明. が4.3のもの以上とするとき、4.3の一つ目の不等式から区間 内に少なくとも個の素数が存在することがわかる。とおくとき、分割による被覆
があるので、鳩の巣原理により或るが存在して区間に少なくとも
個の素数が存在することがわかる。実際、上の個の区間の全てがそれぞれ個未満の素数しか含まなければ、区間の含む素数の個数が高々
で矛盾する。次に、とおく。分割による被覆
を考える。このとき、各に対して小区間は高々
個の素数しか含まない。実際、を4.3のの4乗根以下とし、を4.3の以上とすると、4.3の2つ目の不等式より
が成り立つ。あとはに注意すればよい。
このことから、が十分小さければ、ある連続しない2つの整数が存在して(とする)、
が成り立つことがわかる。実際、今考えている個の小区間のうち、少なくも3つの区間が素数を少なくとも個含むことを示せばよい。背理法で証明するために、個の小区間が素数をそれぞれ個未満しか含まなかったと仮定する。残り2個の区間に含まれる素数の総計は先ほど示したことから高々
個しか含まないので、が(従ってが)十分小さければ
なる評価に到達して、の取り方に矛盾する。
さて、任意のに対して
であって
が成り立つようなものが存在する。これはとおいて分割による被覆
を考えて鳩の巣原理を適用すればよい(についても同様)。このとき、が隣合わないことからが成り立っており、なのでである。すなわち、に注意して、ととれる。 Q.E.D.
4.6 あるが存在して以下が成立する: 任意のに対してが存在して以下が成立する: 任意に整数をとり、としてを4.5のものとする。以上の個の整数および実数であってを満たすようなものを任意にとる。このとき、実数であって、
を満たすようのものが存在する。
証明. は4.5と同じもの、は4.5のものとする。4.5より、各に対して , であって
および
がに対して成り立つようなものが存在する。よって、であるようにを選べば所望の性質のうち最初の二つは満たされる。
まずはおよび
によってを定める。すると、帰納法によって
が満たされる。特に、
が成り立つ。その後、から順次必要に応じての値をに取り替えていく。一回取り替える毎にの増える量は未満なので、未満の値から一回取り替えていきなり以上になることはない。一方、の増える量は以上なので回取り替えを行うとは増加して必ずを超えることになる。つまり、どこかのタイミングでがに入る。 Q.E.D.
以上の準備のもとに3.2を証明する。
4.7 (パラメーターの選択)
を任意に選ぶ。
を を満たすようにとる。
とおく。
は4.6のものとする。
とする。
を4.6の以上ののみに依存する十分大きい数とする。
とする。
整数およびを任意にとる。
Chebyshev型の不等式である4.3の1つ目の不等式と4.4から、絶対定数があって
が成り立つ。
とおき、を4.6のものとし、整数を
を満たすようにとる(は絶対定数)。最後に整数を
と選んでおく。
4.8 (の構成)
有限集合(の倍数からなる)を
を満たすように選ぶ(調和級数が発散することから選べる)。以下、帰納的にまで決まっているときに、を集合の最大元と定める。そうして、有限集合を
を満たすように選ぶ。こうして、を定義する。
このとき、の元は一意的な表示を持つ。∵ でそうであると仮定して、もそうだということを示せばよい。と2通りの表示があったとすると
が成り立つが、右辺はより真に大きく未満であり、左辺はの倍数である。このことからであり、残りは帰納法の仮定からが従う。こうして一意的な表示を持つことが示された。
をとる。4.3の1つ目の不等式からであり、
から、鳩の巣原理により或るが存在して小区間は少なくとも個の素数を含む。
と一意的に表示できるが()、4.6においてとしたときのをとる。これらはに依存することに注意(本当はを明示すべきだが記号がうるさくなるので省略する)。である。
4.9 (の構成)
各について、4.6の1つ目の式から、の部分集合であって、
が成り立つようなものをとることができる。達はどの2つをとっても互いに素な集合*16である。このとき、
とおく。4.6の3つ目の式と, であることから
が成り立つ。
4.10 (の構成)
をが成り立つように選ぶ。選べる理由であるが、
と評価できることとの取り方からわかる。最後の不等号は, ,
などから余裕で評価できる。
4.11 (Richterの集合の構成)
集合を
と定める。であり、であるが、などより3.2の(a)が満たされるように構成されていることがわかる。また、やのへの制限は空集合であるかやであるため、3.2の(b)も成立することがわかる*17。従って、あとは3.2の(c)が成り立っていることを確認すればよい。
4.12 各とに対し、とし、
とおく(これは非交和になっている)。なので、
と評価できる。一方、が十分大きいことから
が成り立ち、
と評価できる*18。を合わせると
を得る。
4.13 (に関する期待値評価)
の元は素数なので、
が成り立つ。また、3.2の(b)より各に対してとおくと、
と評価できるので、, の取り方, , の取り方より
を示すことができた。これで3.2の(c)をに対して証明できたことになる。
4.14 を自然数からなる互いに素な集合とする。このとき、等式
が成り立つ。
証明. これは
であることと、, に対して
が成り立つことからわかる。 Q.E.D.
よって、特にとが以下であれば
が成り立つ。
4.15 (に関する期待値評価)
各についてであるため、が成り立つ。このことと、から
と評価できる。は素数の集合なので
が成り立ち、, , の取り方より
であることに注意すると、4.14を用いた数学的帰納法により
と評価でき、
に到達する。の取り方からこれはで上から押さえることができ、3.2の(c)がに対しても成立することが示された。
4.16 証明すべきことが全てなされたので、素数定理の証明も以上をもって完結する。
*1:期待値記号やを二重に用いる場合はここのように適宜括弧を省略する. 有限和なので当然問題は生じない.
*2:という型で用いる.
*3:次のように計算すればよい:
*4:ををで割った表示とすると, .
*5:.
*6:との最小公倍数の倍数であって以下であるようなについてをピックアップしていくので, と割り算をするとき, を得る. よく知られているように であることから, と計算できる.
*7:が互いに素な自然数であるとき, が成り立つ. これは定義から明らか.
*8:であるが, , と評価できる. 最後の不等式はが(に依存して)十分大きければ実現される. についても同様.
*9:, .
*10:以上の最小の偶数をとすれば, or であり, である. メモ: はで単調増加.
*11:一般に実数に対して .
*12:とかという数はそれでないといけないというわけではない.
*13:4つ目の等号が得られる理由は, , , および.
*14:Richterの論文で実際に素数の性質を使う部分は4.1, 4.2のそれぞれの冒頭の議論のみである. 実際には, 2.1の証明において[note]の補題6.7, 補題6.10の証明に素因数分解の情報が使われている.
*15:ただし, 本質的な考え方は全く同じであり, 違いは非常に細かい部分にある.
*16:とが互いに素な集合とは、の元との元の任意の組が互いに素なときにいう。
*18:であるが、と大雑把に評価している。