インテジャーズ

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数、特に整数に関する記事。

78:関-Bernoulli数の分母にならない6の倍数であるような無平方数のうち最小の数

関-Bernoulli数B_{2n}の分母をD_{2n}とすると、


\displaystyle D_{2n} = \prod_{p-1 \mid 2n}p

が成り立つのでした(積はp-12nを割り切るような素数全体を渡る)。これは、Von-Staudt-Clausenの定理の系で
integers.hatenablog.com
で証明しました。

任意の偶数は1, 2を約数に持ち、1+1=2, 2+1=3はともに素数であることから、全てのD_{2n}6の倍数であるような無平方数(square-free number)です。この観点から、78は覚えるに値する数であると言えます:

定理 78=2\times 3\times 13はいかなる関-Bernoulli数の分母にもなり得ない。

証明. D_{2n}=78なるnが存在したと仮定する。このとき、13-1 = 12なので、2n12の倍数である。すると、2n4でも6でも割り切れる。4+1=5, 6+1=7は素数なので、5, 7 \mid D_{2n}でなければならない。これは矛盾である。 Q.E.D.

このように、分母になり得ない数がある一方、次の疑問が生じます。

Question1 \ \ \ \displaystyle \#\{D_{2n} \mid n \in \mathbb{N}\} = \infty

ある予想を認めれば次のように簡単に解決します:

定義 素数pSophie Germain素数であるとは、2p+1も素数になるときにいう。

予想 Sophie Germain素数は無数に存在する。

この予想を仮定すると、奇数であるようなSophie Germain素数pに対して

D_{2p} = 6(2p+1)

となって、先ほどの疑問は肯定的に解決します。今のところ、何らの仮定なしに先ほどのQuestion1を解決できるかは私は知りません。


Sophie Germain素数を使えば、関-Bernoulli数の分子を分母で割った余りの数列
integers.hatenablog.com
\{a_n\}についても情報が得られます。上記記事では、\{a_n\}の値として一度現れたものは無数に現れることを証明しましたが、値自体は無数に存在するかは問いませんでした。つまり、次の自然な問を考えることができます。

Question2 \ \ \ \displaystyle \#\{a_{n} \mid n \in \mathbb{N}\} = \infty

Sophie Germain素数について、次の補題が成り立ちます:

補題 pがSophie Germain素数ならば
 a_p = 2p-5
が成り立つ。

証明. D_{2p}=6(2p+1)であり、

\displaystyle \sum_{\substack{l-1 \mid 2n \\ l: \text{素数}}}\frac{D_{2p}}{l} = 3(2p+1)+2(2p+1)+6 = 5(2p+1)+6

である。よって、上記記事の補題2より

\displaystyle a_p \equiv -5(2p+1)-6 \equiv 2p-5 \pmod{D_{2p}}

であるが、1 \leq2p-5 \leq D_{2p}-1 なので、

\displaystyle a_p = 2p-5

が成り立つ。 Q.E.D.

この補題により、Sophie Germain素数が無数に存在すればQuestion2が肯定的に解決されることが分かりました。