関-Bernoulli数の分母をとすると、
が成り立つのでした(積はがを割り切るような素数全体を渡る)。これは、von-Staudt-Clausenの定理の系で、関-ベルヌーイ数 - INTEGERSで証明しました。
任意の偶数はを約数に持ち、はともに素数であることから、全てのはの倍数であるような無平方数(square-free number)です。この観点から、は覚えるに値する数であると言えます:
証明. なるが存在したと仮定する。このとき、なので、はの倍数である。すると、はでもでも割り切れる。は素数なので、でなければならない。これは矛盾である。 Q.E.D.
このように、分母になり得ない数がある一方、次の疑問が生じます。
ある予想を認めれば次のように簡単に解決します:
この予想を仮定すると、奇数であるようなSophie Germain素数に対して
となって、先ほどの疑問は肯定的に解決します。今のところ、何らの仮定なしに先ほどのQuestion1を解決できるかは私は知りません。
Sophie Germain素数を使えば、関-Bernoulli数の分子を分母で割った余りの数列
integers.hatenablog.com
についても情報が得られます。上記記事では、の値として一度現れたものは無数に現れることを証明しましたが、値自体は無数に存在するかは問いませんでした。つまり、次の自然な問を考えることができます。
Sophie Germain素数について、次の補題が成り立ちます:
証明. であり、
である。よって、上記記事の補題2より
であるが、 なので、
が成り立つ。 Q.E.D.
この補題により、Sophie Germain素数が無数に存在すればQuestion2が肯定的に解決されることが分かりました。