定理(
の原始
乗根の一様分布性)
を複素平面上の単位円周とし、弧
を一つとって、その長さを
とする。また、自然数
に対して
の原始
乗根全体のなす集合を
と記す。このとき、
が成り立つ。
はEulerのトーシェント関数:オイラーのトーシェント関数とφ(R(n))=n - INTEGERS
注目すべき点はの漸近する値が
の長さにしか依らないということです。主張を言葉で表現すれば、「単位円周上の弧を任意に取ると、
の原始
乗根全体の個数とその弧に属する
の原始
乗根の個数の比は
が十分大きいと円周の長さと弧の長さの比に近づく」となります。単位円周上に分布する
の原始
乗根が実軸に対して対称に分布しているのは自明ですが、例えば
のときは実部が正の部分にしか
の原始
乗根は現れません。上記定理によれば、
を十分大きくすると虚軸に対して実部が正の部分と負の部分で殆ど均等に
の原始
乗根が分布していることが分かります。
証明
補題
.
証明. の元は
上等間隔であることから
定理の証明. Möbiusの反転公式(上記参考記事の反転公式(その一) )より
が成り立つので、
と評価できる。よって、
を得る。最後の数はで
に収束することを二つ目の参考記事で示しているため、証明が完了する。 Q.E.D.