インテジャーズ

INTEGERS

数、特に整数に関する記事。

563:Wilson素数

563は見つかっている最大のWilson素数です。知られているWilson素数は

5, 13, 563

の三つのみです。

Wilson素数はWilsonの定理を元にして得られる概念です:

Wilsonの定理 pを素数とすると、合同式
 (p-1)! \equiv -1 \pmod{p}
が成り立つ。

Wilsonの定理については2015の階乗を10の502乗で割った数の一の位は? - INTEGERSで証明を紹介しました。

WikipediaにWilsonの定理に関する面白い歴史が載っていたので引用します:

この定理は、10世紀のペルシャの数学者イブン・アル・ハイサム(アルハゼン)によって最初に発見された。しかし、ヨーロッパでは長いこと知られず、イギリスのエドワード・ウェアリングの弟子だったジョン・ウィルソンによって発見され、1770年にウェアリングによって公表され、「ウィルソンの定理」の名がついた。しかしウェアリングもウィルソンもこの定理の証明はできず、1773年にラグランジュが最初の証明をした。なお、ゴットフリート・ライプニッツがその一世紀前に結果に気がついていたという証拠があるが、ライプニッツはそれを公表しなかった。

引用した内容が正しいかは調べていませんが、どうやらWilsonの定理に関してもStiglerの法則が成立しているようです:オイラーの等式、スティグラーの法則 - INTEGERS

さて、Wilsonの定理を受けて、Wilson商w_pを次のように定義します:

定義 素数pに対し、Wilson商を整数
\displaystyle w_p := \frac{(p-1)!+1}{p}
と定める。

このWilson商がpの倍数になるときにpのことをWilson素数と言います:

定義 素数pがWilson素数であるとは、
w_p \equiv 0 \pmod{p}
を満たすときにいう。

今回は短いですがここで終わりにして、類似の概念であるWieferich素数を紹介した後、Wilson商とWieferich商や関-Bernoulli数との関係を紹介したいと思います。