は見つかっている最大のWilson素数です。知られているWilson素数は
の三つのみです。
Wilson素数はWilsonの定理を元にして得られる概念です:
Wilsonの定理については2015の階乗を10の502乗で割った数の一の位は? - INTEGERSで証明を紹介しました。
WikipediaにWilsonの定理に関する面白い歴史が載っていたので引用します:
この定理は、10世紀のペルシャの数学者イブン・アル・ハイサム(アルハゼン)によって最初に発見された。しかし、ヨーロッパでは長いこと知られず、イギリスのエドワード・ウェアリングの弟子だったジョン・ウィルソンによって発見され、1770年にウェアリングによって公表され、「ウィルソンの定理」の名がついた。しかしウェアリングもウィルソンもこの定理の証明はできず、1773年にラグランジュが最初の証明をした。なお、ゴットフリート・ライプニッツがその一世紀前に結果に気がついていたという証拠があるが、ライプニッツはそれを公表しなかった。
引用した内容が正しいかは調べていませんが、どうやらWilsonの定理に関してもStiglerの法則が成立しているようです:オイラーの等式、スティグラーの法則 - INTEGERS
さて、Wilsonの定理を受けて、Wilson商を次のように定義します:
このWilson商がの倍数になるときに
のことをWilson素数と言います:
今回は短いですがここで終わりにして、類似の概念であるWieferich素数を紹介した後、Wilson商とWieferich商や関-Bernoulli数との関係を紹介したいと思います。