この記事では、Weierstrassの多項式近似定理の証明を解説します:
定理 (Weierstrass, 1885) を区間上で定義された実数値連続関数とする()。このとき、任意のに対して多項式が存在して、が成り立つ。
証明は何通りもありますが、Bernsteinによるものを解説します。これは多項式を具体的に与える証明です。
補題
補題 次の三つの多項式の等式が成立する:
証明. 一つ目は
二つ目は
三つ目は
と示される。 Q.E.D.
補題より、
であることがわかります。
帰着
定理のは上定義されている場合に証明すれば十分です。というのも、が上で定義されているとき
は上で定義された連続関数となるので、このに対する近似多項式の存在が証明できていれば
がに対して成り立ち、についても近似多項式が存在することがわかります。
Bernstein多項式
は上定義された連続関数としましょう。このとき、に付随する次Bernstein多項式を
と定義します。
証明
それでは、上定義された連続関数 に対してWeierstrassの近似定理を証明しましょう。
Weierstrassの近似定理の証明. を固定する。において式変形を行っていく。補題の一つ目の式より
なので、
を得る。は閉区間で連続のため、一様連続である。すなわち、が存在して、
が成り立つ。これを利用して、の場合との場合に和を二つに分解して評価する。とすると(が連続なので存在する)、後者の場合は
が成り立つことに注意して、
と評価できる。ここで、補題の節の結果およびを用いた。
よって、十分大きいをとれば、
が成り立つことが示された。 Q.E.D.