何度でも言いたくなる魔法の言葉「ぶぶんぶんすうぶんかい」
補題1
を体とし、
とする。互いに素な多項式
によって
と分解されているならば、
が存在して、
において
が成り立つ。
証明. が互いに素であることから、
が存在して
が成り立つので、とおけばよい。 Q.E.D.
系1
を体とし、
とする。どの二つをとっても互いに素であるような多項式
によって
と分解されているならば、
が存在して、
において
が成り立つ。
証明. 仮定より例えば と
は互いに素であり、数学的帰納法によって補題1を
の場合に拡張できる。最後に各
で割り算を実行すればよい。 Q.E.D.
補題2
を体とし、
とする。正整数
に対して
であれば、
が存在して、
において
が成り立つ。
証明. 互除法で証明できる:
を組み合わせればよい。 Q.E.D.
系1と補題2より次が得られます:
定理 (部分分数分解)
を体とし、
とする。相異なる既約多項式
と正整数
によって
と分解されているならば、多項式
が存在して(
)、
において
が成り立つ。
次の形の部分分数分解はよく用いられます。
系2
とする。相異なる複素数
を用いて
と分解されており、
であれば
と部分分数分解される。ここで、
は
の導関数。
証明. 定理より複素数 が存在して、
と書ける。両辺に を掛けると
なので、を代入すれば
が得られる。一方、なので、
が示された。 Q.E.D.